【初代・前期型】アルトラパン　Lリミテッド（HE21S型）

アルトラパンはスズキのハッチバック型軽乗用車。本稿では初代・HE21S型の前期（2002年1月～2006年3月）の間に設定された特別仕様車の「Lリミテッド」を扱う。



2002年1月登場のスズキ・アルトラパン。それまでの軽乗用車にありそうでなかった個性的な丸みを帯びた箱型フォルムの外観と家電や家具を意識した親しみやすい室内空間が特徴の軽乗用車である。アルトラパンが登場した時代では同社のワゴンRをはじめとするトールワゴンが全盛期となる中、アルトラパンは広さを最優先ではなく内外装のデザインを重視し若い女性をメインターゲットとすることで大ヒットした。その後もマイナーチェンジやフルモデルチェンジを重ね１５年以上続く息の長いモデルとなっている。

ボディカラーも当時としては珍しく１２色もの種類を設定。内装色も２色設定することで、カラーリングにこだわる若者を意識。インパネもそれまでのスズキ車とは異なるファッショナブルなデザインで洗練されていた。



エンジンはアルトやワゴンRで実績のあるVVT機構付きのK6A型エンジンを採用。安全面でも６４ｋｍ／ｈオフセット前面衝突にも対応した、軽量衝撃吸収ボディーＴＥＣＴ（テクと）を採用しこれ以外に運転席＆助手席にSRSエアバッグとシートベルトフォースリミッター、シートベルトテンショナーを標準装備。ABSもオプション設定するなど安全面でも装備を充実化していた。

その初代・アルトラパンに2004年1月。明るい黄色系の専用内装色を与えカジュアル感とファッション性を高めた特別仕様車を設定した。それがこの「Lリミテッド」である。LリミテッドではベンチシートのLグレードをベースに上述のとおり内装にイエローの専用シート表皮、イエローのドアトリム表皮、イエローに合わせた専用フロアマットを標準装備。他にもインストルメントパネルを専用のイエローとし、盤面をシルバー塗装とした専用デザインのステレオを。ステアリングのセンター部分には内装色に合わせ黄色のロゴマークを採用し、内装面でイエローカラーをふんだんに用いファッショナブルなイメージとした特別仕様車となっている。



フロントデザイン。外装では専用パーツは特になくベースモデルのLグレードとまったく同じ。



サイド。こちらもベースモデルと同じ。ボディカラーはオプションでパールホワイト。それ以外の標準色でベースモデルのLグレードと同じくルーフ部分をホワイト塗装とした「ブリージンググリーンメタリック」、「レイクブルーメタリック」、「ラベンターメタリック」の計4色を設定。



Lベースのため13インチアルミホイールを標準装備。



リア。こちらもベースモデルと同じ。専用エンブレム等もまったく無いため外観では特別仕様車なのか見分けはつかない。



エンジンはK6A型直列３気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpmを発生。ターボエンジンの設定はなし。トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WD。安全装備としては4輪ABSを標準装備とした。



インパネ。内装面から特別装備が奢られる。Lリミテッドでは専用装備としてイエローカラーのインストルメントパネルとイエロー系のフロアマットを採用。



インストルメントパネルはベースモデルにはない鮮やか＆ファッショナブルなカラーリングで差別化をはかっている。このほかLリミテッドの特別装備として盤面をシルバーカラーにした専用デザインのステレオを標準装備。ステアリングのセンター部分にも専用の黄色のロゴマークを与えた。



エアコンはベースモデルと同じくオートエアコンタイプ。



スピードメーターもベースモデルと同じ。タコメーターの装備はなく右下にアナログ時計が付く。



フロントシートはベンチシートタイプ。Lリミテッド専用のイエローカラーのシート表皮となる。ドアトリム表皮もこれにあわせてイエローカラーとなる。



リアシート。こちらもイエローカラー。スライド機構は非装備。



ラゲッジルーム。



リアシートを倒した状態。

初代ラパンの前期に設定された特別仕様車、「Lリミテッド」は上級グレードのLグレードをベースに内装をイエローカラーを中心とするシート表皮やドアトリム表皮、フロアマットで鮮やか＆ファッショナブルに仕立てた特別仕様車である。元々ラパンは女性向けのモデルだが、内装にこだわりたいという女性は結構多くベースモデルとは異なる鮮やかなカラーでそれを提供するものであった。

なお、2006年4月には「Lリミテッド」のバージョン２となる「LリミテッドⅡ」が登場。LリミテッドⅡはバージョン１と比較して外装ではホワイトアルミ、ホワイトグリルをプラス。ボディカラーはパールホワイトとレイクブルーメタリックを継続した一方でメーカーオプションにはならない(安価な)白系の非パール色である「スペリアホワイト」を新設定。内装では黄色系のシートからブルー系のシートへと変更しより魅力がアップする。