2017
12/03
日

画像参照元:三菱認定中古車
2013年6月に登場した3代目eKワゴン。3代目ではそれまでのちょうど良い高さのスタイリングを一新し、ライバル(ワゴンRやムーヴ)と同じ全高とボディスタイルとなった。さらにそれまで日産にOEMを行なっていた2代目とは異なり、3代目では新たに合弁会社のNMKVを設立。三菱と日産との共同開発&共同生産になったことも大きなポイントである。
3代目ekワゴンのエクステリアはそれまでのベーシックかつシンプルな外観から大変更。「トリプルアローズライン」と呼ばれるボディサイドにもうけられたダイナミックな3本のキャラクターラインと流れるようなルーフラインを採用。伸びやかかつ躍動感のあるデザインで初代や2代目めで続いたそれまでのイメージを180度転換させた。

インテリアも完全新設計で3代目にふさわしいデザインとなった。インストルメントパネルにはピアノブラック調のセンターパネルに軽自動車初のタッチパネル式オートエアコンを採用しライバル車種と比較して先進性や差別化を追求(※廉価グレード除く)。フロントシートもホールド性を重視した形状を採用し長距離ドライブでも疲れにくいようにした。リアシートも下肢のサポート感を含めてソファーのような座り心地とした。また収納スペースも多数設定。運転席側アンダートレイ、助手席側上下グローブボックス、オープントレイ、シートアンダートレイなどで利便性を向上させている。
室内空間も先代から拡大し、全高はプラス70mm、ホイールベースはプラス90mmとしたことで2代目までのそこそこ広い室内空間からムーヴやワゴンR、N-WGNに並ぶ室内空間を実現。特に後部座席は顕著に広くなり快適性がアップした。この他に快適装備としてはフロントドアガラスに99%UVカットガラスを採用(※廉価グレード除く)。フロントウインドシールドには約100%のUVカット機能がある合わせガラスを、リヤドア/クォーター/テールゲートにも約94%*のUVカット機能のあるプライバシーガラス(『eKワゴン』の「E」を除く)を採用。デルタウィンドウガラスを含むすべてのガラスにUVカット機能を持たせることで、快適な室内環境を実現した。
運転をアシストする機能としては「リヤビューモニター付ルームミラー」を上級グレードに標準装備。ヒルスタートアシストも廉価グレードやeKカスタムのTグレードを除いて標準装備。アクティブスタビリティコントロールはeKカスタムのTグレードでメーカーオプションとした。
エンジンは新開発となる新世代MIVECエンジンを搭載。アイドリングストップに「オートストップ&ゴー」も採用した。トランスミッションは先代の5MTや3AT、4ATに取って代わり全グレードで副変速機内蔵のCVT(INVECS-III CVT)を採用。ボディの軽量化(高張力鋼板の採用率アップ)や空気抵抗の低減などで燃費アップを実現した。
本稿で扱う「eKカスタム」はそれまでのeKスポーツの後継モデルで、eKワゴンをベースにスポーティーな外観と内装、ターボエンジン等を設定するカスタムモデルである。
その3代目eKワゴンおよびeKカスタムは2015年10月のマイナーチェンジでフロントデザインを一新し、後期型となった。後期型ではフロントデザインがノーマルとカスタムモデル両方でグリルやバンパーが変更され、リアコンビランプがLED化。ヘッドライトは軽自動車で初となるオートマチックハイビーム、オートライトコントロール、マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付)を採用。内装でもテコ入れされ前期よりも特にカスタムは外観の個性が強くなった。


そして2016年10月。発覚した燃費不正問題を受けて一時販売停止となっていたeKシリーズの販売再開とともに設定された特別仕様車がこの「プレミアムインテリアエディション」である。プレミアムインテリアエディションでは外装はそのままだが特別装備として内装面でセーレン社の合成皮革「クオーレ」をシート表皮に採用したアイボリー色のスエード調トリコットシートを標準装備。ドアトリム表皮も同じくスエード調トリコットととし、ノーマルのブラックシートとは異なる特別装備で上級感を演出。このほか本革巻ステアリングホイールにはメッキ&ピアノブラックアクセントも与え、専用ボディカラーに「チタニウムグレーメタリック」を設定しプレミアムの名にふさわしい特別仕様車となっている。

フロントデザイン。プレミアムインテリアエディションでは外装上の変更点は特になく、ベースモデルと同じ。自然吸気エンジンの「Gセーフティーパッケージ」とターボエンジンの「Tセーフティーパッケージ」グレードがそれぞれベースとなっている。後期型のためグリルとバンパーが一新され、「ダイナミックシールド」と呼ばれるグリルからバンパーまで続く大きな開口部を持つデザインへ変更された。トヨタの高級車やダイハツの3代目後期タントにも似たようなフロントデザインで、三菱の乗用車のイメージを与えつつ軽自動車でありながら迫力あるフロントを表現している。加えてフォグランプまわりにはLEDイルミネーションが埋め込まれ、ポジションライトON時に独特の雰囲気を演出する。

兄弟車である日産の「デイズ・ハイウェイスター」とは完全に差別化されたデザインとなった。

さらに後期型でホットな部分は軽自動車で初となる「オートマチックハイビーム」の採用だ。セーフティパッケージグレードのみの装備だが、対向車や周囲の明るさを判断してハイロー自動で切り替えるすぐれもの。普通車で普及しつつある機能をいち早く軽自動車に取り入れライバルとの差別化を行なっている。

フロントガラスは"うっかり日焼け"の原因となる紫外線(UV)と、日射しによる暑さやジリジリ(※1)感を和らげる赤外線(IR)のカット機能を備えたガラスをフロントウインドシールドを採用。女性には非常に嬉しい部分だ。

サイドから。LEDターンランプ付ドアミラーを標準装備。

ボディカラーにはプレミアムインテリアエディション専用色となる「チタニウムグレーメタリック」を含め全4色を設定。

ターボ仕様の「Tプレミアムインテリアエディション」ではワンランク上のスタイリッシュな15インチアルミホイール。自然吸気エンジンのGプレミアムインテリアエディションはこれと異なるデザインの14インチアルミホイールとなる。

リア。後期型のためコンビランプのデザインが変更されている。

さらにコンビランプのブレーキランプはLED化され、発色とスタイリッシュ感がアップした。

エンジンは3B20型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類。自然吸気エンジンは最高出力49ps(36kW)/6500rpm、最大トルク5.7kg・m(56N・m)/5500rpm。ターボ仕様は最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク10.0kg・m(98N・m)/3000rpm。トランスミッションはINVECS-III CVT(副変速機付)のみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。スズキのS-エネチャージに似たエネルギー回生システムの「アシストバッテリー」をベースモデルで採用しわずにかに燃費を向上。安全装備としてはベースモデル同様に「オートマチックハイビーム」、「オートライトコントロール」、「マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付)」を標準装備。その他ブレーキアシスト、エマージェンシーストップシグナル、ヒルスタートアシストを標準装備。アクティブスタビリティコントロールとフロントスタビライザー、低車速域衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM-City]、誤発進抑制機能(前進時)が標準装備となる。

インパネ。基本的にはベースモデルと同じだが、プレミアムインテリアエディション仕様として本来自然吸気エンジン仕様のGセーフティーパッケージでは非装備だった本革巻ステアリングホイールを標準装備(※ターボ仕様では既装備)。これに「メッキ&ピアノブラックアクセント」がプラスされ上級感が与えられた。

スピードメーターはベースモデルと同じ。

エアコンはオートエアコンタイプ。操作部分はもちろんタッチパネル式。

アラウンドビューモニターもベースモデル同様に標準装備。

フロントシートはベンチシートタイプ。プレミアムインテリアエディション最大の特徴はこのシートで、セーレン社の合成皮革「クオーレ」をシート表皮に採用したアイボリー色のスエード調トリコットシートとなる。カラーもベースモデルではブラックを基調としていたがこちらはアイボリーに変更されており、一味ちがった雰囲気となっている。加えてドアトリム表皮も同様にアイボリー色のスエード調トリコットに変更されている。

リアシート。スライド機構を備え、足元の広さを調節できる。

ラゲッジルーム。リアシートは分割可倒式。

リアシートをすべて倒した状態。

後期型eKカスタムに設定された特別仕様車、「プレミアムインテリアエディション」は外装は同じものの専用ボディカラーに「チタニウムグレーメタリック」を。内装では「クオーレ」をシート表皮に採用したアイボリー色のスエード調トリコットシートにドアトリム表皮。自然吸気エンジン仕様では本革巻ステアリングホイールを標準装備とし加えてメッキとピアノブラックの加飾を与えるなど特に内装面でプレミアム感を演出した特別仕様車である。一般的にカスタム系の内装はブラックシートとなる場合が多いのだが、このプレミアムインテリアエディションではもうひとつのプレミアム系シート、「アイボリー」を採用し表皮にもクオーレを採用するなど特にシートにこだわった特別仕様車となっている。ブラック系よりも一味ちがった雰囲気のアイボリーが好きな人には嬉しい特別仕様車といえよう。
なお、2016年7月にプレミアムインテリアエディションが設定された後は2017年1月の小改良でこの特別仕様車がカタログ落ち。絶版となってしまった。販売期間はわずか6ヶ月の短命な特別仕様車で、それゆえに中古市場ではほとんど出回らず希少グレードとなっている。
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No.145 Re: No title
燃え太郎さん、こんばんは。
そうですね。車そのものはよく考えられていて好感を感じるのですが、報道を見ていると残念な感じです。
この記事にある燃費不正問題は完全な三菱の過失で、生産を委託していた日産もその影響を受けたものでした。一方最近報じられた無資格者による検査問題(0回車検)は神戸製鋼所の品質データ改ざん事件とはちょっと本質が違うようで、国側にも問題があるのかなぁと思います。投稿者:さすらいのクラ吹き 2017/12/06 (水) 17:08
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No.144 No title
三菱に続いて日産までも不正とは・・・
残念ですね。こうやって車そのものはよく考えてあってよい車なのですが。