2017
07/09
日

2011年11月にデビューしたホンダ・N-BOX。加熱する軽自動車市場でそれまでの出遅れを払拭すべく、当時の売れ筋となっていたハイトワゴンタイプのボディを採用。ホンダの得意とするミニバンの魅力を軽自動車サイズに詰め込んだ渾身の1台である。
N-BOXはそれまでのボンネットが独立したワゴンタイプとしては最も全高が高い1780mmとし、室内高もセンターレイアウトなどの採用で異例の1400mmを確保。加えて室内長は軽自動車として最小のエンジンルームサイズにより2180mm、室内幅も1350mmとすることでホンダの軽自動車としては異例の広大な居住スペースを実現した。これは同社のコンパクトカーであるフィットよりも広い室内設計(※室内幅除く)でまさに軽自動車のミニバン的なモデルとなっていた。
エンジンもそれまでのライフやゼストとは異なる新開発のS07A型エンジンを採用。特にターボエンジンにおいてはF1で培った技術を応用することで低回転域(2600rpm)からの力強い加速と優れた燃費性能を両立させた。さらにトランスミッションもそれまでの4ATを廃止し、全グレードで新開発のCVTとすることで燃費性能を向上させた。

安全装備では当時の軽自動車としては珍しい横滑り防止装置のVSA(車両挙動安定化制御システム)とヒルスタートアシストを全グレードで標準装備化。運転席エアバッグに加え助手席用エアバッグも全グレードで標準装備とした。
そのカスタムモデルとなる「N-BOXカスタム」は他社ライバルのモデルと同じく標準モデルに対し内外装をスポーティにあしらったモデルである。外装では専用ヘッドライト(ディスチャージヘッドランプ)、フロントメッキグリル、フロントバンパー、サイドアンダースポイラー、アルミホイール、ルーフエンドスポイラー、リアバンパーを。内装ではブラックタイプのインパネやシート表皮で上級感をアップさせている。
2015年2月実施のマイナーチェンジではメッキグリルやバンパーのデザインを変更したほか、カスタムのターボ仕様でLEDポジションランプとLEDフォグライトを標準装備。リアシートにはそれまでのチップアップ機構に加えスライド機構をプラス。さらにメーカーオプションとして「シートバックテーブル」も新たに盛り込んだ。快適装備としてはIRカット<遮熱>/スーパーUVカットガラス(フロントコーナー/フロントドア)」と後部座席用のロールサンシェードをタイプ別に設定。オートリトラミラーはカスタムで標準装備とした。

そして2016年8月。ブラックカラーをテーマに人気装備を追加しお買い得感の価格とした特別仕様車が設定された。それがこの「SSブラックスタイルパッケージ」と「ターボSSブラックスタイルパッケージ」である。SSブラックスタイルパッケージでは自然吸気エンジンのG・Lパッケージとターボ仕様のG・ターボ+パッケージをベースとし、それぞれの既装備に加えて外装では黒塗装フロントグリル、オールブラック14インチ(ターボは15インチ)アルミホイール、リア右側のパワースライドドア、LEDポジションランプ、フォグライトガーニッシュ付きLEDフォグランプ、親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラスを。内装ではエアコンアウトレットダブルリングにチップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシート、運転席&助手席シートヒーター、シートバックテーブルブルーステッチのステアリングホイールと合皮コンビシート(※ターボのみ)を。安全装備として「あんしんパッケージ」を標準装備としお買い得とした特別仕様車となっている。

フロントデザイン。SSブラックスタイルパッケージでは上部3段グリルをブラックカラーに塗装。その下のメッキグリルをあわせてノーマルとは異なる落ち着いた印象を与えた。ノーマルではすべてメッキグリル。特別仕様車の「2トーンカラースタイル」では下部も含め全て黒塗装グリルだったため、一味違うフロントデザインとなっている。

これ以外にSSブラックスタイルパッケージではLEDポジションランプとフォグライトガーニッシュ付きのLEDフォグランプを標準装備とした。

サイド。SSブラックスタイルパッケージ仕様として親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラスを標準装備。ボディカラーはクリスタルブラック・パール、ブリティッシュグリーン・パール、メーカーオプションのプレミアムベルベットパープル・パール、プレミアムホワイト・パールIIの計4色を設定。

SSブラックスタイルパッケージでは本来オプション設定のリア右側パワースライドドアも標準装備とした。

足元はSSブラックスタイルパッケージ仕様としてブラック塗装の14インチまたは15インチ(ターボ仕様)となる。

リア。このあたりはベースと同じ。特に専用エンブレム等は付かない。カスタムベースのためコンビランプはクリアータイプでストップランプがLED仕様となる。

エンジンはS07A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類を設定。自然吸気エンジンは最高出力、58ps(43kW)/7300rpm。最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/3500rpm。

ターボ仕様では最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.6kg・m(104N・m)/2600rpmとなる。トランスミッションはCVTのみ。駆動方式はFFか4WDで、雪国にはうれしいVSA(横滑り防止装置)とヒルスタートアシストが標準装備となっている。このほかSSブラックスタイルスタイル仕様として自動ブレーキなどをセットにした「あんしんパッケージ」を標準装備。シティブレーキアクティブシステム、サイドカーテンエアバッグシステム、前席用i-サイドエアバッグシステムをひとまとめにしたオプションとなっている。

インパネ。SSブラックスタイルパッケージではエアコンアウトレットダブルリングを標準装備とした。ターボ仕様のみ本革巻ステアリングホイールにブルーステッチがプラスされる(※自然吸気エンジン仕様はウレタンステアリングホイール)。

スピードメーターはベースモデルと同じ。

フロントシートはベンチシートタイプ。自然吸気エンジン仕様ではノーマルと同じタイプ。

ターボ仕様のみ合皮のコンビシートにSSブラックスタイルパッケージ仕様としてブルーステッチがプラスされる。このほか自然吸気エンジンとターボ共通でシートバックテーブルとFF仕様車に運転席&助手席シートヒーターを標準装備とした。

リアシート。

ターボ仕様のリアシート。SSブラックスタイルパッケージ仕様としてチップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシートとなる。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

初代N-BOXの後期型に設定された「SSブラックスタイルパッケージ」および「ターボSSブラックスタイルパッケージ」は外装にブラックカラーのフロントメッキグリル、ブラックアルミホイール、LEDポジションランプ、LEDフォグランプ(フォグランプガーニッシュ付き)、右側パワースライドドアを。内装ではエアコンアウトレットダブルリングにターボ仕様のみとなるがブルーステッチ入り本革巻ステアリングホイールと合皮コンビシートを与えるなど内外装でブラックカラーをテーマにほどよくカスタムした特別仕様車となっている。メーカーの公式ページにもあるのだが、「主張しすぎず、さりげなく、スタイリッシュ」な点がブラックスタイルの特徴であり、ただのSSパッケージでは物足りない、あるいは違った個性がほしいという人に嬉しい特別仕様車といえよう。
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