2017
04/14
金

2003年10月にフルモデルチェンジし、3代目となったマツダのAZワゴン。AZワゴンは初代からスズキ・ワゴンRのOEM供給を受けて販売された息の長いモデルで、3代目AZワゴンでおよそ10年以上が経過。地味に息の長いモデルであった。
3代目AZワゴンではベースモデル同様に先代よりも一回り大きくなりより箱型に近くなったのが大きな特徴だ。全体的なデザインも、角は丸みがあるものの直線を基調としており、初代のような雰囲気も感じられ、どの世代にも受け入れられやすいオーソドックスなものとなっている。外観以外にメカニズムではスバルと共同開発のフロントサスを採用したり、スポーティーモデルのRRでは軽自動車初となる直噴ターボの搭載など、技術も大きく進歩した。

その3代目AZワゴンの特別仕様車、第1弾として2004年2月に登場した「FX-スペシャル」をベースにフロントメッキグリルやブルーリフレクター内蔵ヘッドランプを追加装備し、スポーティな外観とした新グレードを追加した。それがこの「FX-Sスペシャル」である。
「FX-Sスペシャル」はスズキ版である3代目ワゴンRの特別仕様車、「FXーSリミテッド」のOEM版にあたるもので、外装では専用フロントメッキグリル、ブルーリフレクター内蔵ヘッドランプ、フロントアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラー、アルミホイール、ローダウンサスペンションを。内装ではブラック&シルバーの2トーン専用シート表皮(ファブリックタイプ)と同2トーンの本革巻ステアリングホイール、AM/FMチューナー付MD/CDステレオ(2DINサイズ)と6スピーカー(リアスピーカー&ツイーター含む)、メッキタイプのインサイドドアハンドルとドアトリムを標準装備とし、内外装をスポーティにあしらった自然吸気エンジンの最上級グレードとなっている。

フロントデザイン。FX-Sスペシャルではスズキ版と同じくフロントメッキグリルを標準装備。ただし、形状はマツダ仕様のペンタゴンタイプとなり、差別化がなされている。これ以外にもフロントバンパー下部にはフロントアンダースポイラーを標準装備し、スポーティな外観とした。なお、写真のフォグランプは自然吸気エンジンでは非設定。

2005年9月一部改良ではフロントバンパーのデザイン変更が行われ、開口部が4段の階段形状から横2口、縦方向に4口の開口部へ変更。フォグランプ付近もくぼみが設けられスタイリッシュなデザインとなった。

ヘッドライトはFX-Sスペシャル仕様としてブルーリフレクタータイプのハロゲンヘッドランプとなる。

サイド。FX-Sスペシャルではサイドアンダースポイラーを標準装備。足回りもノーマルから10mmローダウンしたサスペンションが与えられる。

足元は14インチアルミホイールを標準装備。

2005年9月一部改良ではフロントバンパーの形状変更と同時期にアルミホイールの形状変更が行われ、若干エアロ感のあるデザインとなった。

リア。FX-Sスペシャルではルーフエンドスポイラーとリアバンパースポイラーを標準装備。

これ以外はベースと同じで、バックゲート中央上部にマツダロゴエンブレム、左下にMAZDAエンブレム、右下にAZWagonエンブレムが付く。コンビランプもAZワゴン専用品だが、FX-Sスペシャル専用とはならずベースと共通品となる。このコンビランプはスズキ版のMH21Sまたは22系ワゴンRと互換性があるため、AZワゴン用が無くとも社外品などの流用が可能だ。

エンジンはK6A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。このほかABSやEBD、セキュリティーアラートはベースモデルと同じく標準装備。

インパネ。FX-Sスペシャル仕様として、ステアリングはブラック&シルバーの2トーン本革巻ステアリングホイールとなる。

2005年9月一部改良では本革巻ステアリングホイールの2トーンが廃止され、代わりにシルバーガーニッシュがプラスされた。

このほかFX-SスペシャルではAM/FMチューナー付MD/CDステレオ(2DINサイズ)と6スピーカー(リアスピーカー&ツイーター含む)を標準装備。

スピードメーターはベースモデルと同じくタコメーター付き。

2005年9月一部改良ではスズキ版と同じくブラック背景の自発光式メーターへ置換。

エンジンスタートはキーフリーシステムを採用。

フロントシートはベンチシートタイプ。FX-Sスペシャルではステアリングと同じくブラック&シルバーの2トーン専用シート表皮(ファブリックタイプ)となる。

インサイドドアハンドルもFX-Sスペシャルではメッキタイプに変更となり、ドアトリムも一部がシルバー塗装となる。

リアシート。スライド機構付き。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

3代目AZワゴンの上級グレード、FX-Sスペシャルは、自然吸気エンジンながら外装にスポーティなエアロパーツにローダウンサスペンション、アルミホイールに存在感の大きいフロントメッキグリル。内装でもブラック系シートに本革巻ステアリングホイール、6スピーカーシステムなどを標準装備し、内外装でスポーティにあしらったグレードとなっている。ベースモデルのベーシックな雰囲気を残しつつ、適度にカスタムされた外観は標準仕様にはないプラスアルファの雰囲気が与えられ、「派手すぎず、だけど標準では物足りない」という無難なニーズに答えられそうな仕様となっていた。スズキ版では「FX-Sリミテッド」として特別仕様車となっていたが、マツダ版ではカタロググレードとして登場したものの絶対数ではマツダ版が少ないため、中古車であっても他人と被りたくない人向けといえよう。
中古市場では年数経過や現行よりも3世代以上も前のモデルとあって安価な価格となっている。燃費や静粛性、自動ブレーキなど劣る部分は多いものの室内空間の広さは十分なため、街乗りの足車としてまだまだ活躍してくれることだろう。なお、これとほぼ同じ仕様で60馬力のMターボエンジンを搭載した「FT-Sスペシャル」も存在するため、自然吸気エンジンの非力さが難点な場合はあわせて「FT-Sスペシャル」もチェックすることをオススメしたい。
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