【後期型】スバル R2 タイプS R/タイプS Sスーパーチャージャー (RC1・RC2型) 概要解説
R2はスバルのワゴン型軽自動車。タイプSはそのスポーツモデルである。本稿ではマイナーチェンジ後の後期型(2005年11月~2007年5月)について扱う。

2003年12月にデビューしたスバル・R2。R2はそれまでの他の軽自動車とは一線を画するデザインと優れた燃費性能&衝突安全性、合理的なパッケージング、使いやすくキビキビとした走りで新しいミニカーの価値を追求したモデルである。
エクステリアは航空機をモチーフにした「スプレッドウィングスグリル」を採用。フロントからリヤにかけて流れるようなボディシルエットや張りのあるボディ形状によりスポーティーでエレガントなフォルムを表現。個性豊かな11色のボディカラーを設定。
インテリアはにボディカラーにあわせたアイボリーとブラックの2種類のインテリアカラーを。暖色系ランプ&LEDを用いたインテリア照明で上品さを追求。
パッケージングは衝突安全性を保ちながら後席の乗員にも配慮。前席の乗員スペースを重視した設計とした。

安全面ではワンモーションフォルムの採用でタマゴのように衝突を効率的に吸収できる形状とした。また、フロント・リヤフレームの高さを合わせることで自分よりも重たい車との衝突を軽減。軽自動車でありながら2004年の試験時に衝突安全性能評価で運転席・助手席ともに星5つ(ファイブスター)を獲得している。
このほかセイフティペダルやシート形状をむち打ちを軽減する構造のものを標準で採用。さらにオプションではフロントアクティブセイフティシートも用意。ISO FIX方式チャイルドシートへの対応にテザーアンカーも標準装備。ボディ前部は歩行者との衝突に対応した衝突吸収構造を採用した。また、EBD(電子制御制動力配分システム)付ABSを「R」および「S」に標準装備。「i」グレードではオプションとした。

エンジンは新開発のEN07型DOHC16バルブAVCSエンジンに初代プレオからあるSOHCエンジンと同じくDOHCインタークーラー付きスーパーチャージャーエンジンの3種類を設定。
DOHCの自然吸気エンジンではAVCS(アクティブバルブコントロールシステム:可変バルブタイミング)の採用により、「力強く、スムーズな走り」と「低燃費」を高次元で両立した。トランスミッションはi-CVTと5MT(※自然吸気エンジンのみ)の2種類を用意し、スーパーチャージャー搭載車にはマニュアルモードを設定した。
そのR2は2005年11月にビッグマイナーチェンジを受けて後期型となった。エクステリアでは新デザインのフロントグリルを採用。リアバンパーにもアンダースポイラーを標準装備とすることで、前期よりもスタイリッシュ感をアップ。また、コンビランプやリアガーニッシュも刷新された。
ボディカラーには「コーラルオレンジ・メタリック」「ルミナスグリーン・パール」「ミスティベージュ・メタリック」の3色を追加。
インテリアでは撥水機能付きシートを採用。インパネカラーも新色とし、アイボリー内装ではアイボリー色。オフブラック内装ではグレー色のインパネカラーを採用した。
また安全性を高めるためリアドアのデザインを変更。後方確認時の見切りが良くなった。また、ヘッドランプレベライザーも標準装備となった。
快適装備にはオプションとして「ユーティリティパッケージ」を新設定。水平可倒機構を持つ助手席マルチユーテリティシートにサブトランク、助手席アンダートレイ、イグニッションキー照明、スマートキレースをセットにしたものでより利便性を向上させたマイナーチェンジとなった。
後期型のスポーツモデルであるタイプSは、前期のモデル中盤に販売された特別仕様車「カスタムタイプS S」と、「カスタムタイプS R」のカタロググレード版となる。
ただしフロントグリルは特別仕様車時代のメッシュタイプとは異なり、他のモデルと同じ一般的なメッキラインが入ったオーソドックスなタイプへと変更された。それ以外は基本的に同じで、「タイプS S」ではスーパーチャージャー仕様のエンジン、7速マニュアルモード付きCVTを設定する。
また、他のグレードにはないスバル伝統のスポーツモデル専用ボディカラー、「WRブルーマイカ」が用意されるのもタイプSの特徴で、前期型の「S」グレードに設定された「プリズムブルー・メタリック」とはまた異なるインプレッサWRXを彷彿とさせる鮮やかなスバルブルーとなっていた。
それ以外では外装にフォグランプ付きエアロバンパー、リアアンダースポイラー、アルミホイール、クリアサイドマーカー、スーパーチャージャー仕様ではエアダクト付きボンネットを標準装備。
インテリアでもブラック内装にスポーティーなブルーシート表皮、本革巻ステアリングホイールなどで内外装と走りを強化したスポーツモデルとなっている。

フロントデザイン。スーパーチャージャー仕様専用のボンネットのエアインテークは、ひと目で過給器モデルとわかる厳ついデザイン。見た目もこの手が好きな人には受けるデザインだ。
その他グリル以外の変更点は無いのだが、かなりの特徴的なグリルだったために、新デザインでがらりと印象が変わった。良く言えば万人受けするデザインで、顔つきで毛嫌いしていた人にもアピールできるデザインになっている。

サイド。きれいな流線型を描くボディライン。最近の軽自動車には見られない個性的なデザイン。なお、後期型のためリアガラスの形状が小変更。前期では後ろが特徴的な鋭角だったが、後期では鋭角がなくなりよりオーソドックスな形となった。このあたりは前期型か後期型かを見分けるポイント。

足元はRが14インチアルミホイール。サイズは155/65R14。

Sが15インチアルミホイール。ともにガンメタリック塗装のアルミホイールとなる。サイズは155/60R15。

リア。兄弟車のR1とは違って両サイド上部にコンビランプが取り付けられている。ボディデザインに合わせたコンビランプで、ワゴンRやムーヴにはない個性ともいえる。なお、グレードを示す専用エンブレム類は特になく、標準モデルと同じR2エンブレムと6連星エンブレムが付くのみ。この他タイプSではコンビランプとリアガラスの間に「リアゲートガーニッシュ」が標準装備となる。
なお、純正オプションではクリアテールランプが用意されていた。ノーマルよりもスタイリッシュだ。しかしあまり流通量が少なく、当時のディーラーでもほとんど在庫がなかった。入手するならオークションになるだろう。

エンジンはEN07型直列4気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きスーパーチャージャーエンジンの2種類。「カスタムタイプS R」はDOHC自然吸気エンジンで最高出力54ps(40kW)/6400rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4400rpm。

「カスタムタイプS S」はインタークーラー付きスーパーチャージャーエンジンとなり、最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.5kg・m(103N・m)/3200rpmのハイオクガソリン仕様(無鉛プレミアムガソリン)となる。
2006年11月以降のモデルではトルクが抑えられガソリンがレギュラー仕様に変更される。これにより最高出力64ps(47kW)/6000rpmで変わらないものの、最大トルクは9.5kg・m(103N・m)/4000rpmとなった。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WD。
2006年11月より後の一部改良モデルはレギュラー仕様に。トルクも9.5kg/4000rpmと下げられている。モアパワーなひとは後期の最初の方、レギュラー仕様が良い人は後期の最終モデルを探すように。
トランスミッションのCVTはSタイプ専用の7速スポーツシフト付きのCVT。これはプレオRSで存在したものと同じでオートマでありながらマニュアルチックにシフトチェンジを楽しめるもの。現在では「パドルシフト」という形で一般的になったが、スバルはこの当時からこういった軽自動車でも楽しいギミックを搭載していた。そしてスバル伝統の四輪独立懸架も健在だ。
R2のRC1とRC2の違いは駆動方式。RC1はボンネットにエンジンを配置し前輪を駆動するFFのR2。RC2はRC1をベースにビスカスカップリングを使って全輪を駆動する4WDのR2。
ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。

インパネ。シルバーアクセントとブラックが組み合わされオーソドックスだがシンプルで洗練されている。通風口が旧型で最近のイメージが少し薄いが設計が2003年以前なので仕方ないところか。なお初代ステラカスタムとインパネは共通となる。

これがマニュアルモード付き7速CVT。「タイプS S」のみ設定の専用装備で、古くはヴィヴィオから始まり、プレオで7速に改良されR2に至る。マニュアルモードにすると7段に刻まれたCVTをゲーム感覚で1~7まで任意に変速できる。スポーティな走りが出来る一方で雪国などエンジンブレーキを積極的に使いたいときにも重宝する装備。
その他右上に見える「SPORT」ボタンを押すと変速タイミングが通常よりも遅く(すなわちエンジンをよく回してスポーティに)変速することができる。

後期型ではメーターが独立3眼タイプに変更となった。エンジンオンで、針が一旦右に振り切ってから戻るウエルカムアクション付き。

フロントシートはセパレートタイプ。タイプS専用のブルーカラーのシート表皮となる。シート形状はサイドのサポートが弱め。ただし、生地自体は固めなので長距離は以外と疲れづらい。

リアシート。ボディ自体をあえて小さくすることで耐衝突性能を上げる一方で室内空間はムーヴやワゴンRに劣ってしまっている。リアの足元も同じくライバルに比べると少し狭いのでこの点は注意。

後部の荷室は狭め。席を倒せばそれなりに広くなる。ただしR2はワゴンRやムーブなどと比べると安全性向上のため一回りボディを小さく、たまご型のように設計しており、室内空間も若干狭めになっている。広さが欲しい人にはちょっとマイナス点なのかも。
R2のタイプSはダイハツのソニカ、スズキのセルボSRと並んで、居住性よりも走りやスタイリングにこだわった1台だったが、トレンドとは真逆の個性を持つためあまり売れず、今では絶版車となっている。
室内は少し狭いが、その分衝突安全性に振っておりボディ剛性もかなり高い。同年式のレガシィと60kmオフセット衝突しても運転席はきちんと保たれていたぐらいであった。4気筒エンジン、四輪独立懸架式サスペンション、スーパーチャージャーなどの個性的なメカニズムとスタイリングさえ気に入れば、是非ともオススメしたい1台である。
中古市場ではR2の中でもタマ数が少ない希少モデルゆえにスーパーチャージャー付きの「タイプS S」では年数経過の割に高値が付いている。ただ、今後はスバルからこういった軽自動車が出てくるとは思えないし、他社メーカーでもここまでこだわりが詰まった軽自動車が作られるとも思えない。
なので希少性や価値といった点から見ると高値となるのは仕方ない部分がある。それを差し引いても気に入れば所有欲を満たしてくれる1台であることは間違いないと思う。

画像参照元:Goo-net
概要
2003年12月にデビューしたスバル・R2。R2はそれまでの他の軽自動車とは一線を画するデザインと優れた燃費性能&衝突安全性、合理的なパッケージング、使いやすくキビキビとした走りで新しいミニカーの価値を追求したモデルである。
エクステリアは航空機をモチーフにした「スプレッドウィングスグリル」を採用。フロントからリヤにかけて流れるようなボディシルエットや張りのあるボディ形状によりスポーティーでエレガントなフォルムを表現。個性豊かな11色のボディカラーを設定。
インテリアはにボディカラーにあわせたアイボリーとブラックの2種類のインテリアカラーを。暖色系ランプ&LEDを用いたインテリア照明で上品さを追求。
パッケージングは衝突安全性を保ちながら後席の乗員にも配慮。前席の乗員スペースを重視した設計とした。

安全面ではワンモーションフォルムの採用でタマゴのように衝突を効率的に吸収できる形状とした。また、フロント・リヤフレームの高さを合わせることで自分よりも重たい車との衝突を軽減。軽自動車でありながら2004年の試験時に衝突安全性能評価で運転席・助手席ともに星5つ(ファイブスター)を獲得している。
このほかセイフティペダルやシート形状をむち打ちを軽減する構造のものを標準で採用。さらにオプションではフロントアクティブセイフティシートも用意。ISO FIX方式チャイルドシートへの対応にテザーアンカーも標準装備。ボディ前部は歩行者との衝突に対応した衝突吸収構造を採用した。また、EBD(電子制御制動力配分システム)付ABSを「R」および「S」に標準装備。「i」グレードではオプションとした。

エンジンは新開発のEN07型DOHC16バルブAVCSエンジンに初代プレオからあるSOHCエンジンと同じくDOHCインタークーラー付きスーパーチャージャーエンジンの3種類を設定。
DOHCの自然吸気エンジンではAVCS(アクティブバルブコントロールシステム:可変バルブタイミング)の採用により、「力強く、スムーズな走り」と「低燃費」を高次元で両立した。トランスミッションはi-CVTと5MT(※自然吸気エンジンのみ)の2種類を用意し、スーパーチャージャー搭載車にはマニュアルモードを設定した。
後期型R2の改良点と前期との違い
そのR2は2005年11月にビッグマイナーチェンジを受けて後期型となった。エクステリアでは新デザインのフロントグリルを採用。リアバンパーにもアンダースポイラーを標準装備とすることで、前期よりもスタイリッシュ感をアップ。また、コンビランプやリアガーニッシュも刷新された。
ボディカラーには「コーラルオレンジ・メタリック」「ルミナスグリーン・パール」「ミスティベージュ・メタリック」の3色を追加。
インテリアでは撥水機能付きシートを採用。インパネカラーも新色とし、アイボリー内装ではアイボリー色。オフブラック内装ではグレー色のインパネカラーを採用した。
また安全性を高めるためリアドアのデザインを変更。後方確認時の見切りが良くなった。また、ヘッドランプレベライザーも標準装備となった。
快適装備にはオプションとして「ユーティリティパッケージ」を新設定。水平可倒機構を持つ助手席マルチユーテリティシートにサブトランク、助手席アンダートレイ、イグニッションキー照明、スマートキレースをセットにしたものでより利便性を向上させたマイナーチェンジとなった。
後期型R2 タイプS(スーパーチャージャー仕様)の特徴と前期との違い
後期型のスポーツモデルであるタイプSは、前期のモデル中盤に販売された特別仕様車「カスタムタイプS S」と、「カスタムタイプS R」のカタロググレード版となる。
ただしフロントグリルは特別仕様車時代のメッシュタイプとは異なり、他のモデルと同じ一般的なメッキラインが入ったオーソドックスなタイプへと変更された。それ以外は基本的に同じで、「タイプS S」ではスーパーチャージャー仕様のエンジン、7速マニュアルモード付きCVTを設定する。
また、他のグレードにはないスバル伝統のスポーツモデル専用ボディカラー、「WRブルーマイカ」が用意されるのもタイプSの特徴で、前期型の「S」グレードに設定された「プリズムブルー・メタリック」とはまた異なるインプレッサWRXを彷彿とさせる鮮やかなスバルブルーとなっていた。
それ以外では外装にフォグランプ付きエアロバンパー、リアアンダースポイラー、アルミホイール、クリアサイドマーカー、スーパーチャージャー仕様ではエアダクト付きボンネットを標準装備。
インテリアでもブラック内装にスポーティーなブルーシート表皮、本革巻ステアリングホイールなどで内外装と走りを強化したスポーツモデルとなっている。
エクステリア

フロントデザイン。スーパーチャージャー仕様専用のボンネットのエアインテークは、ひと目で過給器モデルとわかる厳ついデザイン。見た目もこの手が好きな人には受けるデザインだ。
その他グリル以外の変更点は無いのだが、かなりの特徴的なグリルだったために、新デザインでがらりと印象が変わった。良く言えば万人受けするデザインで、顔つきで毛嫌いしていた人にもアピールできるデザインになっている。

サイド。きれいな流線型を描くボディライン。最近の軽自動車には見られない個性的なデザイン。なお、後期型のためリアガラスの形状が小変更。前期では後ろが特徴的な鋭角だったが、後期では鋭角がなくなりよりオーソドックスな形となった。このあたりは前期型か後期型かを見分けるポイント。

足元はRが14インチアルミホイール。サイズは155/65R14。

Sが15インチアルミホイール。ともにガンメタリック塗装のアルミホイールとなる。サイズは155/60R15。

リア。兄弟車のR1とは違って両サイド上部にコンビランプが取り付けられている。ボディデザインに合わせたコンビランプで、ワゴンRやムーヴにはない個性ともいえる。なお、グレードを示す専用エンブレム類は特になく、標準モデルと同じR2エンブレムと6連星エンブレムが付くのみ。この他タイプSではコンビランプとリアガラスの間に「リアゲートガーニッシュ」が標準装備となる。
なお、純正オプションではクリアテールランプが用意されていた。ノーマルよりもスタイリッシュだ。しかしあまり流通量が少なく、当時のディーラーでもほとんど在庫がなかった。入手するならオークションになるだろう。
エンジン・機能

エンジンはEN07型直列4気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きスーパーチャージャーエンジンの2種類。「カスタムタイプS R」はDOHC自然吸気エンジンで最高出力54ps(40kW)/6400rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4400rpm。

「カスタムタイプS S」はインタークーラー付きスーパーチャージャーエンジンとなり、最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.5kg・m(103N・m)/3200rpmのハイオクガソリン仕様(無鉛プレミアムガソリン)となる。
2006年11月以降のモデルではトルクが抑えられガソリンがレギュラー仕様に変更される。これにより最高出力64ps(47kW)/6000rpmで変わらないものの、最大トルクは9.5kg・m(103N・m)/4000rpmとなった。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WD。
2006年11月より後の一部改良モデルはレギュラー仕様に。トルクも9.5kg/4000rpmと下げられている。モアパワーなひとは後期の最初の方、レギュラー仕様が良い人は後期の最終モデルを探すように。
トランスミッションのCVTはSタイプ専用の7速スポーツシフト付きのCVT。これはプレオRSで存在したものと同じでオートマでありながらマニュアルチックにシフトチェンジを楽しめるもの。現在では「パドルシフト」という形で一般的になったが、スバルはこの当時からこういった軽自動車でも楽しいギミックを搭載していた。そしてスバル伝統の四輪独立懸架も健在だ。
スバルR2 RC1型とRC2型との違い
R2のRC1とRC2の違いは駆動方式。RC1はボンネットにエンジンを配置し前輪を駆動するFFのR2。RC2はRC1をベースにビスカスカップリングを使って全輪を駆動する4WDのR2。
ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。
インテリア

インパネ。シルバーアクセントとブラックが組み合わされオーソドックスだがシンプルで洗練されている。通風口が旧型で最近のイメージが少し薄いが設計が2003年以前なので仕方ないところか。なお初代ステラカスタムとインパネは共通となる。

これがマニュアルモード付き7速CVT。「タイプS S」のみ設定の専用装備で、古くはヴィヴィオから始まり、プレオで7速に改良されR2に至る。マニュアルモードにすると7段に刻まれたCVTをゲーム感覚で1~7まで任意に変速できる。スポーティな走りが出来る一方で雪国などエンジンブレーキを積極的に使いたいときにも重宝する装備。
その他右上に見える「SPORT」ボタンを押すと変速タイミングが通常よりも遅く(すなわちエンジンをよく回してスポーティに)変速することができる。

後期型ではメーターが独立3眼タイプに変更となった。エンジンオンで、針が一旦右に振り切ってから戻るウエルカムアクション付き。

フロントシートはセパレートタイプ。タイプS専用のブルーカラーのシート表皮となる。シート形状はサイドのサポートが弱め。ただし、生地自体は固めなので長距離は以外と疲れづらい。

リアシート。ボディ自体をあえて小さくすることで耐衝突性能を上げる一方で室内空間はムーヴやワゴンRに劣ってしまっている。リアの足元も同じくライバルに比べると少し狭いのでこの点は注意。

後部の荷室は狭め。席を倒せばそれなりに広くなる。ただしR2はワゴンRやムーブなどと比べると安全性向上のため一回りボディを小さく、たまご型のように設計しており、室内空間も若干狭めになっている。広さが欲しい人にはちょっとマイナス点なのかも。
まとめ
R2のタイプSはダイハツのソニカ、スズキのセルボSRと並んで、居住性よりも走りやスタイリングにこだわった1台だったが、トレンドとは真逆の個性を持つためあまり売れず、今では絶版車となっている。
室内は少し狭いが、その分衝突安全性に振っておりボディ剛性もかなり高い。同年式のレガシィと60kmオフセット衝突しても運転席はきちんと保たれていたぐらいであった。4気筒エンジン、四輪独立懸架式サスペンション、スーパーチャージャーなどの個性的なメカニズムとスタイリングさえ気に入れば、是非ともオススメしたい1台である。
中古市場ではR2の中でもタマ数が少ない希少モデルゆえにスーパーチャージャー付きの「タイプS S」では年数経過の割に高値が付いている。ただ、今後はスバルからこういった軽自動車が出てくるとは思えないし、他社メーカーでもここまでこだわりが詰まった軽自動車が作られるとも思えない。
なので希少性や価値といった点から見ると高値となるのは仕方ない部分がある。それを差し引いても気に入れば所有欲を満たしてくれる1台であることは間違いないと思う。
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