2017
04/29
土

2003年9月フルモデルチェンジを受け、3代目となったスズキのワゴンR。先代同様にマツダには3代目AZワゴンとしてOEM供給される。MH系は先代よりも一回り大きくなりより箱型に近くなったのが大きな特徴だ。全体的なデザインも、角は丸みがあるものの直線を基調としており、初代のような雰囲気も併せ持っている。このためどの世代にも受け入れられやすいオーソドックスなものとなっている。
外観以外にメカニズムではスバルと共同開発のフロントサスを採用したり、スポーティーモデルのRRでは軽自動車初となる直噴ターボの搭載など、技術も大きく進歩した。

その3代目ワゴンRは2005年9月にフロントデザインの変更を含むマイナーチェンジを行い後期型となった。後期型ではフロントグリルとフロントバンパー(※リミテッドとRR-DI)のデザインを刷新したほか、リアのコンビランプをクリアータイプに変更し、ホイールキャップやアルミホイールのデザインを変更した。内装でもスピードメーターを自発光式メーターへ変更し、インパネやシート表皮&ドアトリムクロスのデザインも小変更するなど内外装でスタイリッシュな変更が与えられたマイナーチェンジとなった。
そして本稿で扱う低圧ターボ(Mターボ)仕様の特別仕様車、「FT-Sリミテッド」も2005年9月の後期型マイナーチェンジが適用された。FT-Sリミテッドは3代目前期の2004年7月にそれまでの「FTリミテッド」の後継モデルとして登場。FTグレードをベースに外装では大型フロントメッキグリル、フロントアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラー、ブルーリフレクタータイプのヘッドランプ、14インチアルミホイールにローダウンサスペンションを与え、内装ではブラックとシルバーのツートンカラーの本革巻ステアリングホイールに、ブラック基調の柄付きファブリックシート表皮、メッキインサイドドアハンドル、2DINサイズのオーディオセット(MD/CDステレオ+6スピーカー)を標準装備とし、内外装でスポーティーな雰囲気を与えつつお買い得した特別仕様車である。
前期型との違いは2005年9月後期型マイナーチェンジ当初はフロントバンパーやアルミホイール、コンビランプ(クリアータイプ)、スピードメーターの自発光式化程度の違いで前期型とほぼ同じだったが、2007年5月一部改良でフロントグリルを大型化&フォグランプを標準装備。また、ターンランプ付きドアミラーも標準装備としアルミホイールを新デザインとすることでスタイリッシュ感をアップさせた。また内装でもシート表皮とドアトリム表皮のデザインを変更し、キーレススタートシステムも標準装備とすることで機能性や質感をアップさせている。

フロントデザイン。FT-Sリミテッド仕様として2005年9月の後期型マイナーチェンジではフロントバンパーのデザインが変更された。前期では角型フォグランプが埋め込まれたタイプだったが、後期型ではスタイリッシュな形状のものに。ただし標準装備のフォグランプは省略された。

2007年5月一部改良ではメッキグリルを大型化。さらにフォグランプも標準装備とすることで精悍さや存在感をアップさせた。これ以外は前期と共通でブルーリフレクターヘッドライトとフロントアンダースポイラーを標準装備。

FT-Sリミテッドではブルーリフレクタータイプのハロゲンヘッドランプが与えられた。

オプション設定のキセノンヘッドランプを選択すると、RR用のプロジェクター式ヘッドライトに変更となる。

サイド。このあたりは前期型とほぼ同じ。

FT-Sリミテッド仕様としてボディ下部にはサイドアンダースポイラーを標準装備。

足元は14インチアルミホイール。2005年9月マイナーチェンジで前期型よりデザインを変更。

さらにフロントグリルを大型化した2007年5月一部改良では再びアルミホイールのデザインを変更し、切削加工タイプとした。

このほか2007年5月一部改良ではLEDターンランプ付きドアミラーも標準装備とした。セキュリティーアラームはベースモデル同様に標準装備となる。

リア。2005年9月後期型マイナーチェンジではコンビランプをクリアータイプへ変更。これ以外はベースと同じでFT-Sリミテッド仕様として上部にはハイマウントストップランプ付きルーフエンドスポイラー、下部にはリアアンダースポイラーを標準装備とし、フルエアロに。

リアゲート右下のWagonRエンブレムの下には「LIMITED」エンブレムが付く。

エンジンは前期と同じくK6A型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンのみ。最高出力は60ps(44kW)/6000rpm、最大トルク8.5kg・m(83N・m)/3000rpmのM(マイルド)ターボ仕様となる。トランスミッションは4ATのみで、駆動方式はFFまたは4WD。安全装備としてEDB付きABSを標準装備。

インパネ。後期型では廉価グレードのFAを除いてインパネセンターガーニッシュが刷新された。さらにステアリングパッドの意匠も変更。法改正にともないマニュアルレベリング機構が追加。

FT-Sリミテッド仕様として前期ではグレーが含まれたツートンカラーの本革巻ステアリングホイールだったが、後期型ではモノトーンカラータイプに変更された。

スピードメーター。前期のホワイトメーターから自発光式メーターに変更された。

FT-SリミテッドではAM/FMチューナー付MD/CDステレオ(2DINサイズ)と6スピーカー(リアスピーカー&ツイーター含む)を標準装備。

2007年5月一部改良ではキーレススタートシステムが標準装備となった。

フロントシートはベンチシートタイプ。FT-Sリミテッドではステアリングと同じくブラック&シルバーの2トーン専用シート表皮(ファブリックタイプ)となる。

インサイドドアハンドルもFT-Sリミテッドではメッキタイプに変更となり、ドアトリムも一部がシルバー塗装となる。

2007年5月一部改良ではシート表皮&ドアトリム表皮を小変更。より質感がアップした。

リアシート。スライド機構付き。

2007年5月一部改良以降のリアシート。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

3代目・後期型ワゴンRに設定されたMターボ仕様の特別仕様車、「FT-Sリミテッド」はターボ仕様のFTグレードをベースに外装では専用大型フロントメッキグリル、サイドアンダースポイラー、リアアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラー、14インチアルミホイール、ローダウンサスペンションでスポーティな外観に。内装では本革巻ステアリングホイール、専用シート表皮、上級オーディオと6スピーカーなど装備面でも上級なものを与えた特別仕様車となっている。特に2007年5月一部改良以降のFT-Sリミテッドでは大型化されたフロントグリルにより精悍さや存在感が大幅にアップ。スポーティモデルのRRやスティングレーとはまた一味違う、標準モデルをカスタムしたような外観が魅力的とえいよう。さらに自然吸気エンジン仕様のFX-Sリミテッドとは異なり3代目の欠点であるNAの力不足が無い点も特筆すべき部分で、走りと室内空間の使い勝手に加え外観の良さを組み合わされている。
中古市場では年数経過や現行よりもかなり前のモデルのため比較的安価に取引されている。燃費や自動ブレーキなど現行に及ばない部分があるものの、室内空間の広さは健在でかつ外観も良いため手頃でスタイリッシュかつ使い勝手のよいMターボ車的なモデルとしてまだまだ需要がありそうな1台である。特別仕様車ではあるもののよく売れたワゴンRのため、タマ数も意外と豊富な点も嬉しい。
- 関連記事
-
-
【3代目・前期型】スズキ ワゴンR FX-Sリミテッド(MH21S型)
-
【6代目】スズキ ワゴンR 25周年記念車 ハイブリッドFZリミテッド (MH55S型)
-
【2代目・後期型】スズキ ワゴンR(MC11S/MC21S型)
-
【3代目・前期型】スズキ ワゴンR FTリミテッド(MH21S型)
-
【3代目・前期型】スズキ ワゴンR FT-Sリミテッド(MH21S型)
-
【5代目・後期型】スズキ ワゴンR FZ(MH44S型)
-
【3代目・前期型】スズキ ワゴンR FXリミテッド(MH21S型)
-
【3代目・後期型】スズキ ワゴンR FT-Sリミテッド(MH21S/MH22S型)
-
【4代目】スズキ ワゴンR(MH23S型)
-
【2代目・前期型】スズキ ワゴンR(MC21S/MC21S型)
-
【5代目・前期型】ワゴンR 20周年記念車(MH34S型)
-
【4代目】スズキ ワゴンR リミテッド(MH23S型)
-
【6代目】スズキ ワゴンR ハイブリッドFZ (MH55S型)
-
【2代目・後期型】スズキ ワゴンR C2(MC22S型)
-
【4代目】スズキ ワゴンR リミテッドⅡ
-
スポンサーサイト
MESSAGE
TRACKBACK
メーカー別車種一覧
COMMENT