2017
03/31
金

2014年2月に登場した日産・デイズルークス。日産と三菱の共同開発によって生まれた軽自動車で、デイズに続く第2弾のモデルである。三菱版はeKシリーズのモアスペース版として「eKスペース」。日産版ではそれまでスズキよりOEM供給を受けていた「ルークス」の後継モデルとし、デイズシーリズの意味も含めて「デイズルークス」とした。デイズよりもさらに高い天井は、ダイハツのタント、スズキのスペーシア、ホンダのN-BOXを意識したモデルとなっている。

デイズルークスは完全新設計により室内高を1400mm、室内長2235mmの広さを実現。これは2017年3月現在でスペーシア、タント、N-BOXのいずれよりも広くまさにモアスペース軽といったところ。リアシートのスライト長のクラストップレベルとなる260mmのロングスライドとし、軽乗用車としては初となる後部座席専用のリヤサーキュレーターとリアガラスのロールサンシェードを標準装備とすることで後部座席での快適性を向上させている。
外観はそれまでのルークスのイメージを踏襲するフロントメッキグリルが与えられたが、ヘッドライトは斜めの切込みと厚みを持たせボディスタイルに負けない存在感をアップ。全体のデザインそのもののも「グラスラウンドキャビン」の採用でこの手の軽乗用車にありがちな箱型感を抑えた。

インテリアは大きなウィンドウやすっきりとしたインパネなどにより開放感のある空間を演出。シート表皮も先代までとは異なる新設計で座り心地を意識したものとした。
メカニズムではNMKVが新たに開発した「バッテリーアシストシステム」を採用。スズキのエネチャージシステムに似たようなシステムで、オルタネーターを減速時の回生発電に用い、専用のニッケル水素電池に充電することでオルタネーターの発電頻度を抑制。ガソリン消費量の削減し燃費向上を果たした。
便利機能としては後部座席の天井に後部座席用エアコン吹き出し口(リヤシーリングファン)を設け快適な室内空間を実現。この機能は2017年2月現在でデイズルークスまたはeKスペースのみの装備となり、暑い日差しの真夏でも後部座席の快適性を可能とした。またアラウンドビューモニター、オートエアコンやロールサンシェード、プッシュエンジンスターター、インテリジェントキーなどを廉価グレード(Sグレード)を除いて全車に標準装備した。

そのカスタムモデルとなる「デイズルークス ハイウェイスター」をベースに日産の特装車を手がけるオーテックジャパンによるカスタムモデルがこの「デイズルークス ライダー」である。ライダーの名前が付くモデルは普通車にもあるが、軽自動車としては先代の「オッティ ライダー」、後継の「デイズ ライダー」に続く第3段でデイズと同様にデイズルークスのデビュー当初から設定。ライダー仕様として外装では専用フロントグリル、専用フロントバンパー(バンパーイルミネーション&光輝モール付き)、専用15インチアルミホイール、オーテックジャパンエンブレム。内装では専用シート表皮に専用クロムメッキフィニッシャーなどが与えられベースモデルとは異なる個性的な外観が大きな特徴となっている。
2016年12月の後期型マイナーチェンジでは、ベースモデルにあわせてデイズルークスライダーも外装パーツのデザイン変更とシート表皮などの変更が行われ前期型よりもスタイリッシュ感がアップした。このほか、ベースモデル同様にメカニズムではデイズハイウェイスターで先行していた「ハイビームアシスト」を採用。対向車とのすれ違い時やハイビーム走行時に利便性と安全性を向上させた。また、一部グレードでクルーズコントロールを標準装備とした。
便利機能としてはリヤシーリングファンにナノイーを。シートにはスピード消臭シートを搭載。エアコンフィルターも花粉・黄砂・PM2.5対応の高性能タイプとし、IR(赤外線)カットガラスと炎天下での室温上昇を抑制する「断熱ルーフ」をハイウェイスターの全グレードに標準装備。運転席ヒーター付シート&PTC素子ヒーター&リヤヒーターダクトも4WDで標準装備。2WDでオプション設定とするなど特に後部座席において女性や子供も快適に過ごせる室内空間を実現した。

フロントデザイン。ベースモデルとヘッドライトこそ同じだが、ライダー仕様として専用フロントグリル、専用フロントバンパー(フォグランプ&専用LEDバンパーイルミネーション付き)が備わる。後期型ではデザイン変更が行われ、ブラックを基調により上品さやスタイリッシュ感がアップしたデザインとなった。
ヘッドライトもベースモデル同様に後期型ではデザインを変更し、かつ周囲をインナーブラック化。眼力を強調させたデザインとした。ヘッドライトは全グレードでLED式のヘッドランプとLEDポジションランプを採用した。

さらにデイズ・ハイウェイスターで先行していたハイビームアシストを全グレードで標準装備。ハイビームとロービームを自動で切りえ対向車とのすれ違いやハイビームの積極利用で利便性や夜間の安全性を向上させている。

サイド。ベースモデル同様にサイドアンダースポイラーにインテリジェントキーを標準装備する。サイドビューのデザインはフロントからリアにかけて抜けるようなシャープなラインとドア下部からリアバンパーに流れるようなキャラクターラインでボディに厚みとサイドビューに勢いを与えた「グラスラウンドキャビン」を採用。後期ではフロントウィンドウ、フロントドア、フロントクォーターガラスに従来のUVカットガラスに加えてIR(赤外線)カットガラスをライダーの全グレードに標準装備。

スライドドアは両側に標準装備で、基本は助手席側が電動パワースライドドア(リモコン対応)、X GパッケージとGターボパッケージベースでは両側が電動パワースライドドア(リモコン対応)となる。

足元は専用デザインの14インチアルミホイール。

ボディカラーはライダー専用となるホワイトパール/ブラック2ートンとブラック/クールシルバー2トーン、ホワイトパールの3色を含む全7色を設定。

リア。ハイウェイスターと同じくリアスポイラーを標準装備。コンビランプはクリアーコンビランプでストップランプはLED仕様。ライダー仕様としてリアゲート右下にAUTECHエンブレムが付く。なお、前期型で標準装備となっていた光輝タイプの専用バックドアモールはオプション設定となった。

エンジンは3B20型直線3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類。自然吸気エンジン最高出力は49ps(36kW)/6500rpm、最大トルクは6.0kg・m(59N・m)/5000rpm。ターボ仕様では最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.0kg・m(98N・m)/3000rpm。
トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WD。安全装備としてABS、EDB、エマージェンシーブレーキ、を全グレードで標準装備。横すべり防止装置+トラクションコントロール機能の「アクティブスタビリティコントロール(ASC)」も全グレードで標準装備。燃費向上技術としてアイドリング(13km/h以下で作動)も全グレードで標準装備する。自動ブレーキの低車速域衝突被害軽減ブレーキシステムと踏み間違い防止アシスト(前進のみ)もライダーの全グレードで標準装備となる。

インパネ。ベースはハイウェイスター用のブラックインパネでライダー仕様としてはピアノ調加飾付き本革巻ステアリングホイール(ターボ仕様はクルーズコントロール付き)に

専用センタークラスターフィニッシャーを装備する。

エアコンはベースと同じくオートエアコン。

スピードメーターもベースと同じ。

アラウンドビューモニターも全グレードで標準装備となる。

フロントシートはベンチシートタイプ。格子柄ニット調の専用シート表皮となる。前期型のジャカード織り調シートから変更された。

リアシート。スライド機構付き。

リヤシーリングファン。運転席ヒーター付シート&PTC素子ヒーター&リヤヒーターダクトも4WDで標準装備。2WDでオプション設定とするなど特に後部座席において女性や子供も快適に過ごせる室内空間を実現した。

後期型ではハイウェイスターの全グレードでナノイーを搭載したリヤシーリングファンとなった。

ハイウェイスターベースのため全グレードで強い日差しなどで便利な「ロールサンシェード」を標準装備。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。
デイズルークスライダーの後期型はデザイン変更されたフロントにベース同様に追加装備となった利便性の高いハイビームアシスト、オプションでライダー専用のドレスアップパーツを設定するなど前期よりも魅力な内外装が与えられたマイナーチェンジとなった。前期型では兄弟モデルの「デイズ ライダー」に似たようなカスタムのデザインだったが、後期ではこれが完全に差別化。ハイウェイスターのさらなる上級モデル的な外観となっている。前期型に比べると特有のコテコテ感が薄くなったため、より万人受けしやすいオーテックバージョンといえ、個性を求めるユーザーにも嬉しい仕様変更といえるだろう。
ただ、燃費に関してはほとんどアップデートがなく(アイドリングストップの動作速度が9kmから13kmになった程度で)自然吸気エンジンでは前期型と変更がない。三菱ではeKシリーズの燃費不正問題を受けてデビュー当初はFFで26.2km/L(JC08モード)だった燃費を22.0km/Lへ訂正。後期型でもこれは変わっていないのだ(※ただ、ターボグレードでは修正後のFFモデルで20.6km/L→後期型で22.2km/L、4WDでも18.2km/L→後期型は20.4kmへとアップしている)。
元々軽の燃費技術では一番遅れていた三菱ゆえに仕方のない部分だが比較してみると...(2017年2月時の最新モデルでは)いずれも2WDの自然吸気エンジンという条件で、スズキのスペーシアが(マイルドハイブリッド仕様だが)2WDで32.0km/L(JC08モード)、ダイハツの3代目タントが28.0km/L(JC08モード)、ホンダのN-BOXが25.6km/L(JC08モード)となっており、eKスペースはこのいずれにも及ばない22.0km/L。このため実燃費ではリッター11~16km程度が予想され燃費を重視するユーザーはこの点は注意が必要だ。外観や内装が良いだけにこの悪い燃費に関しては残念な部分である。
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