2017
04/12
水

2012年11月にデビューしたホンダのN-ONE。N-ONEは、N-BOX、N-BOX+に続くNシリーズの第3弾となるこの車は、かつてのホンダの軽乗用車、「N360」をモチーフにしたデザイン性の高いモデルとして生まれた。年配の人には懐かしく、若い人には新しく感じる個性的なデザインは、ライバルのワゴンRやムーヴ、アルトやミラとはデザインの方向性が異なるモデルだ。輸入車ではビートルやミニ、フィアットなど往年の名車を現代風にアレンジして復活させている例があるが、ホンダのN-ONEもそれを思わせるものであった。
その個性的な外観に加えインテリアでは大人4人がくつろげる室内空間を実現。エンジンは新開発となるS07A型エンジン(※Nシリーズで共通)を採用し、ターボモデルにおいてはクラストップレベルの高トルクとなっている。トランスミッションもCVTを使用し、ライフやゼスト時代よりも燃費を向上させた。また、軽量化や高剛性を両立させたボディに専用サスペンションの採用で安定した走行性能と優れた静粛性を実現している。
安全技術としては横滑り防止装置のVSAを全グレードで標準装備とし、エマージェンシーストップシグナルとヒルスタートアシストも全グレードで標準装備とした。

モデル構成は「ノーマル」とカスタムモデルに相当する「プレミアム」の2種類。プレミアムではノーマルモデルよりも上級な内外装により名前通りのプレミアム感を演出。個性的な外観に加えて上級装備により「プレミアムな軽乗用車」としての魅力を高めたグレードだ。さらにノーマルモデルでもターボエンジンを搭載したグレード(ツアラー)を用意し、自然吸気エンジンのベーシックなモデルからターボエンジンで上級装備の「プレミアム ツアラー」まで多彩なグレード展開となっている。
そのN-ONEは2015年7月にデビューから2度めの大きなマイナーチェンジを行い後期型となった。後期型ではフロントグリルとフロントバンパーに上質感とワイド感をプラスさせるメッキグリルを追加した他、N-ONEプレミアムではサイドにドアサッシュモールと上質な肌触りのコンビシートを採用。さらにオートリトラミラーとナビ装着用スペシャルパッケージをGグレード以外で標準装備とした。
このほか、かねてから要望のあった立体駐車場に入る高さに全高を落とした「ローダウン」グレードを追加。既存のN-ONEに対し、新デザインのルーフ、スポイラー、ローダウンサスペンションの採用で全高を65mm下げ、1,545mmとすることで多くの立体駐車場に対応。また、全高がノーマルよりも落ちたことでスポーティーな外観となっている。さらに、このローダウン仕様をベースとしたコンプリートカー「モデューロX」も追加され、後期型では外装のアレンジとローダウン仕様車の追加など、それまでの不満点を払拭させるようなマイナーチェンジとなっている。

そして2016年6月、全高を落とした上級グレード・ターボ仕様車の「プレミアム ツアラー・ローダウン」をベースにブラック基調の内外装と任意に選べるアクセントカラー(オレンジまたはイエローまたはブルーから3種類)をあしらった特別仕様車を設定した。それがこの「SSアーバンブラックパッケージ」である。
SSアーバンブラックパッケージでは「プレミアム ツアラー・ローダウン」の装備加えて外装ではフロントドアガーニッシュ、ドアミラー、フロントグリル、フロントバンパー、ドアサイドモール、リアバンパーモールにアクセントカラー(オレンジまたはイエローまたはブルー)を。内装ではエアコンアウトレットリング、メーターリング、本革巻ステアリングホイールにもアクセントカラーを専用装備としてあたえ、これ以外にオールブラックの15インチアルミホイールとドリンクホルダー、センターロアボックス、足元にホワイトイルミネーションを特別装備とし、内外装でこだわりのカラーリングを与えた特別仕様車となっている。

フロントデザイン。後期型ベースのためグリル上部にメッキラインとバンパー内部にも凹型のメッキラインをプラス。バンパーのフォグランプ付近にメッキガーニッシュを追加するなど改良が加えられている。

SSブラウンスタイルパッケージでは専用装備として台形状のフロントガーニッシュに3種類のアクセントカラーを与えブラックカラーに映える顔つきとした。このほかベースモデル同様にプロジェクター式のディスチャージヘッドランプとフォグランプを標準装備する。

サイド。SSアーバンブラックパッケージ仕様としてアクセントカラーのドアサイドモールとドアミラーが与えられた。ベースモデルはローダウン仕様のため、ルーフやスポイラー、サスペンションの変更により標準モデルよりよりも65mmもダウンしている。

足元はSSアーバンブラックパッケージ仕様として、ブラック塗装の15インチアルミホイール。

リア。SSアーバンブラックパッケージ仕様としてアクセントカラーのフロントバンパーガーニッシュ、を標準装備。リアスポイラーはベースモデルと同じでローダウン仕様の大型タイプとなる。

エンジンはS07A型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンのみ。2014年5月マイナーチェンジ(中期型)でN-WGNと同じ「ツインインジェクションシステム」と「ナトリウム封入排気バルブ」を採用した改良型に置換された。この改良によりスズキの「デュアルジェットエンジン」のような直噴エンジン並の燃焼効率が得られ、圧縮比も11.8とかなり高めとなっている。ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク10.6kg・m(104N・m)/2600rpmを発生する。トランスミッションはCVTのみで、駆動方式もSSアーバンブラックパッケージではFFのみとなる。
この他アイドリングストップ機構をターボグレードにも拡大し全グレードで備え、安全装備としてはVSA(ABS+TCS+横すべり抑制)とヒルスタートアシスト機能が全グレードで標準装備。約30km/h以下での前方車両との衝突の回避・被害軽減をサポートする「City-Brake Active System(シティブレーキアクティブシステム)は「あんしんパッケージ」として全グレードにオプション設定。
前期同様ににN-ONEが優れているのはターボ。メーカーも「ダウンサイジング」と謳っているとおりかなりの高性能で、加速でいえばFITの1.3Lと同等かそれ以上に匹敵する。トルクにいたっては最大10.6kgが2600回転から発生するのだ。一昔前のドッカンターボとは違うのだが、低速からす~とのびるところは1300CCの普通車から乗り換えても不満を感じることはないだろう。

インパネ。SSアーバンブラックパッケージ仕様では外装と同じく内装もアクセントカラーが与えられ、エアコンアウトレットリング、メーターリング、本革巻ステアリングホイールが外装のアクセントカラーと同じカラーとなる。

スピードメーター。メーターそのものはベースと同じだが、メーターリングがアクセントカラーとなる。

ステアリング。SSアーバンブラックパッケージでは本革巻ステアリング下部にもアクセントカラーガーニッシュが与えられる。

このほかベースモデルと同じくパドルシフトとクルーズコントロールを標準装備する。

メーカーオプションで「ディスプレイオーディオ」を設定。カーナビ、オーディオ(Bluetoot対応)のほか、バックカメラ機能も備える。

フロントシートはベンチシートタイプ。SSアーバンブラックパッケージ仕様としてシートにもアクセントカラーが与えられる。

リアシート。200mmのスライド幅のほか、跳ね上げ式も引き続き採用。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

初代・後期型のN-ONEプレミアムに設定された「SSアーバンブラックパッケージ」は、スポーティかつ上級なツアラー・ローダウングレードをベースに個性的なアクセントカラーを与え個性やこだわりの装備をプラスした特別仕様車である。ボディカラーはシックなクリスタルブラック・パールをベースに3種類のアクセントカラー(オレンジ、ブルー、イエロー)のみとし、ブラックをベースに鮮やかな3種類の色でブラックが映えるような内外装が与えられており、より上級なN-ONEが欲しい人やワゴンRやタントなどモアスペース系とは異なる外観にこだわりたい人向けの特別仕様車といえよう。
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