2020
01/03
金

画像参照元:Goo-net
2019年3月にフルモデルチェンジし、4代目となった三菱・eKワゴン。初代は使い勝手のよいパッケージングと価格の安さで大ヒットした三菱のベーシックな軽自動車である。3代目からは日産との合弁会社(NMKV)での三菱主導による共同開発となりスタイル&パッケージングを大きく変更。4代目では日産が企画・開発をし製造は三菱という完全な分業に切り替わった。前回のフルモデルチェンジから6年ぶりとなる新型では見た目だけでなく中身も全く新しい軽自動車に生まれ変わっている。エクステリアは軽ワゴンのスタンダードとして張りのある曲面で全体を構成し、ところどころエッジを効かせて躍動感を与え、可愛らしく上質なデザインに。インテリアは細部にわたっておしゃれさと実用性を追求。「快適な空間」「わくわくする魅力的なディテール」「スマートな使い勝手」がコンセプトとなっている。

パッケージングは3代目よりホイールベースを65mm延長したことにより居住空間が拡大。後席のニールームも70mm拡大したことで前席が一番うしろの位置でも後席の足元空間が広々と確保されている。
エンジンは日産の新開発によるBR06型エンジンを採用。ベースはルノーの新興国向け小型エンジン「BR08」で、これを660CCの軽自動車規格に収まるよう設計し直したものである。それまで採用してきた「3B20型」は元々RRレイアウトのアイに載せるため小型でかつかなりのショートストロークエンジンだった。そのため回さないとトルクがでない仕様だったがBR06は昨今の低燃費エンジンと同じくロングストロークを採用し、低速から実用的なトルクが出るエンジンとなった。またCVTもワイドレシオの新型を採用。燃費向上と低速域から高速域までストレスなくキビキビした走りを実現。
安全技術としては高速道路同一車線運転支援技術の「MI-PILOT(マイパイロット)」を三菱自動車として初採用。高速道路において車両側がアクセルやブレーキ、ステアリング操作を支援する。また「アクティブクルーズコントロール(ACC)」、「車線維持支援機能(LKA)」、「グリップコントロール」、「マルチアラウンドビューモニター」、「デジタルルームミラー」(※ただしこれらはMグレードを除いてメーカーオプション)を採用。
自動ブレーキでは従来の衝突被害軽減ブレーキシステムの「踏み間違い衝突防止アシスト」、車線逸脱警報システム、オートマチックハイビームに加えて新たに車線逸脱防止支援機能]を設定。6年ぶりに相応しい全面改良となっている。

フロントデザイン。大型のメッキグリルを水平基調に配置。ヘッドライトに続くようなデザインで精悍さとワイド感を演出した。先代に比べるとグリルとヘッドライトが水平基調になっているのが特徴で、ベーシックモデルでありながらスタイリッシュ感が強化されている。

サイド。新型はAピラーの窓を廃止しフロントガラスの角を鋭角に。これによりボンネットが長くなって前方視界が拡大。運転しやすいくなったと同時にスタイリッシュなデザインとなった(ライバルのワゴンRやN-WGN、ムーヴなどのライバルに似せてきている)。またリアクォーターガラスを廃止し、かわりにフロントガラスから伸びるブラックの樹脂パーツをリアガラスにかけて伸ばすことでこちらもスタイリッシュ感をアップさせている。

こちらは3代目。比べるとデザインが結構異なる。ルーフ部分も形状が若干異なり、4代目ワゴンRにみられたようなフロント側が若干高めでそこからリアにかけて下がるデザインとなっている。これもまたただの箱にみせない工夫でスタイリッシュ感につながっている。

足元は14インチスチールホイール+ホイールキャップ。

リア。コンビランプは先代のデザインを一部継承しつつこれまた独特のものに。他のどのライバルにも似ていずかつシンプルなものになっている。またブレーキランプ部はLEDを標準採用。

エンジンは新開発のBR06型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は52ps(38kW)/6400rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/3600rpm。先代同様にベーシックモデルにはターボモデルの設定はなし。これに新開発でワイドレシオなCVTが組み合わさる。駆動方式はFFまたは4WDの2種類。燃費性能はJC08モードでFFが24.6km/リットルとなる。
運転アシスト装備としては高速道路同一車線運転支援技術のマイパイロットをMグレードを除いてメーカーオプションに設定。高速道路においてアクセルやブレーキ、ステアリング操作を支援することでドライバーのストレスや疲労を軽減する。アダプティブクルーズコントロール(オートクルーズコントロール)もeKワゴンではオプション設定となる。このほか全グレード標準装備として電子制御ブレーキによる疑似LSDの「グリップコントロール」を4WDのほかFFでも標準装備とし、滑りやすい路面や雪道での発進・加速をサポート。ほかにも「ヒルスタートアシスト」、「フロントスタビライザー」がつく。
このほか自動ブレーキとしては全グレードで先代の「衝突軽減ブレーキシステム」に「車線逸脱防止支援機能」が追加され「踏み間違い衝突防止アシスト」、「車線逸脱警報システム」、「オートマチックハイビーム」の5つが備わる。

また、全グレードで従来の運転席&助手席SRSエアバッグに加えて側面衝突時に肩から腰まで保護できる前席サイドエアバッグ、カーテンエアバッグを標準装備とした。

インパネ。4代目eKワゴンは内装のデザインがかなり良く、軽自動車とは思えないほど。エアコンは廉価グレードのMグレードのみマニュアル式。上級のGグレードでは写真のようなオートエアコンとなる。

スピードメーター。全グレードでタコメーターとマルチインフォメーションディスプレイ(※ディスプレイはメーカーオプション)を備える。マルチインフォメーションディスプレイはスズキやダイハツのように大型の液晶パネルでドライバーに車の状況を知らせるもの。

平均燃費の表示やエコ運転をアシストする「エコペダルガイド」のほか駐車時にタイヤの位置がわからなくなる人のための「タイヤアングルガイド」や、「マイパイロット」用のガイド画面などになる。

フロントシートはベンチシートタイプ。インパネのアクセントカラーであるベージュとブラウンの組み合わせで上質な雰囲気とした。
としている。

リアシート。全グレードでリアヒーターダクトが備わり後部座席にも暖かい風が送られる。

ラゲッジスペース。

リアシートを倒した状態。

ラゲッジスペース下の収納スペース。他社と同じくリアのラゲッジスペースの下を有効活用できるようになっている。

4代目のeKワゴンはデザインに内装、新エンジン、新しい安全技術などフルモデルチェンジに相応しいアップグレードとなった。先代ではデザインこそ新しかったが古臭いエンジンに他社には及ばない自動ブレーキなど見劣りしている点が多々あったのだが(特に燃費不正問題はかなりのイメージダウン)、その点を払拭するようなアップグレードは企画・開発を行った日産側のかなりの他社研究と新開発に力を注いだことに違いない。
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