2017
04/23
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1998年10月登場の三菱・パジェロミニは「パジェロ」と名がつくことから想像できるように、クロカンであるパジェロの弟分としてデビューした。1994年に初代がデビューし、1994年にジムニーに対向する形で登場した初代・パジェロミニ。そのパジェロミニは1998年の軽自動車新規格を受けて同年の10月に2代目へとフルモデルチェンジした。
2代目ではそれまでの特徴だった丸目ヘッドライトを廃止し、オーソドックスな角型ヘッドライトを採用。新規格に対応したことでボディ形状は全長で100mm、全幅で80mm拡大するもののスタイリング(パジェロスタイル)はほぼ先代を踏襲。顔つき以外は先代とほぼ同じ外観となっている。また、モノコック高剛性ボディにクラッシャブルボディ構造とブレーキアシスト機構の採用で、当時の軽自動車としては優れた衝突安全性を誇っていた。
エンジンは新開発となる4A30型4気筒SOHC16バルブ新リーンバーンMVVエンジンと4A30型4気筒DOHC20バルブインタークーラーターボエンジンを搭載。また、先代のオートマは3ATだったが、2代目で電子制御式4ATに置換された。
(※ただし排ガス規制に引っかかりこの4気筒DOHC20バルブツインスクロールターボは2002年9月のマイナーチェンジで廃止、代わりに自然吸気エンジンをターボ化した4気筒SOHC16バルブインタークーラーターボに切り替わった。)
デビュー当初からパジェロミニはジムニーに対して「シティユース」というキャラクターを出していたがこの2代目ではそれが顕著だった。ベースモデルに対してより個性的な顔をもたせたり(パジェロミニ・デューク)、初代を彷彿とさせる丸目を用意したり(パジェロミニ・リンクス)、はたまたレカロシートを装備したスポーティーなモデルを追加したり(パジェロミニ VR-S)とまさにムーヴとムーヴカスタムの関係のようなグレード展開をSUVで行っていた。基本性能は変わらないものの見た目をアレンジし、個性的なモデルを投入することでジムニーに対抗していた。
その2代目パジェロミニは2008年9月にマイナーチェンジを行い後期型(最終型)となった。最後のマイナーチェンジではフロントのデザインが一新されたほか、リアのコンビランプを前期型までのデザインに変更。内装ではインパネとスピードメーター、シート表皮を刷新。メカニズムでもAT仕様車では減速時のロックアップ機構を追加することで燃費を若干アップさせた。

そして2009年5月。オプション設定のホワイトパール色を専用ボディカラーとし、フロントバンパーやリア、スペアタイヤケースもパールホワイトで統一してプレミアム感を演出した特別仕様車を設定した。それがこの「パールホワイトセレクト」である。
パールホワイトセレクトは2代目の前期型にもあった特別仕様車、「パールセレクト」の後期バージョンに相当する特別仕様車となる。ホワイトパールセレクトではターボ仕様のミドルグレードとなる「VR」をベースに外装ではボディ、フロントオーバーライダー部分、リアバンパーセンター部分、リアのスペアタイヤケースをホワイトパールカラーで統一。フロントフォグランプも標準装備としそれまでのSUV感のあった塗り分け部分をホワイトパール一色にして上級感を演出。内装でも本革巻ステアリングホイール、寒冷地仕様(運転席シートヒーター、ヒーテッドドアミラー含む)も標準装備として機能性とプレミアム感を与えつつお買い得な特別仕様車となっていた。

フロントデザイン。ベースモデルは2代目パジェロミニの後期型VRグレード。これにホワイトパールセレクト仕様として本来は非着色となっていたバンパーのオーバーライダー(開口部両脇の2本の縦に太いライン)部をホワイトパール色に塗装。上級グレード(エクシード)のようなモノトーンカラーのバンパーとした。

ちなみにこちらはベースモデルのVRグレード。オーバーライダー部が非着色となっている。この他ホワイトパールセレクト仕様としてフォグランプを標準装備とした。

サイド。このあたりはベースモデルと同じ。前期型のパールセレクトでは特別仕様としてドアミラーの着色が行われたが、後期型のVRグレードでは標準でカラータイプとなるためこの変更はなし。ホワイトパールセレクト仕様としては寒冷地仕様のヒーテッドドアミラーが標準装備となる。

足元はベースモデルと同じく15インチアルミホイール。

リア。ホワイトパールセレクト仕様としてリアバンパーセンター部分をホワイトパールに塗装。リアハッチのスペアタイヤケースもホワイトパールカラーに塗装しフロントと同じくホワイトパールカラーに統一した。これ以外はベースと同じで特にエンブレム類の装着はなし。

搭載されるエンジンは、4A30型4気筒SOHCのインタークーラー付きターボエンジンのみ。これをエンジンルームに縦置きで搭載。かつてはミニカダンガンで採用されていたDOHCの4気筒ツインスクロールターボエンジンを搭載したグレードが存在したが、排ガス規制をクリアできず廃止となり、後期モデルでは完全に消滅している。最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは9.0kg・m(88N・m)/4000rpm。
トランスミッションは4ATのみ(後期型ではATのロックアップ機構を減速時にも適用することで若干の燃費性能を改善)。トランスミッションは4WDのみとなる。4WDはイージーセレクト4WDと呼ばれるシステムを搭載し、具体的には2駆→4駆(高・低)の切り替えスイッチを備え、いざという時は4駆、普段は2駆とユーザーが切り替えることができる。普段は2駆で走れば燃費を稼げるという仕組みだ。

インパネ。デザインそのものはベースモデルと同じ後期タイプ。

ホワイトパールセレクト仕様として本革巻ステアリングホイールを標準装備。

スピードメーター。

ATのシフトレバー。

イージーセレクト4WDのきりかえノブはシフトレバーのすぐ下に配置。

フロントシートはセパレートタイプ。ベースモデルと同じシート表皮でこのあたりは同じ。ただし、ホワイトパールセレクト仕様では寒冷地仕様の運転席シートヒーターが標準装備となる。

リアシート。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

2代目・後期型パジェロミニに設定された「ホワイトパールセレクト」はオプション設定の特別色、「ホワイトパール」を標準カラーとし、バンパーやスペアタイヤケースをホワイトパールで塗装し全体を統一。内装でも本革巻ステアリングホイールが運転席シートヒーターなどを与えつつお買い得した特別仕様車となっていた。この特別装備でベースのVRグレードより約6万円アップとし、同じくバンパーが着色されかつ3ウェイツートンカラーの最上級グレード、「エクシード」よりも4万円ほど安くしたものであった。
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