2013
04/06
土

1998年10月の軽自動車新規格で登場したスバルのプレオ。スズキ、ダイハツ、ホンダ、三菱の各社が背の高い軽自動車(ワゴンR、ムーヴ、ライフ、ミニカトッポ等)をラインアップする中で最後発の登場であった。ただし、そこはスバルらしく他車を真似るのではなくあえて全高を低めに設定し、ボンネットエリアを広く取ることで普通車のようなスタイリングと走りの良さを重視したパッケージグとなっていた。
グレード展開も幅広く、ヴィヴィオの後継とうこともあり商用のバンタイプから乗用はベーシックなモデルとスポーツモデルの3タイプを設定(スズキに例えるならワゴンRに商用バンとスポーツモデルを設定するイメージ)。資金力が乏しい弱小メーカーゆえの販売方法だった。

メカニズムはスバル伝統の4輪独立懸架式サスペンションにEN07型直列4気筒エンジンを採用。ベーシックなSOHCエンジンの他、加速と燃費を両立させたSOHCマイルドチャージャーエンジン、高圧加給のSOHCスーパーチャージャーエンジン、スポーティなプレオRS用にDOHCスーパーチャージャーエンジン(※燃料はハイオク仕様)を設定するなどその多様なラインナップに合わせて4種類のエンジンを用意していた。トランスミッションもヴィヴィオ時代(ECVT)の問題点を改善させた「i-CVT」をATの全グレードで搭載。スポーティなRSグレードでは7速マニュアルモードを備えた「SS i-CVT」でATながらスポーティな走りを実現していた。また、ブレーキは全グレードでフロントにディスクブレーキ。RSではリアディスクブレーキを標準装備するなど独立懸架式サスペンションと合わせてコストカットとは無縁な豪華な足回りとなっていた。
そのプレオに1999年6月。メッキグリルや丸目ヘッドライト、メッキガーニッシュ付き専用バンパー、専用リアコンビランプなどで架装しクラシカルな雰囲気に仕立てたモデルが追加された。それが「プレオ・ネスタ」である。プレオ・ネスタの登場前、ヴィヴィオにはヴィヴィオ・ビストロというクラシックモデルが存在したが、プレオ・ネスタは実質その後継車である。
プレオ・ネスタは「一目でネスタと分かるオリジナリティと満足感」をテーマに開発され、ノーブルかつ存在感のあるフロントマスク、専用のインストルメントパネルや質感の高いシート等を採用し、個性的なデザインとワゴンとしての機能性を融合させたモデルとなっていた。

フロントデザイン。ネスタはベースのプレオよりもクラシカルな外観が特徴で、専用メッキグリルに専用丸目ヘッドライト、専用メッキモール&丸型フォグランプ付きバンパーが組み合わされ、プレオとは全く異なる印象の顔つきで、ヨーロピアンなスタイルを演出している。

サイド。ドアミラーとドアハンドルはメッキタイプとなっている。

足元は基本フルホイールキャップで

足元はミニライト製13インチアルミホイールを標準装備。ダイハツの初代 ミラジーノ・ミニライトスペシャルでもこのミニライト製アルミを標準装備していたが、プレオ・ネスタでもクラシカルな雰囲気に合わせて純正採用されていた。

リア周りもテールレンズの変更と、メッキパーツが付いている。

エンジンはEN07型直列4気筒SOHC自然吸気エンジンと直列4気筒SOHCインタークーラー付きスーパーチャージャーエンジンの2種類。自然吸気エンジンでは最高出力45ps(33kW)/6400rpm、最大トルク5.7kg・m(56N・m)/4000rpm。こちらはGグレードの5MTのみの設定。

スーパーチャージャーエンジンは2種類あり、マイルドチャージタイプでは最高出力60ps(44kW)/6400rpm、最大トルク7.6kg・m(75N・m)/4000rpm。GグレードのCVTモデルに設定。

高過給圧版では最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク9.1kg・m(89.2N・m)/3600rpm。RGグレード(CVTのみ)に設定。トランスミッションは5MTまたはCVTで、RGグレードではプレオRSと同じスポーツシフトが付く。駆動方式はFFか4WD。なお、2000年10月マイナーチェンジでこれが60馬力のマイルドチャージャーに統一。スポーツシフトも廃止された。

インパネ。5MTはフロアシフト。

CVTはコラムシフトとなる。さらにRGグレードでは7速マニュアルモード付きのスポーツシフトとなる。

スポーツシフトのスイッチはインパネ右側に配置。

フロントシートはセパレートタイプ。スーパーチャージャー仕様ではブラックカラー。それ以外はグレーカラーとなる。

リアシート。

リアシート(自然吸気エンジン)。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

プレオ・ネスタはクラシカルな外観にスーパーチャージャーエンジンを設定するなど、プレオの走行性能に個性をプラスしたモデルである。先のヴィヴィオ・ビストロの後継モデルとして、プレオをベースとしたモデルであった。この手のワゴンタイプでクラシカルなモデルはスズキ・2代目ワゴンRのC2程度で、それ以外はほとんどなく希少車といえる。特に後期型の特別仕様車、「GSスペシャル」では時代を先取りした2トーンルーフのスペシャルカラーが設定され、より個性が強まる。もし、クラシックタイプの軽乗用車をsがしている人で、プレオ・ネスタが気になった人は後期型の「GSスペシャル」もチェックしてみてほしい。
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