2021
03/07
日

画像参照元:Goo-net
概要
2019年3月にフルモデルチェンジし、2代目となった日産・デイズ。先代の初代デイズでは三菱との合弁会社(NMKV)での三菱主導による共同開発で日産仕様としてデザインや内装のみ変更されていたが2代目では企画・開発を日産が主導。製造は三菱という完全分業制に切り替わった。これにより日産の先進技術を惜しみなく投入し、新世代に相応しい軽自動車となった。

2代目デイズのエクステリアは躍動感がありつつダイナミックなデザインでクラスを超えた威風を感じさせる堂々としたデザインとし、カスタムのハイウェイスターではこれにマルチレフタイプLEDを2段配列したランプとクリスタルカットグリルに3Dメッシュグリルを採用し洗練さと質感や先進性を向上。インテリアでは2段階構成のインパネや直感的に操作できるエアコンスイッチなど先進的で一体感あるデザインとした。
パッケージングは新開発プラットフォームを採用したことによりキャビンとラゲッジスペースの広さを両立。また前席においてもショルダールームが広く大人二人が並んで座っても快適に過ごせる空間を実現。後席はニールームを70mm拡大したことで前席が一番うしろの位置でも荷室長を385mm確保。ホイールベースの65mm延長と相まって広々とした後席の足元空間を確保している。
エンジンは日産の新開発によるBR06型エンジンを採用。ベースはルノーの新興国向け小型エンジン「BR08」で、これを660CCの軽自動車規格に収まるよう設計し直したものである。それまで採用してきた「3B20型」は元々RRレイアウトの三菱・アイに載せるため小型でかつかなりのショートストロークエンジンだった。そのため回さないとトルクがでない仕様だったがBR06は昨今の低燃費エンジンと同じくロングストロークを採用し、低速から実用的なトルクが出るエンジンとなった。またCVTもワイドレシオの新型を採用。これらにより燃費向上と低速域から高速域までストレスなくキビキビした走りを実現した。

先進技術では日産の先進安全技術である「プロパイロット」を軽自動車として初搭載(※ハイウィスターのみ)。高速道路時の渋滞走行や長時間の巡航走行という2大ストレスシーンにおいてアクセルとブレーキ、ステアリング操作を車側で支援することでドライバーの負担を軽減し、軽自動車でのロングドライブを身近にかつ気軽に提供する。

また、軽自動車初となる「SOS」コールをハイウェイスターでは全グレードに標準装備(※ボレロにはオプション設定)。ドライバーからの通報や自動検知により交通事故や急病などの緊急時や事故の危険にオペレーターが対応。緊急車両の手配などドライバーをサポートする。そのほかインテリジェントエマージェンシーブレーキ、インテリジェントLI&LDW(車線逸脱防止支援システム&車線逸脱警報)、踏み間違い衝突防止アシスト、インテリジェントアラウンドビューモニター、ハイビームアシストなどを全グレードに標準装備。三菱のeKクロス同様、フルモデルチェンジに相応しい全面改良となった。
ボレロの特別装備

その2代目デイズをベースにオーテックジャパンが手掛けたカスタムモデルが「デイズ ボレロ」だ。ボレロというモデルは古くは1997年に2代目マーチのレトロモデルとして初登場。個性的かつ愛着の持ちやすいレトロ風な外装を与えたカスタムカーで、初代デイズにも同様のコンセプトで設定された。2代目ではベースとなるデイズのフルモデルチェンジと同時に登場。ボレロ専用の外装パーツや内装品をまといベースモデルよりも個性的かつ上品に仕立てられたモデルとなっている。

具体的には外装には専用フロントグリル、ホワイトパールのカラードドアミラー&ドアハンドル&ドアフィニッシャー&アルミホイールに専用エンブレム。

内装では専用ソフトレザー調トリコットコンビシート、専用インパネ、専用本革巻ステアリングホイール、専用サンバイザーにメッキインサイドドアハンドル、メッキボタン付きシフトノブ、ドアトリムクロスを与えている。
さらに専用ボディカラーにはノーマルのデイズにはない2トーンカラーを専用設定。ピンクとホワイトを組み合わせたブロッサムピンク&ホワイトパールや空色&ホワイトを組み合わせたソーダブルー&ホワイトパール2トーンなど6種類の2トーンカラーとモノトーン4色の全10色を設定している。
エクステリア

フロントデザイン。2代目ボレロは日産の共通デザインである「Vモーショングリル」を取り入れたヘッドライトやグリルはノーマルと共通。これにボレロ専用のグリルとフロントバンパーが組み合わされる。グリルはダーククロムメッキタイプで、バンパーは初代デイズボレロでは大きな開口部にメッシュを組み合わせた特徴的なフロントバンパーだったが、2代目デイズボレロではグリルまわりのブラックカラーと同じカラーのメッシュグリルで上品さを表現。先代までの(3代目マーチボレロに)あったレトロ感のある特徴的なデザインでは無くなったものの、ベースモデルよりも上品な見た目となった。

この他ディーラーオプションとしてフォグランプとドアハンドルプロテクタも選択可能だ。

サイド。ボレロの特別装備としてはホワイトカラーの電動格納式リモコンドアミラーと同じくホワイトパールのアウトサイドドアハンドルが特別装備となる(※写真のようにボディカラーにホワイトパールを選択時のみ色が逆転しブロッサムピンクのドアラミラーとドアハンドルとなる)。

さらにディーラーオプションとして先代にもあったドアハンドルステッカーや

Boleroエンブレム付きの専用プラスチックバイザーも選択可能だ。

足元はボレロ専用のデザインの14インチアルミホイール。先代はスチールホイールにホイールキャップの組み合わせだったのでこの点はアップグレードされている。

リア。コンビランプはデイズと共通。ボレロの特別装備としてはリアゲート中央にダーククロムのバックドアフィニッシャーが標準装備となる。さらにリアゲート右側にはボレロを示す専用エンブレム(Bolero)が付く
エンジン・機能

エンジンはデイズのXベースのため三菱と同じ新開発のBR06型直列3気筒DOHC自然吸気のみ。自然吸気エンジンの最高出力は52ps(38kW)/6400rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/3600rpm。これに新開発でワイドレシオなCVTの組み合わせ。駆動方式はFFまたは4WDの2種類。燃費性能はJC08モードでFFが24.6km/リットルとなる(※デイズのXベースのためマイルドドハイブリッドは非設定)。

ほかに「ヒルスタートアシスト」、「フロントスタビライザー」、「エマージェンシーブレーキ」、「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」、「EBD(電子制御制動力配分システム)」、「オートハイビーム」を全グレードで標準装備。なお、三菱のeKクロスに標準装備だった滑りやすい路面での発進と加速をサポートする「グリップコントロール」はボレロでも非設定。

このほか自動ブレーキとしては全グレードで先代の「衝突軽減ブレーキシステム」に「車線逸脱防止支援機能」が追加され「踏み間違い衝突防止アシスト」、「車線逸脱警報システム」、「インテリジェント オートライトシステム」の5つが備わる。
インテリア

インパネ。2代目デイズボレロの内装はピンクとホワイトを組み合わせカラーが特徴で、インパネでもピンクを全面に押し出した配色となる。この他助手席のバニティミラー付きサンバイザーがボレロでは標準装備となる。

エアコンはXベースのためタッチパネル式のオートエアコン。ボレロの特別装備としてシフトノブのボタンがメッキタイプとなる。

先代では収納スペースが他社に比べ少ないなど不満点があったが、2代目ではデザイン性に加え実用性も高められ、収納スペースが豊富になっている。

スピードメーター。自然吸気エンジンとターボエンジンで共通のタコメーター付きの2眼式スピードメーター。メーターまわりはボレロ専用のギミック等はなくベースモデルと共通。
中央にはマルチインフォメーションディスプレイを備え、ステアリングのスイッチにより表示できる情報(平均燃費、エコペダルガイド、航続距離、平均燃費など)を変化させることが可能だ。

オプション設定の9インチナビを選択すると、デジタルルームミラーで表示していたインテリジェントアラウンドビューモニターの切り替えにも使える。

ステアリングはボレロ専用のピンクとホワイトを組み合わせた本革巻ステアリングホイール。

この他オーテックジャパン扱いのオプションとしてボレロ専用フロアカーペットを選択可能だ。

フロントシートはベンチシートタイプ。ボレロ専用品でピンクとホワイトを組み合わせた専用ソフトレザー調のトリコットコンビシート(※スティッチ付き)となる。ベース同様に中央とサイトサポート部で異なる生地を採用しており、軽自動車らしからぬ質感が特徴。

リアシート。フロント同様にピンクとホワイトの組み合わせが特徴的だ。ベース同様にホイールベースが延長されたことにより後席の足元はかなり確保されている。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。
まとめ

2代目デイズに設定されたボレロはベースモデルよりも上品な外観にピンク&ホワイトによる専用内装で個性的かつ可愛らしさがプラスされたデイズとなっている。特に内装にいたっては女性ウケしそうなカラーリングでかつ外観も先代のデイズボレロよりはレトロ感が無くなってしまったものの、素性の良いデザインの2代目デイズをベースにより上品さがアップしているためスタイリッシュだけど可愛らしいという2つの特徴を持つ軽自動車となっている。一般的に女性ウケを狙った軽自動車は丸目ヘッドライトを採用したりファニー顔だったりするのがセオリーだがそれに属しないモデルとなっていてこの点は新しい。オーテックジャパンの気合が伝わってくる1台である。
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