2013
02/10
日

2012年11月にデビューしたホンダのN-ONE。N-ONEは、N-BOX、N-BOX+に続くNシリーズの第3弾となるこの車は、かつてのホンダの軽乗用車、「N360」をモチーフにしたデザイン性の高いモデルとして生まれた。年配の人には懐かしく、若い人には新しく感じる個性的なデザインは、ライバルのワゴンRやムーヴ、アルトやミラとはデザインの方向性が異なるモデルだ。輸入車ではビートルやミニ、フィアットなど往年の名車を現代風にアレンジして復活させている例があるが、ホンダのN-ONEもそれを思わせるものであった。
その個性的な外観に加えインテリアでは大人4人がくつろげる室内空間を実現。エンジンは新開発となるS07A型エンジン(※Nシリーズで共通)を採用し、ターボモデルにおいてはクラストップレベルの高トルクとなっている。トランスミッションもCVTを使用し、ライフやゼスト時代よりも燃費を向上させた。また、軽量化や高剛性を両立させたボディに専用サスペンションの採用で安定した走行性能と優れた静粛性を実現している。
安全技術としては横滑り防止装置のVSAを全グレードで標準装備とし、エマージェンシーストップシグナルとヒルスタートアシストも全グレードで標準装備とした。
モデル構成は「ノーマル」とカスタムモデルに相当する「プレミアム」の2種類。プレミアムではノーマルモデルよりも上級な内外装により名前通りのプレミアム感を演出。個性的な外観に加えて上級装備により「プレミアムな軽乗用車」としての魅力を高めたグレードだ。さらにノーマルモデルでもターボエンジンを搭載したグレード(ツアラー)を用意し、自然吸気エンジンのベーシックなモデルからターボエンジンで上級装備の「プレミアム ツアラー」まで多彩なグレード展開となっている。

フロントデザイン。丸型のヘッドライトとヘッドライト全体を覆うような黒のグリルで特徴的なデザインとなっている。生き物の顔のようなデザインでかなり個性的だ。ワゴンRやムーヴ、ミラやアルトといったベーシックなモデルでは決して見られないもので、シンプルだが気に入れば長く愛せそうなデザインとなっている。

なお、ターボモデルではフロントグリル開口部が拡大される。

自然吸気エンジンのG・Lパッケージとターボエンジンのツアラー・Lパッケージではプロジェクタータイプのディスチャージヘッドライトを標準装備。

横からのスタイリングも独特。3代目MRワゴンと全高が似ているのだが、リア周りが斜めに落ちていることでムーブやワゴンRとは違った感じになっている。背の高いアルトやミラといったところだろうか。便利装備として全グレードでHondaスマートキーシステム(ボタンプッシュで施錠の開閉)を標準装備。スーパーUVカットフロントドアガラスとターンランプ付きドアミラーはG・Lパッケージとツアラー・Lパッケージに標準装備。

足元はノーマルモデルでは基本はフルホイールキャップ。

ターボの最上級グレード、「ツアラー・Lパッケージ」では14インチアルミホイールが標準装備となる。この他、ターボモデルではフロントスタビライザーとフロントベンチレーテッドディスクブレーキを標準装備。

ボディカラーは白や赤、イエローにブラックなどの基本7色に加えて、ルーフとドアミラーをホワイト化した2トーンカラーを設定。ツートン仕様では赤系のミラノレッド&ホワイト、黄色系のプレミアムイエロー・パールⅡ&ホワイト、水色系のイノセントブルー・メタリック&ホワイト、桃色系のプレミアムピンク・パール&ホワイト4種類が設定される。さらにLパッケージグレードではアウタードアハンドルがメッキ化される。

リア周りも凝っていて、プレミアムグレードならコンビランプが高級風になる。ストップランプもふちを覆うように長方形に光り、他車との違いがよく分かるデザイン。リアは斜めの傾斜が与えられたことで背が少し高いながらも乗用車のような雰囲気を出している。なお、安全装備として「エマージェンシーストップシグナル」を全グレードで標準装備とした。

エンジンはS07A型の3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類。自然吸気エンジンは最高出力58ps(43kW)/7300rpm、最大トルク6.6kg・m(65N・m)/3500rpm。ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最高トルク10.6kg・m(104N・m)/2600rpm。トランスミッションは全グレードでCVTのみ。駆動方式はFFまたは4WDとなる。さらに自然吸気エンジンではアイドリングストップシステムを搭載し、VSA(車両挙動安定化制御システム)とHSA(ヒルスタートアシスト機能)がほとんどのグレードで標準装備となっている。VSAは雪国などで心強い装備だ。
特にN-ONEが優れているのはターボ。メーカーも「ダウンサイジング」と謳っているとおりかなりの高性能で、加速でいえばFITの1.3Lと同等かそれ以上に匹敵する。トルクにいたっては最大10.6kgが2600回転から発生するのだ。一昔前のドッカンターボとは違うのだが、低速からす~とのびるところは1300CCの普通車から乗り換えても不満を感じることはないだろう。

インパネ。ベーシックかつレトロ感あふれるデザインで、外観と同じく洗練されたデザインとなっている。

最上級ターボモデルのツアラー・Lパッケージではステアリングにパドルシフトとクルーズコントロールが備わる。

スピードメーター。全グレードで3眼タイプを採用し、スポーティーな印象。

メーターは「コーチング機能」によりエコ運転を視覚的にサポート。また、「ECONスイッチ」によりエコ運転モードも備える。

フロントシートはベンチシートタイプ。G・Lパッケージとツアラー・Lパッケージではサイドカーテンエアバッグシステムを標準装備。

リアシート。スライド機構のほか、

跳ね上げ式を採用。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒してフルフラットにした状態。
初代・N-ONEの前期型は、個性的な外観に適度に広い室内。ノーマルモデルでもターボエンジンを備えるなどベーシックさと日常でのタウンユースをも考慮した個性と使い勝手を両立させたモデルである。特にN-ONEのお勧めはターボを搭載した標準グレードのツアラー。プレミアムのツアラーになると値段がグッとあがるが、普通のツアラーなら少しの価格アップで高性能なターボが付いてくる。ワゴンRやムーブ、タント、パレットなど背が高くて皆おなじに見える車に飽き飽きしていた人には、このN-OMEはとても魅力的なモデルにみえるはずだ。
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