2017
03/29
水

2007年12月にフルモデルチェンジし、2代目となったダイハツ・タント。2代目は先代よりも親しみやすくなったデザインに、先代よりも広くなった室内空間、軽自動車としては初となるセンターピラーレスの「ミラクルオープンドア」の採用が大きな特徴だ。
初代タントのデザインはどちらかというとベーシック寄りのデザインで、あまり可愛らしいものとはいえなかったが、2代目では先代のイメージを踏襲し、主要ユーザーであるママ層をメインターゲットにベーシックでありながら可愛らしい外観となりより女性向け感を強めた。快適装備としては助手席から後部ドアにかけてセンターピラーを排除(センターピラーレス)とスライドドアの初採用(ミラクルオープンドア)で利便性が大幅向上。特に子供の乗り降りや買い物時の荷物の出し入れなどに大変便利で、タントの人気上昇につながった。またスライドドアもイージードアクローザーを上級グレードで標準装備し、キーフリーシステムを採用するなど安全性や利便性を向上させている。

室内空間は初代でも驚きの広さだったが2代目ではそれをさらに拡張。室内長は2160mm、室内幅は1350mm、室内高は1355mmを確保し、ゆとりの室内空間を実現した。
エンジンは初代と異なるKF型の自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を設定。ただし、初代ではモデル前半でノーマルタントにもターボモデル(タントRS)があったのに対し、2代目ではタントRSを完全廃止。ターボエンジンはカスタム専用となった。トランスミッションも従来では3ATの設定があったがこれを4ATに置換。また、上級グレードではCVTも設定され燃費向上と巡航時の静粛性アップにつながった。
2代目タントのモデルの構成はベーシックでファニー寄りな顔つきのタントと、スポーティーと上級感あふれるタントカスタムの2本立て。初代のタントカスタムはモデル中盤から追加設定となったが、2代目タントカスタムではノーマルタントと同時デビューとなった。タントカスタムは初代と同じくノーマルタントに対し専用ヘッドライト、専用メッキグリル、専用バンパー、専用コンビランプにフルエアロで外観をスポーティーにあしらい、内装でもブラックインテリアと専用シート。タコメーター付き専用スピードメーター等でノーマルと差別化を行なったグレードである。特に2代目においてはノーマルが女性向けモデルになったため、タントカスタムの方は主に男性向けとされていた。

その2代目タントに2008年12月。ベーシックなLグレードをベースに人気の高いパワースライドドアなど子育て女性に嬉しい実用性の高い機能を充実させつつお買い得とした特別仕様車を設定した。それがこの「ワンダフルセレクション」である。ワンダフルセレクションでは最廉価グレードのLをベースにLグレードでは非設定だった電動パワースライドドア(イージードアクローザー付き)を標準装備。これ以外にも外装ではフロントに撥水ドアガラス。フロントウィンドウにはIR&UVカットガラス、電動格納式カラードドアミラーを標準装備。内装ではブラウンカラーの専用シートカラーを与え、便利機能としてはチルトステアリング、アジャスタブルショルダーベルトアンカー、運転席シートリフター、キーフリーシステム(イモビライザー機能付き)など豪華装備を与えつつ価格を抑えた特別仕様車となっている。

フロントデザイン。ワンダフルセレクションでは専用の外装パーツは特になく、見た目は他のグレードとまったく同じ。ただし見えない部分ではワンダフルセレクション仕様としてフロントウィンドウをIR&UVカットガラスとし機能性を高めている。

サイド。このあたりもほぼベースと同じ。ワンダフルセレクション仕様として電動格納式カラードドアミラーを標準装備し、フロントガラスは撥水ドアガラスとなる。

助手席側は2代目タントから採用された「ミラクルオープンドア」。非常に開放的な機能で乗り降りや荷物の出し入れなどに便利な機能となる。ワンダフルセレクション仕様として最上級のXリミテッドのみに標準装備だったパワースライドドア(イージードアクローザ付き)を標準装備とした。

ミラクルオープンドアによる高い利便性は2代目タントの中でも特に評価が高い部分だ。

セキュリティーアラームはベースと同じく標準装備。

足元は13インチフルホイールキャップとなる。

リア。このあたりもベースと同じ。特に専用エンブレムの装着はない。

エンジンはKF型直接3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力58ps(43kW)/7200rpm、最大トルク6.6kg・m(65N・m)/4000rpm。トランスミッションはLグレードベースのため4ATのみ。駆動方式はFFまたは4WDとなる。この他ABS(EBD&ブレーキアシスト付)もLグレードベースのためオプション設定となる。

インパネ。外観上はベースのLと同じだが、ワンダフルセレクション仕様としてステアリングにチルト機構とキーフリーシステム(イモビライザー付き)が追加されている。

インパネ右側にはパワースライドドアのスイッチが追加された。

スピードメーター。ベースと同じセンターメーター&ベーシックな1眼タイプ。

エアコンはLグレードベースのためマニュアル式エアコン。

フロントシートはベンチシートタイプ。ワンダフルセレクション仕様としてシートカラーが専用のブラウンカラーに変更されている。このほかワンダフルセレクション仕様として運転席シートリフター、アジャスタブルショルダーベルトアンカーが標準装備となる。

リアシート。スライド機構付き。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

2代目タントの前期に設定された特別仕様車、「ワンダフルセレクション」は最廉価のLグレードをベースに外装ではパワースライドドアやIR&UVカットガラス、撥水ドアガラスを。内装ではブラウンシートにチルトステアリングや運転席シートリフター、キーフリーシステムなど利便性と快適性を向上さつつ価格を抑えたモデルである。この追加装備で新車価格はLグレードよりも約16万円アップの約124万円~としたものであった。一つ上のパワースライドドアが付かないXグレードに比べると約2万円アップ。最上級でCVTとパワースライドドアが付くXリミテッドからは9万円安い価格設定で、ベースモデルよりは高くなったがパワースライドドアを考慮するとお買い得な特別仕様車となっていた。
中古市場では特別仕様車のため2代目タントの中でもあまりタマ数が少ないが、利便性の高いパワースライドドアが標準装備となっているため、パワースライドドア付きのグレードを探す際のひとつの選択肢となるだろう(※ただしABSがオプション設定で、タマによって装備or非装備な点に注意)。パワースライドドアは子供を乗せて駐車場に止めドアを開ける際に隣の車のドアと接触する心配がなかったり、雨の日の乗り降りでも傘をたたむことなく乗れたり、また大きな荷物もリアに回らずサイドから搬入できるなど実用性の高い軽自動車との相性は非常に高い装備品。街乗りで子供を乗せるケースがある場合は中古車でもパワースライドドアがあると色々と便利だ。
なお、燃費に関してはエンジンのアップデートやCVT搭載前の廉価グレードベースとなるため2代目タントの後期型よりもあまり良くない。この点は燃費が気になるユーザーは少し注意されたい。
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