2017
03/30
木

2006年6月にデビューした初代ステラ。ステラとはイタリア語の「Stella」に由来し、メーカー曰く「使っていただくすべての方々にとって、光り輝く存在になるようにとの思いを込めた。」とのこと。ステラは「たのしい関係空間」をテーマに子持ちの母親をメインターゲットとし、それまでのスバルには無かった広い室内空間と多彩なシートアレンジ、収納スペースなどのユーティリティが与えられたモデルである。これにメカニズムではスバル伝統もしくはお家芸ともいうべき4気筒エンジンに4輪独立サスペンション、無段変速機のi-CVT、一部モデルではスーパーチャージャーなどを組み合わせ、ただ室内が広い実用モデルにおさまらず見えないところでスバルのこだわりも感じられるモデルとなっている。

ここまで見ればステラはスバルらしい新ジャンルの軽乗用車にみえるが、実は当初から予定されていたものではなくそれよりも前にデビューしたR2の販売不信を受け、R2をベースに急ごしらえで作られた車である。そのスピードは設計から販売に至るまでわずか11か月という驚きのはやさで、プラットフォームを流用したとはいえスズキやダイハツもびっくりな短期間であった。R2の面影は(流用ゆえに)エンジンルームやインパネ、スピードメーターなどの垣間見え、R2ベースのため若干室内が同年代の他社よりも若干狭いなど初代ステラ特有の特徴があった。R2時代ではムーブやワゴンRにデザインや独自性で勝負を挑んだのだったが、結局は似たような車種を出すところに落ち着いた。軽自動車という実用性が重視される市場では、全体的に見ればスペース派の方が多くR2はそこまで大ヒットとはならなかったようである。
そのカスタムモデルである「ステラカスタム」はダイハツ・ムーブでいうところのムーブカスタムに相当する車種で、外観に専用パーツを用いてスポーティー仕立てたモデルである。もちろんライバル同様に過給器モデルを設定し、加えて初代ステラでは伝統の4輪独立懸架サスペンションによる乗り心地の良さが特徴であった。
そして2008年5月、スバル車の発売50 周年を記念して発売された特別仕様車がこの「Rリミテッド」である。RリミテッドではカスタムのRグレードをベースにGD系インプレッサSTIやその他のスポーティーなグレードのみに設定されていたスバル・ブランドカラーのWRブルー・マイカを専用色として設定。外装ではHIDヘッドライト、キーレスアクセス&キーレススタートシステム。内装では独立3眼エレクトロルミネセントメーターに本革巻ステアリングホイールに本革巻きシフトレバーを標準装備とし、スポーティーな印象を高めた特別仕様車となっている。

フロントデザイン。ベースはカスタムモデルの最廉価であるRグレード。外装上は特に変化がないのだがリミテッド仕様としてRグレードでは非装備だったディスチャージヘッドランプを標準装備とした。設定当初はRリミテッドは特別仕様車の扱いだったが2008年11月の一部改良でカタロググレードに昇格。

2009年11月のマイナーチェンジ(D型)の後期型マイナーチェンジではメッキグリルとフォグランプまわりとアルミホイールのデザインを変更し、前期よりも力強さやスタイリッシュ感、もしくは精悍なイメージを与えた。

サイド。このあたりはベースと同じ。リミテッド仕様として写真色のWRブルー・マイカを専用設定し、キーレスアクセスと

電動格納リモコンミラーを標準装備とした。

ちなみにWRブルー・マイカは前期型では特別仕様車の「カスタムRS Sエディション」のみに設定されていが、後期型ではスーパーチャージャー搭載のカスタムRSに標準設定となった。

足元は14インチアルミホイール。後期型(2009年11月)以降ではアルミホイールのデザインが変更される。

リア。このあたりは特に変更点はなくベースモデルと同じ。ルーフスポイラーは2008年11月(C型)マイナーチェンジで新形状となっている。設定当初の前期と2009年11月以降(後期)のモデルとではコンビランプに違いがあり、前期はシルバー塗装。後期はメッキ処理が施される。ちょうどGD系インプレッサの鷹目前期と鷹目後期の違いに似ている。

エンジンはEN07型直列4気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力54ps(40kW)/6400rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4400rpm。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WD。ABSは標準装備となる。

インパネ。デザインそのものはベースと同じ。リミテッド仕様としてステアリングが本革巻ステアリングホイールを変更。

スピードメーターはリミテッド仕様としてスーパーチャージャー仕様のRSと同じ独立3眼エレクトロルミネセントメーターを標準装備。

エアコンはマニュアル式。

フロントシートはベンチシートタイプ。シートに関してはベースモデルと同じ。後期型では新シート表皮のが採用され若干異なる。

リアシート。スライド機構付き。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

初代・ステラに設定されたRリミテッドは自然吸気エンジンながら最上級のRSのようなスポーティーな内外装が与えられた特別仕様車である。特に専用色の「WRブルー・マイカ」は特有のスポーティーな雰囲気を持っており本来であれば特別仕様車の「Sエディション」以外では選択できなかったが、これが手頃な自然吸気エンジン仕様でも選択できた点がホットなモデルであった。それ以外でも過給器が付かない以外はRSとほぼ同じ外観のため価格を抑えた見た目だけスポーティーな仕様となっていた。
Rリミテッドは特別仕様車として設定後はカタロググレードに昇格。2009年11月の後期型ではWRブルー・マイカがRSでも選択可能となったが、ノーマルのRグレードでは引き続き非設定だったため、過給器の有無が関係なくWRブルー・マイカ色の初代ステラが欲しい場合はこのRリミテッドを選択肢とするといいだろう。
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