2018
04/30
月

2015年4月に登場したS660は、軽自動車の売れ筋モデルである箱型とは一線を画する本格的なスポーツカーとして登場した。かつてバブル時代に販売してたビートの実質的な後継モデルでありおよそ19年ぶりの本格的軽スポーツカーの復活となった。先代と同じくエンジンはリアに配置、後輪を駆動するMR方式を採用し、完全開放では無いもののオープンカーに近い開放的なルーフ開放部分(ロールトップ)を備えている。

S660はスポーティーな外観はもちろんのこと、「曲がる」・「走る」・「操る」の3つを追求したモデルでミッドシップレイアウトによる前後重量配分45:55の実現や、ロールセンター高と重心高の最適化、軽自動車初となる電子制御システムの「アジャイルハンドリングアシスト」の採用などで「曲がり」を追求。新設定のターボチャージャーや軽自動車初の6MTの採用、吸・排気音、タービン音やブローオフバルブ音をあえて出すことでスポーツカーならではのサウンドや脱着式の「ロールトップ」の採用で「走る」を追求。ドライバーの着座姿勢やヒップポケット、アクセルやブレーキ位置を最適化してまるでゴーカートに乗っているような独特のドライビングポジションを実現。ステアリングホイールにはφ350mmの物を採用し、「ミッドモード付フルオート・エアコンディショナー」や昇降式リアセンターガラスを採用し、オープン時でも快適な室内空間の実現で「操る」を追求した。
安全面では直線となめらかな曲線で構成したボディ骨格に万が一の横転対策としてフロントピラーとセンターピラーに補強材を追加し、横転事故での高い乗員保護性能を実現。このほか「運転席i-SRSエアバッグシステム」「助手席用i-SRSエアバッグシステム」に加え、側面衝突時の衝撃を吸収する「i-サイドエアバッグシステム」を標準装備。横滑り防止装置のVSAやヒルスタートアシスト機能に加えエマージェンシーストップシグナルも全グレードで標準装備、「シティブレーキアクティブシステム」はグレード別で標準装備とした。
そのS660に2017年6月2日。専用ボディカラーとブラックカラーの外装品、ジャズブラウンインテリアなどを与えシックな雰囲気とした特別仕様車が設定された。そこれがこの「αブルーノレザーエディション」(※以下、ブルーノレザーエディションとする)である。ブルーノレザーエディションは2017年のカスタムカーの祭典、「東京オートエアコン2017」に参考出品されていた1台でこれの市販バージョンとなる。

ブルーノレザーエディションでは外装にブラックドアミラー、オールブラックアルミホイールを。内装ではジャズブラウンインテリア(専用スポーツレザーシート、専用本革巻ステアリングホイール、インパネソフトパッド)、専用アルミ製コンソールプレート、internavi POCKET連携センターディスプレイを特別装備とし、期間限定販売となっていた。

フロントデザイン。ブルーノレザーエディションでは形状変更を伴う専用パーツはなく、形そのものはベースモデルと同じ。水平基調でありながら適度に曲線を与えることでシンプルかつスポーティー感を演出している。

ボンネットの中身。

ヘッドライトはハイロー独立式の4灯式。角型の2灯がLEDのロービーム。一番内側がハイビーム(※ハロゲンランプ)となる。バンパーまわりもベースモデルと同じ。

サイド。ブルーノレザーエディションとしてブラックカラーのドアミラーと

ブラックカラーのアルミホイールを特別装備とした。ボディカラーにはベースモデルには存在しないブルーノレザーエディション専用色の「ベルベットマルーン・メタリック」のほか、アドミラルグレー・メタリックとプレミアムスターホワイト・パール(※メーカーオプション)の3色を設定。

リア。このあたりもベースモデルと同じ。S660独特のリアビューはどの他のモデルにも似ておらずスポーティーかつ個性にあふれている。

エンジンはS07A型3気筒直列DOHCのターボエンジンのみ。エンジン自体はノーマルと同じで最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.6kg・m(104N・m)/2600rpmを発生する。トランスミッションはCVT(7速マニュアルモード付き)と6MTの2種類。駆動方式はもちろんMR(ミッドシップレイアウト)のみ。安全装備としてはシティブレーキアクティブシステム(低速域衝突軽減ブレーキ+誤発進抑制機能)をメーカーオプションとし(※6MT車を除く)、これ以外にエマージェンシーストップシグナル、VSA、ヒルスタートアシストを標準装備とした。

インパネ。ブルーノレザーエディションの最大の特徴はここで専用となる「ジャズブラウンインテリア」を採用。落ち着きのあるブラウンカラーでそれまでのS660には無い上質な雰囲気が与えられた。internavi POCKET連携のセンターディスプレイも標準装備となる。

ステアリングホイールもジャズブラウン仕様の本革巻ステアリングホイール。スピードメーターはベースモデルと同じ。

6MTのシフトノブ。

シフトノブの下部にはブルーノレザーエディションを示す専用装備としてアルミ製のコンソールプレートが付く。

シートも専用品でジャズブラウンカラーのスポーツレザーシートが与えられた。インパネやステアリングホイールとあわせて落ち着きと上品さを兼ね備えたスポーティーなシートとなっている。

S660の特別仕様車「αブルーノレザーエディション」は上級グレードのαをベースに外装ではブラックドアミラー、オールブラックアルミホイールを。内装ではジャズブラウンインテリア(専用スポーツレザーシート、専用本革巻ステアリングホイール、インパネソフトパッド)、専用アルミ製コンソールプレート、internavi POCKET連携センターディスプレイを特別装備としベースモデルよりも約10万円アップとしかつ2017年11月30日までの期間限定受注生産な特別仕様車であった。この手のスポーツタイプは外観が派手すぎて形が気に入っても購入しづらい場合があるが、このブルーノレザーエディションでは専用ボディカラーと専用内外装によりそれまでのイメージを覆すシックなイメージが与えられており少し歳のいった人にも嬉しい仕様となっていた。S660の鮮やかでド派手なイエローやレッドカラーのイメージがある人に特に見てほしい特別仕様車である。
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