2017
02/21
火

2009年10月にフルモデルチェンジし、7代目となったスズキ・アルト。7代目の大きな特徴は愛嬌たっぷりのデザインと低燃費化が大きなテーマである。それまでのアルトとえいば歴代のミラと同じくどこか保守的かつベーシックなデザインが与えられていたが、この7代目ではヨーロッパ車を連想させるような顔つきに曲線を意識したボディラインが与えられた。
7代目のアルトでは高張力鋼板の採用や、ボディー鋼板の板厚の見直しなどにより剛性をたかめつつ軽量化を実施。さらに先代では直線ラインが多く空気抵抗も大きいものだったが、7代目では風洞実験とコンピューター解析により、空力性能を配慮したボディーを採用した。
エンジンは先代と同じK6A型を引き続き採用したが、VVT機構を全グレードで採用し燃焼効率をアップ。これに上級グレードでは副変速機付きCVTを採用したことでFFのCVTモデルで24.0km/リットル(10.5モード)を実現。また、CVT以外のAT仕様車では全グレードで4ATを採用。加えてロックアップ領域を拡大させることでATのFFでも22.5km/L(10.5モード)の燃費を達成した。

インテリアは親しみやすさをテーマに丸みとやわかなフォルムを与え、横基調のデザインとすることで室内の広さを表現。収納スペースもインパネトレー、大型グローブボックス、ショッピングフック、前席3個、後席2個のドリンクホルダー、インパネアンダートレー、フロントドアポケットなど日常の街乗りなどを考慮し豊富に設定した。
この他便利&安心機能として上級グレード(Xグレード)にはキーレスプッシュスタートシステムとイモビライザーを。Eグレードを除くほぼ全グレードでセキュリティーアラームを標準装備。安全装備としては衝突安全ボディのTECT(テクト)を採用した。
その7代目アルトに2010年5月に追加設定となったのが本稿で扱う「G4」グレードである。G4ではミドルグレードのGをベースに駆動方式を4WDに限定。それまで上級グレードのXのみに標準装備だったキーレスプッシュスタートシステムとイモビライザーを標準装備したほか、同じく上級グレードのXのみだったリアシートの分割機構を採用。日常の使い勝手をミドルグレードながら高めつつ、求めやすい価格としたグレードだ。このほか4WD仕様に伴い運転席シートヒーター、ヒーテッドドアミラーも標準装備となる。なお、このG4グレードの登場によりそれまで設定されていたXグレードの4WDとGグレードの4WDをこの「G4」として集約した。

フロントデザイン。外観上は特に変更はなく、ノーマルと同じ。7代目アルトは特徴的な紡錘形のヘッドライトに親しみやすいバンパーなどそれまでのアルトとは異なるスタイリッシュな外観が特徴だ。

サイドから。ホイールベースは先代の2360mmから40mm拡大し、2400mmに。室内の広さは先代(6代目)と室内長以外は同じの1835✕1260✕1240mmを確保。室内長はわずかに5mm短くなったが、背の低いハッチバック型にしては広い部類で、その前の5代目と比較しても1700×1220×1200mmと、室内長は十分な広さとなっている。フロントからルーフにかけてのボディラインも空力を意識した流れるようなラインを描いていおり、この点も先代とは大きく異る点である。

キーレスエントリーも標準装備。ドアミラーは4WD仕様に伴いヒーテッドドアミラーとなる。

足元は13インチフルホイールキャップ。

リア。コンビランプは先代と同じ位置だが、ボディスタイルにあわせてスタイリッシュな異型台形となっている。ダイハツのミラとは異なり、バックゲート右側の「ALTO」はエンブレムタイプ。

エンジンはVVT付きのK6A型直線3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。トランスミッションはCVT(副変速機内蔵)のみで駆動方式も4WDのみとなる。

インパネ。アルトは先代の6代目からインパネのデザインが良くなったが、7代目では丸みと直線を組み合わせ親しみやさと室内の広さを表現した。収納スペースもインパネトレー、大型グローブボックス、ショッピングフック、前席3個、後席2個のドリンクホルダー、インパネアンダートレー、フロントドアポケットなどを設定。

スピードメーター。タコメーター無しのシンプルなデザイン。

G4ではそれまで上級グレードのみだったキーレスプッシュスタートシステムとイモビライザーを標準装備。

シフトノブはフロアシフト。7代目までがこのフロアシフトタイプで、この後の8代目アルトではインパネシフトに変更される。

フロントシートはセパレートタイプ。4WD仕様のため運転席側にシートヒーターを標準装備。

リアシート。G4ではそれまで上級グレードのXグレードのみだったリアの分割式シートを採用した。廉価グレードやベーシックグレードではこのシートがバンタイプと同じ一括可倒式となることが多いため、この部分は便利なポイント。なお、リアシートのスライド機構は非装備。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。分割可倒式のため、荷物に応じて半分だけたたむなど利便性を向上させた。

7代目アルトのG4グレードは、上級グレードのみの装備だったキーレスプッシュスタートシステムやリアシートの分割可倒式を採用して利便性を高めたグレードである。雪国などで嬉しい4WD仕様という点もポイント。というのは雪国では最低地上高が低く、タイヤの小さいアルトのような軽乗用車でも4WDは人気なのである。「G4」グレードは価格的的にも手の出しやすい真ん中のグレードをベースに4WDと上級装備を組み合わせ価格はそれまでの上級なXグレードの4WDも少し安く設定し(新車価格は4WD仕様のCVTでありながら約111万円)、お買い得感と充実装備でアルトの魅力アップさせたものであった。
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