2017
04/07
金

1998年10月登場の三菱・パジェロミニは「パジェロ」と名がつくことから想像できるように、クロカンであるパジェロの弟分としてデビューした。1994年に初代がデビューし、1994年にジムニーに対向する形で登場した初代・パジェロミニ。そのパジェロミニは1998年の軽自動車新規格を受けて同年の10月に2代目へとフルモデルチェンジした。
2代目ではそれまでの特徴だった丸目ヘッドライトを廃止し、オーソドックスな角型ヘッドライトを採用。新規格に対応したことでボディ形状は全長で100mm、全幅で80mm拡大するもののスタイリング(パジェロスタイル)はほぼ先代を踏襲。顔つき以外は先代とほぼ同じ外観となっている。また、モノコック高剛性ボディにクラッシャブルボディ構造とブレーキアシスト機構の採用で、当時の軽自動車としては優れた衝突安全性を誇っていた。

エンジンは新開発となる4A30型4気筒SOHC16バルブ新リーンバーンMVVエンジンと4A30型4気筒DOHC20バルブインタークーラーターボエンジンを搭載。また、先代のオートマは3ATだったが、2代目で電子制御式4ATに置換された。
(※ただし排ガス規制に引っかかりこの4気筒DOHC20バルブツインスクロールターボは2002年9月のマイナーチェンジで廃止、代わりに自然吸気エンジンをターボ化した4気筒SOHC16バルブインタークーラーターボに切り替わった。)
デビュー当初からパジェロミニはジムニーに対して「シティユース」というキャラクターを出していたがこの2代目ではそれが顕著だった。ベースモデルに対してより個性的な顔をもたせたり(パジェロミニ・デューク)、初代を彷彿とさせる丸目を用意したり(パジェロミニ・リンクス)、はたまたレカロシートを装備したスポーティーなモデルを追加したり(パジェロミニ VR-S)とまさにムーヴとムーヴカスタムの関係のようなグレード展開をSUVで行っていた。基本性能は変わらないものの見た目をアレンジし、個性的なモデルを投入することでジムニーに対抗していた。
その2代目パジェロミニは2008年9月にマイナーチェンジを行い後期型(最終型)となった。最後のマイナーチェンジではフロントのデザインが一新されたほか、リアのコンビランプを前期型までのデザインに変更。内装ではインパネとスピードメーター、シート表皮を刷新。メカニズムでもAT仕様車では減速時のロックアップ機構を追加することで燃費を若干アップさせた。

そして2009年8月。自然吸気エンジン&2WD仕様のXRをベースに装備を厳選しお買い得とした特別仕様車を設定した。それがこの「リミテッド」である。リミテッドでは自然吸気エンジン&2WD、4AT仕様の最廉価グレードであるXRをベースにオーディオとスピーカー、バニティミラーを非装備化(オプション設定)。電動格納ミラーを手動式に変更するなどして価格を抑えた。その一方でフロント&リヤ間欠ワイパーや、マルチモードキーレスエントリーシステムなどの便利装備はそのままとしベース車よりも約23万円安くしお買い得とした特別仕様車であった。

フロントデザイン。外観上の変更はなく、ベースモデルのXRと同じ。フォグランプやメッキグリルは非装備でベーシック感の強い外観となっている。

サイド。リミテッド仕様ではドアミラーが電動格納式から旧来の手動式に変更されている。その一方でキーレスエントリーは標準装備とし、必要最低限の快適装備を与えている。


足元はベースと同じくホイールキャップレスの15インチスチールホイールとなる。

リア。このあたりもベースと同じ。リミテッドなどの専用エンブレムは特になく、外観上はベースモデルとの違いはわからない。スペアタイヤ用のタイヤカバーもハーフタイプのハードカバーとなる。

エンジンは4A30型4気筒SOHCの自然吸気エンジンのみ。最高出力52ps(38kW)/6500rpm、最大トルクは6.3kg・m(62N・m)/4500rpm。XRベースのためトランスミッションは4ATのみで駆動方式はFRのみとなる。

インパネ。内装も特に変更はなく見た目上はまったく同じ。後期型の機能性を兼ね備えたデザインとなっている。ただしリミテッド仕様としてフロント&リヤ間欠ワイパーをそのままとする一方で価格を抑えるためオーディオとフロントスピーカー、バニティミラーが省略された(オプション設定化)。

スピードメーター。これもベースと同じ。

シフトノブ。4ATのみの設定のためMTはない。

駆動方式もFRの2WDオンリーのため4WDの切替レバー(イージーセレクト4WD)は非装備。

フロントシートはセパレートタイプ。後期型マイナーチェンジでブラウン系のシート表皮とドアトリムクロスに変更されいる。

リアのシートは引き続き補助的なもの。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

2代目パジェロミニの後期型に設定された特別仕様車の「リミテッド」は自然吸気エンジンでFR仕様のXRをベースに装備を厳選し価格をかなり抑えた特別仕様車である。その新車価格はパジェロミニ史上の中でも最も安い99万8000円からで、100万円を切る魅力的な価格設定となっていた。その分ターボがなかったり、パジェロミニなのに4WDが無い点や上述のとおり手動ドアミラーやオーディオレスなどベースモデルよりも簡素化された部分があるのだが、単純に100万円を切る価格帯というのは「見た目だけでもパジェロミニがほしい」というユーザーにとっては嬉しい特別仕様車であった。
スズキの3代目ジムニーにも装備を簡略化しお買い得した「クロスアドベンチャー XA」があったが、クロスアドベンチャーXAは基本性能を維持しつつ安くしたのに対し、パジェロミニ・リミテッドの場合は見た目だけパジェロミニな自然吸気エンジンとFR仕様のXAがベースのためその方向性が少し異なっている点は少し注意されたい。
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