2021
02/07
日

画像参照元:Goo-net
概要
2020年6月に登場したダイハツ・タフト。ダイハツの新しいプラットフォームであるDNGAの第3段(軽自動車としては第2段)として登場したタフトは、昨今流行りのクロスオーバーSUVというジャンルに位置するダイハツ渾身の1台だ。ムーヴやタントよりも高い最低地上高や15インチの大径タイヤ、スクエアボディという外観からはスズキ・ハスラーを強く意識したモデルとなっており、それまで存在したダイハツ・キャストアクティバの後継モデル、しいてはさらにその前に存在したテリオスキッドの後継モデルとなりうるニューモデルとなっている。

①力強さやタフさを強調した個性的なデザイン
タフトのキーコンセプトは「タフ&オールマイティーファンツール」。その名前の通りエクステリアにはSUVらしい力強い外観に前席天井にはガラスルーフ(スカイフィールトップ)を備え、多彩な収容スペース(クルースペース)と自由自在にアレンジ可能な後部座席(フレキシブルスペース)により日常からレジャーまでアクティブに活躍できるモデルとしている。
インテリアはドライバー中心の配置設計による使いやすさと黒基調による上質感を両立させたインパネにホールド感のオレンジのアクセントカラーを施した高いセパレートタイプのシート。

メーカーオプションでは外観のカスタムパーツとして樹脂パーツやダークメッキまたはクロムメッキを組み合わせた以下、3パターンを用意。好みに応じて変更できるようにした(※Xグレードは選択不可)。
カラーバリエーションはタフト用にダイハツの軽として新設定した3色を含む全5色を設定。
②スカイフィールドトップ

タフトの大きな特徴のひとつである「スカーフィールドトップ」。フロント天井にガラスルーフを全グレードで標準装備とし、開放感あふれる空間を演出した。ガラスそのものもスーパーUV&IRカットガラスの採用で紫外線対策と室内温度対策にもなる(※開閉は手動式となる)。
③フレキシブルスペース

後部座席はフルフラット可能なフレキシブルスペースとし、さらにシートバックボードとデッキボード表面には立体形状のパターンを施して汚れても拭き取りやすい素材を採用。多彩なシートアレンジと組合わせて日常からレジャーまで使いやすさを追求した。
④DNGAによる基本性能&安全性能、良品廉価
タフトはタントに続き軽自動車としては第2段となるDNGAの採用により軽量と高剛性を両立。剛性を高め乗り心地をアップさせた。さらに同じくタントで新採用した改良型エンジンを採用し発進加速を向上。ターボエンジンとD-CVTの組み合わせで加速感を高めた。そのうえで価格設定はお求めやすい良心価格とした。

SUV性能としてはライバルのハスラーよりも10mmアップの190mmの最低地上高に15インチタイヤ。フロントのアプローチアングルは27°にリアのデパーチャーアングルは58°確保し悪路での走破性能を高めた。さらにグリップサポート制御機能を搭載し、タイヤが空転した場合でも電子制御により空転を抑制。発進や加速をサポートする。
スマートアシストは3年半ぶりの新型ステレオカメラを搭載。イメージセンサー変更により夜間歩行者検知機能を追加。さらに検知機能も認識処理変更により性能が向上した。加えて衝突回避支援ブレーキの対応速度引き上げと
自動ブレーキ等では進化版のスマートアシストを搭載。新開発となるステレオカメラを採用して衝突回避支援ブレーキ機能の対応速度を引き上げ、夜間の歩行者検知機能を追加。また、ダイハツの軽自動車初となる電動パーキングブレーキの採用で利便性と安全、安心性能を向上させた。さらに新プラットフォームのDNGAをp採用することにより軽量化と高剛性を高次元で両立。乗り心地や操縦安定性の良さと力強い走りを実現しつつ、お求めやすい価格とした。
さらにダイハツの軽自動車としては初となる電動パーキングブレーキを全車に標準装備。メーカーオプションではダイハツコネクトを設定。9インチスマホ連携ディスプレイオーディオに加え6.8インチスマホ連携ディスプレイオーディオを追加できるようにした。
エクステリア

フロントデザイン。直線的なラインを多用しつつ、角は丸みを与えることで適度なスクエアボディ感を演出。ヘッドライトもボディ形状にあわせた丸みのあるスクエア型とすることでシンプルでありながら力強いSUVのイメージをもたせている。

なお、中央の大型メッキグリルはオプション品で最廉価のXグレードを除くGとGターボグレードに装着可能だ。この大型メッキグリルを含めたセットパックが上述の通り3種類あり、その中でメッキグリルまたはダークブラックメッキグリルを装着可能だ。

ヘッドライトは4代目タントと同じく全グレードでフルLEDヘッドライトを採用。ハイロー独立式でかつ両方ともLEDを採用したヘッドライトとなる。フォグランプも純正でLEDフォグランプとなる(Xグレードではフォグランプは非装備)。オートハイビームはXグレードに標準装備。かわってGとGターボにはアダプティブドライビングビームが標準装備となる。4代目タントカスタムで導入されたサイドビューランプは全グレードに標準装備。

サイド。スクエアボディに小さな窓、樹脂パーツのバンパーでこちらもSUV感を演出している。フロントガラスはかなり立っていて、ボンネットの角も立っているので四隅がわかりやすく運転しやすい。ルーフ部分には上述のガラスルーフを備え、上方向に開放感のあふれる空間となっている。

足元はハスラーと全く同じタイヤサイズ、165/65/R15の15インチアルミホイールとなる。ちなみに先代のキャストアクティバとも全く同じである。外装のオプションを選択肢ないデフォルト状態だとGターボがガンメタ塗装、Gがシルバー塗装。ダークブラックメッキパック選択時はGターボ、Gに限らずこのアルミホイールがガンメタ塗装となる。

Xグレードのみ黒く塗られたスチールホイールとなる。この点はかなりハスラーを意識している。なお、メーカーオプションのチルアウトスタイルを選択すると、アルミホイールの変わりにホワイト塗装のスチールホイールとなる(※Xグレードはオプション選択不可)。

リア。SUVらしい露骨なスクエア形状がめにつく。雰囲気的には3代目タントカスタムを上下方向に圧縮したようなイメージも感じるデザインだ。コンビランプはヘッドライトと同じようなデザインで、サイドにフロント同様のLEDウィンカーが埋め込まれている。

メッキパックを選択すると後部にもメッキバックドアガーニッシュ(ダークブラックメッキパック選択時はダークブラックメッキバックドアガーニッシュ )が付く。デザイン的には3代目タントカスタムによく似ておりノーマルよりも精悍さがアップする。
エンジン・機能

エンジンは4代目タントで初搭載した大幅改良型のKF型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類。3代目タントに搭載されていたKF型をベースに(※発表時)日本初となるマルチスパークの採用やフワール噴霧を採用したことで燃焼効率を大幅に向上したもので、自然吸気エンジンは最高出力52ps(38kW)/6900rpm、最大トルク6.1kg・m(60N・m)/3600rpm。ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルク10.2kg・m(100N・m)/3600rpm。これに新開発のスプリットギヤを採用したD-CVTの採用でFFのJOC08モード燃費は25.7kmを達成した。
また「ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ」、略してDNGAの第3段として設計され、軽量化高剛性ボディのDモノコック採用により車両剛性が向上。キビキビとした動きとフラットな乗り心地を両立しつつ高い静粛性も実現した。
自動ブレーキ関連では夜間歩行者検知機能を追加した新型ステレオカメラを採用。加えて検知性能も向上し、衝突回避支援ブレーキの対応速が引き上げられた。さらにGとGターボでは標識認識機能が標準装備(Xはオプション)。

また、Gターボには全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)を標準装備。渋滞時等に運転者の負荷を軽減する。また、ACCはノンターボのGグレードでもオプションで選択も可能だ。(※2021年2月時点で)ハスラーではターボグレードしか付いてない機能なので、このあたりはタフトが優位だ。
このほかレーンキープコントロールはGターボに標準装備、Gにはメーカーオプション。ふらつき警報、路側逸脱警報機能、車線逸脱警報機能、は全グレードで標準装備。このほか安全装備としてはVSC&TRC、ABS、エマージェンシーストップシグナルが標準装備となる。
インテリア

インパネ。シンプルな直線を基調とし機能的な部分は凹凸を与えている。GとGターボでは一部にアクセントカラーを与えることでシンプルながらも飽きのこないデザインともしている。

フロント天井にはガラスルーフを全グレードに標準装備する。開放的もさることながら、視界が上方向にかなり広がり前方の標識や信号機など認識しやすいメリットも。ちなみに開閉は手動式のため若干煩わしさを感じるものの長期的な目線でみると電動式のような電気トラブルは無いためコスト的にも理にかなっている。
ちなみに軽自動車でガラスルーフを備えたモデルは珍しく、直近だと8代目ミニカにサンルーフ仕様車がある程度。ガラスルーフではなく開閉する方式であれば初代アルトラパンのキャンバストップなどがある。

ステアリングはGとGターボでメッキ加飾とステアリングスイッチ付きの本革巻ステアリング。Xのみウレタンステアリング。全グレードでチルトステアリングとなる。さらにGとGターボのみD assist切り替えスイッチが付き、オンにするとパワーモードとなりエンジンとCVTの制御がパワフルになって力強い加速を得ることができるようになる。

スピードメーターも自然吸気エンジンとターボでは異なり、自然吸気エンジンがシンプルな1眼スピードメーターにマルチインフォメーションディスプレイ。

ターボ仕様ではタコメーター+スピードメーターの2眼タイプに加え、中央部がマルチインフォメーションディスプレイとなる。

エアコンは全グレードでオートエアコン式。シフトノブはXグレードがウレタン。GとGターボでは本革巻となる。

メーカーオプションでナビは9インチまたは6.8インチスマホ連携ディスプレイオーディオを設定。対応したスマホアプリでは連携によりこの画面で操作できるようになるほか、スマートパノラマパーキングアシスト、パノラマモニター、バックモニターも表示可能となる。さらにテレビ、ラジオ、Bluetooth接続による音楽、ハンズフリー通話等も利用可能だ。加えてダイハツコネクトというダイハツが提供する遠隔サポートも利用可能になりもしものときも安心のディスプレイオーディオとなっている(※ナビを使用する場合はスマホとの接続が必要)。このほかディーラーオプションで9インチスタイリッシュメモリーナビとワイドスタンダートメモリーナビを設定する。

シフトノブ下部には電動パーキングブレーキのレバーが。オートブレーキホールド機能(渋滞や信号待ちでブレーキペダルを離してもブレーキ状態を保持する)も備わる。

収納スペースは非常に多く、レジャーを意識したくつくりとなっている。

フロントシートはセパレートタイプ。昨今のベンチシートに比べるとサイトサポートがしっかりしており、ホールド感が高いシートだ。さらに生地は汚れても拭き取りやすいファブリックシートとなる。GとGターボではではシートにオレンジのスティッチカラーが施され、運転席&助手席にヒートシーターが標準装備。シート柄はかつてのネイキッドの特別仕様車を思わせる迷彩カラーとなっている。

リアシート。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。分割可倒式で使い勝手はいい。ハスラー同様にラゲッジスペースとリアシートの背面には汚れても拭き取りやすい素材が使われている。
まとめ

ダイハツ・タフトはワゴンRやタントよりも高い最低地上高に大径タイヤ、グリップコントロールなど悪路走破性を高めつつ、ワゴンRと似たような実用性を併せ持つクロスオーバーなSUVである。キャラクター的にはスズキのハスラーにドンピシャで合致し完全なライバル車種といえる存在だ。ハスラーと比べると外観はよりSUVに近く、ガラスルーフや電動パーキングブレーキを備えるなどタフトだけの装備も多い。そういった点も含めてハスラーだけだった市場に軽クロスオーバーSUVの選択肢が増えたことはかなり嬉しいポイントだ。キャスト・アクティバの生産が終了し、テリオスキッドからの乗り換え需要もある中、その後継モデルとしてあるいはハスラーのように使い勝手やキャラクター、実用性からそれ以上の需要を掘り起こせそうな1台である。
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