2019
04/23
火

2017年8月にフルモデルチェンジし、2代目となったホンダ・N-BOX。初代は軽自動車メーカーの中での劣勢を挽回すべく売れ筋ジャンルにストレート勝負で挑んだホンダの意欲作であった。他社を研究しミニバンやF1で培った技術を取り入れ結果的にダイハツ(タント)やスズキ(スペーシア)、三菱(eKスペース)、日産(デイズルークス)などのライバルを寄せ付けないモデルに成長した。
約5年ぶりのフルモデルチェンジとなった2代目のJF3およびJF4型は前モデルと同じく標準モデルとカスタムモデルの2種類を設定。カスタムモデルではかなり顔つきに変化が与えられたが、本稿で扱う標準モデルは初代のイメージそのままにより上品さをアップ。特にリアにかけてはコンビランプが作り込まれ赤いレンズとLEDテールランプの組み合わせでLEDテールランプ初期のいかにも感がなくなった。これにより全体的なデザインの底上げがなされている。また、ヘッドライトはホンダの軽自動車としては初となるLEDヘッドライトを全グレードで標準装備。ルーフ部分においてはそれまでの樹脂パーツを廃止。レーザーブレーズ溶接による形成ですっきりとしたルーフパネルを実現した。

ボディや骨格まわりでは高効率フロアフレーム構造や高張力鋼板の適応拡大に加え、新たな接合技術を導入することで軽量化と高剛性化を両立。先代比最大で約80kgの軽量化(実際に軽量化そのものは150kgで安全装備や剛性向上で70kg分増えている)。
エンジンでは自然吸気エンジンにはこちらもホンダ軽自動車史上初となるi-VETCを搭載。ターボエンジンには電動ウェイスとゲートを搭載。このほかにCVTやサスペンションシステムの高性能化、フロントピラーの極細化による視界向上などで安心感ある走りと低燃費、快適な乗り心地を実現。
安全装備としてはホンダセンシングを全グレードに標準装備。軽自動車としてはホンダ初となる後方誤発進抑制機能や歩行者事故低減ステアリング機能の採用でライバルのスズキやダイハツに負けない充実装備を与えた。

利便性においてはエンジンルームのコンパクト化、テールゲートの薄型化により室内空間をさらに拡大。加えて新採用の助手席スーパースライドシートは最大570mmのスライド量を与えたことで後ろドアから子供の乗り込んで運転席に座るといった幅広い使い方やシートアレンジが可能となった。

快適装備ではシート表皮に付着したアレルゲン(ダニ・スギ花粉)の不活性化に加え、抗ウイルス加工を施した「アレルクリーンプラスシート」、紫外線と赤外線を軽減する「360°スーパーUV・IRカット パッケージ」をすべての窓に採用するなど、車内の環境を快適に整える先進装備を充実。静粛面では「高性能エンジンマウントシステム」の採用と防音材や遮音材を最適に配置することで前モデルよりも静粛性を高めた。

その2代目N-BOXに2018年11月。外装にカッパーカラー。内装ではブラウンを基調としたアクセントカラーを取り入れエレガントなスタイルに仕立てた特別仕様車を設定した。それがこの「カッパーブラウンスタイル」である。

カッパーブラウンスタイルでは安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備する4つのグレード(G・Lホンダセンシング、G・EXホンダセンシング、G・Lターボホンダセンシング、G・EXターボホンダセンシング)をベースとし、エクステリアにカッパールーフ、カッパードアミラー、14インチスチールホイール&ハーフホイールキャップ(カッパーカラー)、クロームメッキドアハンドルを。

インテリアではブラウン&カッパーのトリコットシート、シルバー塗装エアコンスイッチパネルガーニッシュ&エアコンアウトレットダブルリング、カッパーメタルのドアオーナメントパネル&助手席インパネガーニッシュ、ピアノブラック調ステアリングアッパーガーニッシュ、カッパー塗装ステアリングロアガーニッシュ、ピアノブラック調パワーウィンドウスイッチパネル、クロームメッキインナードアハンドル、クロームメッキセレクトレバーボタン&シャフトを。
その他に快適装備としてカッパーカラーの専用HONDAスマートキー、前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム、リア右側のパワースライドドアを標準装備としカッパーカラーの輝きをアクセントとした上質かつ品格のあるモデルとなっている。

フロントデザイン。グリルやヘッドライト、バンパーはベースと同じだが、ルーフ部分が専用品となりカッパーカラー塗装のものとなる。

ヘッドライトはベースと同じく全グレードでホンダの軽自動車初となるLEDヘッドライトを採用している。

サイド。カッパーブラウンスタイル仕様としてルーフ部分をカッパーカラーに塗装。さらにアウタードアハンドルをクロームメッキ化。

ルーフカラーと合わせたカッパードアミラー(LEDターンランプ付き)に

足元は専用のカッパーカラーが特徴的な14インチホワイトスチールホイール+ハーフホイールキャップとした。

リア。ルーフがカッパーになっている以外はベースモデルと同じ。特別仕様車を示すエンブレム類は特になし。

エンジンは初代の改良型となるS07B型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類。2代目では自然吸気エンジンに軽自動車初のi-VTECを搭載。低回転域での出力そのままに4000回転以上での出力アップがなされた。最高出力は58ps(43kW)/7300rpm、最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/4800rpmを発生する。ターボエンジンは電動ウェイスゲートを採用し理想的な加給を実現。出力を確保しつつ低燃費とレスポンス向上を果たした。こちらは最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.6kg・m(104N・m)/2600rpmを発生する。

このほか安全装備としてはエマージェンシーストップシグナルとヒルスタートアシスト機能、VSA(横滑り防止装置)をベースモデルと同じく標準装備。ホンダセンシングとは自動ブレーキや誤発進抑制機能などを一つのパッケージとしてまとめたものでそれまでの「シティブレーキアクティブシステム」にかわる新システムである。従来はフロントウィンドウ上部のセンサーだけを用いたものだったが、ホンダセンシングでは単眼カメラ、ミリ波レーダー、ソナーセンサーの3つを用いたシステムで初代N-BOXには無かった先進的な安全装備となる。

具体的には衝突軽減ブレーキ

インパネ。カッパーブラウンスタイル仕様として専用品が与えられている。具体的にはエアコンスイッチパネルをシルバー塗装。エアコンアウトレットダブルリングはカッパー塗装に。インパネガーニッシュはカッパーメタルに。セレクトレバーボタン&シャフトはクロームメッキ化。

ステアリングアッパーガーニッシュはピアノブラック調に。ステアリングロアガーニッシュはカッパー塗装。

スピードメーターはベースモデルと同じ。

パワーウインドウスイッチパネルはピアノブラック調に。インナードアハンドルはフロントのみクロームメッキ化した。

フロントシートはベンチシートタイプ。カッパーブラウンスタイルの専用品となり、ブラウンとカッパーを組み合わせたトリコットシートとなる。

リアシート。スライド機構付き。

ラゲッジルーム。

2代目N-BOXに設定された特別仕様車、「カッパーブラウンスタイル」は上述のとおりルーフやドアミラー、ホイールにカッパーカラーをあしらい、内装でもカッパーカラーのほかピアノブラックやブラウンカラーを組みあせて上質感やエレガントさを強めた特別仕様車である。元々は初代同様にベーシックな印象のN-BOXだがこれに個性的なカラーが組み合わさリ、ベースモデルにはない個性が強調されたモデルとなっている。また、この手の標準モデルの特別仕様車にありがちな自然吸気エンジンのみの設定ではなく、ターボ仕様もあるためこの点は嬉しい部分でもある。
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