2017
04/19
水

2014年6月にフルモデルチェンジし、2代目となったダイハツ・コペン。2代目では「感動の走行性能」と「自分らしさを表現できるクルマ」をテーマに開発と生産、営業活動の3点から新たな取り組みを実施した。
外観上はそれまで(初代)のアイデンティティーだった丸みを帯びたボディに丸目ヘッドライト、丸目コンビランプなどを採用せず、新たに躍動感あふれるスタイリッシュなデザインを採用しそれまでのイメージを刷新。中身においては先代で指摘されていたオープンカーゆえの剛性不足を解消すべく新骨格構造の「D-Frame」を新たに採用。骨格だけでスポーツカーに求められる高い剛性を確保した。また、脱着構造「Dress-Formation」を採用することにより購入後、ユーザーが着せ替え感覚でボディパネルのカスタマイズや交換を可能とした。これはかつてダイハツに存在した「ネイキッド」の発想に似ており、それをコペンに取り入れることで自分らしさを表現できるクルマに仕立てている。
エンジンは先代と異なり専用品(4気筒エンジン)とならず、同年代のタントやムーヴで採用されていたKF-DET型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンを採用。これに5MTもしくは7速スーパーアクティブシフト付CVTを組み合わせ、専用サスペンションやパワートレインのチューニングによりスポーツカーに相応しい操縦安定性と乗り心地を実現した。

このほか先代同様に電動開閉式オープンルーフのアクティブトップを標準装備とし、燃費技術としてCVTモデルにはアイドリングストップシステムの「エコアイドル」を標準装備。MTとCVT車の両方でVSCとTRC、ブレーキオーバーライドシステム、エマージェンシーストップシグナルを標準装備とした。
そのコペンに2014年11月。デビュー当初から予告されていた第2のコペンが追加された。それがこの「エクスプレイ」である。デビュー当初は「ローブ」というスタンダードなグレードのみだったが、このエクスプレイの登場により2モデル体制となった。エクスプレイの最大の特徴は外観で、ノーマルよりもツートンカラーで表現されたボディに、よりダイナミックなデザインが特徴だ。イメージ的には6代目のランエボや3代目のGVBインプレッサを連想するとしっくりくるだろう。コペン ローブの特徴を受け継ぎ、筋肉質なボディでダイナミックさがアップしている。

そして2015年6月、丸目ヘッドライトの「コペン セロ」の追加と共に新たに追加となったエクスプレイの上級グレードが本稿で扱う「エクスプレイ S」である。Sはスポーツを意味し、専用設計のビルシュタイン製ショックアブソーバー、スエード調レカロシート、MOMO製本革巻ステアリングホイール、CVT車には専用のパドルシフトを特別装備。メーカーオプションとして赤のレカロシートなどを専用設定した「レッドインテリアパック」を設定し、ノーマルモデルよりもスポーティーな装備を与えたモデルとなっている。

フロントデザイン。エクスプレイ Sではマルチリフレクターフォグランプが標準装備となる。

これ以外はベースと同じでグリルやその下のバンパー部分がエクスプレイ専用品となる。グリルはローブよりも少し大型化し、中央部にあったワンポイントのバーも省略され、かわりにエンブレムがグリル内に移動している。

サイド。フェンダーわまりのアーチ部分が一回り太くなってボリューム感が出ている。タイヤ幅を太くした時に改造でフェンダーを太くすることが多いが、エクスプレイでは純正風にうまくデザインできている。よこからもダイナミック感があってローブとは差別化されている。アルミホイールはエクスプレイ専用品で16インチ仕様。「エクスプレイ S」仕様としてビルシュタイン製ショックアブソーバーを標準装備とした。

このほかセロS仕様として専用設計のビルシュタイン製ショックアブソーバーも標準装備となる。BBS製16インチアルミホイールはオプション設定。

ボディカラーはモノトーンカラーのブラックマイカメタリックのみ標準カラーとなり、エクスプレイ専用色となる「オフビートカーキメタリック」を含めたツートンカラーの全7色がオプション設定カラーとなる。

電動格納式ルーフのアクティブトップはベースモデル同様に標準装備。ルーフ自体もDラッピングによりオプション設定となるがブラック、ワインレッド、シルバーの3色からカラーを選択可能とした。

リア。フロントのポジションランプと同じく、ローブのリアにはブレーキランプを斜め方向に伸ばしてスポーティなデザインを演出していたがエクスプレイではこれをカットしている。こちらも好き好きは別れるだろうが、ローブのような派手さが無くなって大人しくなった印象を受ける。逆にコテコテじゃなくてスッキリしたデザインともいえる部分だ。なお、ブレーキランプはLED仕様でキレのある発光を実現している。

「エクスプレイ S」では左側コンビランプのとなりにビルシュタインのリヤオーナメントが付く。このあたりはエクスプレイ S仕様かどうかを見分けるポイント。

エンジンはKF-DET型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンのみ。最高出力は64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは9.4kg・m(92N・m)/3200rpm。トランスミッションは5MTまたは7速マニュアルモード付きCVTの2種類で駆動方式はFFのみとなる。低燃費技術としてCVT仕様車ではエコアイドルを標準装備。その他安全装備としてMT、CVT共通でVSCとTRC、ブレーキオーバーライドシステム、エマージェンシーストップシグナルを標準装備とした。なお、同年代のタントやムーヴに採用されている自動ブレーキの「スマートアシスト」などは非設定となる。

インパネ。エクスプレイ Sではメッキオーナメントシルバー加飾付きのMOMO製本革巻ステアリングホイールを標準装備。CVT仕様ではこれに専用のパドルシフトが備わる。

MTのシフトノブ。

CVTのシフトノブ。マニュアルモード付きのゲート式。ステアリングのパドルシフトのほか、このシフトノブでも変速操作が可能だ。

スピードメーターはベースモデルと同じ。エクスプレイ専用品となり、文字盤の背景色を赤基調となる。もの自体はタコメーター付きの自発光式メーターで、右側に瞬間燃費計とCVTのみだがエコ運転表示機能が備わる。

フロントシートはバケットシートタイプ。ドイツ・レカロ社製のスエード調「レカロシート」を標準装備とし、スポーティーかつ機能性を向上させた。基本はブラックシートで

ベージュカラーはドアトリム表皮とセットで「ベージュインテリアパック」として選択可能とし、

レッドカラーのレカロシートはドアトリム表皮とインパネガーニッシュをセットとし、「レッドインテリアパック」としてメーカーオプションとした。

ルーフ展開時のラゲッジルーム。高さのあるものは無理だが、ゴルフバッグ程度なら横に寝かせて収納できる程度の容量は確保されている。

2代目コペンのエクスプレイ Sは、個性的な外観のエクスプレイをベースにスポーティーなビルシュタイン製ショックアブソーバー、レカロシート、MOMO製本革巻ステアリングホイールなどスポーティーな装備を与えたグレードとなっている。ちょうど初代コペンにあった「アルティメットエディション」などに相当するグレードで、この手の仕様が好きな人にはたまらないモデルといえよう。エクスプレイ Sは3種類の2代目コペンの中でも最も尖った外観が特徴で、その走りに特化させた上級グレードという点でさらなる個性が与えられた1台となっている。
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