2017
02/06
月

2016年12月に登場したスバル・シフォン。スバルの軽自動車は2009年9月からディアスワゴン(アトレーワゴンのOEM)を筆頭に順次ダイハツ製のOEMモデルに切り替わっていたが、全ての軽自動車がOEM供給されず、既存モデルの後継かもしくは新ジャンルなど特定モデルのみとなっていた。しかしながら軽自動車の競争激化を背景に2016年8月、富士重工業(スバル)はダイハツ工業との連携強化の発表があった。スバル側は車種を増やして顧客ニーズに対応。ダイハツ側は販路拡大による販売台数の積み増しを目指したものであった。その第1段として登場したのがこの「シフォン」でる。

シフォンはダイハツの3代目・後期型タントのOEMモデルとなり、この手の背の高い軽自動車(モアスペース系の軽自動車)としてはルクラ(タントエグゼのOEM)以来の登場となった。ルクラが供給された当初はあえてタントを選ばず、スバルブランド用にダイハツとは差別化がなされていたが、今回は人気モデルのストレートなOEM供給となっている。
スバル・シフォンでは内外装は特に差別化はなされずエンブレム程度の変更となる。グレード構成も非常にシンプルで、ノーマルグレードはベーシックな「L スマートアシスト」とミドルグレード「G スマートアシスト」(※ダイハツ版では「G SAⅢ」グレードではなく「X SAⅢ」グレードに相当)の2種類のみ。名前からも想像がつくように共にスマートアシスト搭載グレードのみとなる。また、ノーマル顔のターボグレードであるXターボなども未設定となっている。

シフォンはスバルの軽乗用車としては初となる両側スライドドアに加え、タント譲りのミラクルオープンドアの採用と1940mmの大開口部を実現。使い勝手や圧倒的な室内空間の広さなどこれまでのスバルの軽乗用車にはなかったジャンルとなっている。

安全装備でもスマートアシストⅡを進化させたスマートアシストⅢを全グレードで標準装備。スズキに先行されていたステレオカメラ式の自動ブレーキをシフォンでも採用することで作動領域の拡大や今まで不可能だった歩行者などへの緊急ブレーキの作動を高めた。特に緊急ブレーキはスマートアシストⅡの対車両で約4~50km/hだったものが約4~80km/hにパワーアップ。街乗りから郊外まで実用性が高くなった。また、ステレオカメラを用いたハイビームアシストも同時に採用し、自動ブレーキ面でも強化されたモデルとなっている。

フロントデザイン。3代目・後期型のタントがベースモデルとなる。ただし、上述のとおりステラのような専用パーツの装着は一切なく、エンブレムのみの変更となる。ベースと同じくベーシックだが切り込みの大きいヘッドライドによりスタイリッシュな顔つきだ。

メーカーオプションではLEDヘッドライドを設定。

フロントガラスはUV&IRカット機能付ガラスとなる。

サイド。このあたりもベースと同じ。スライドドアは両側に付き、Lスマートアシスト以外のグレードで左側がパワースライドドアとなる。さらにメーカーオプションでは右側パワースライドドアを選択可能だ。

スライドドアはLスマートアシストを除いてイージードアクローザーが両側に標準装備となる。このほか、助手席ピラーレスとしたタントでおなじみ「ミラクルオープンドア」はLとGの両方に標準装備となる。

足元は14インチフルホイールキャップ。

リア。こちらもエンブレム以外はベースと同じ。スバル仕様では六連星エンブレムがリアハッチ中央に。右下には車名の「CHIFFON」エンブレムが付く。さらにエマージェンシーストップシグナルも全グレードで標準装備。

エンジンはKF型直列3気筒自然吸気エンジンのみ。52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。この他VSC&TRCとアイドリングストップ、ABS、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドシステムが標準装備となる。
安全装備としては自動ブレーキのスマートアシストⅢを全グレードで標準装備。単眼カメラ+レーザーレーダーだったスマートアシストⅡからステレオカメラによる認識に変更し、制限対象や認識範囲が拡大した。衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ機能では対歩行者を追加。このほか車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能、AT誤発進抑制制御機能、新機能のハイビームアシストなどベースと同じく盛りだくさんの機能が搭載されいる。

動作範囲やスピードに関しては以下の通り。

ただし先行していたスズキに対し、被害軽減ブレーキの速度が80km(スズキは100km)など若干劣る内容となっている。

インパネ。こちらもベースと同じくステアリングの六連星マーク以外は同じ。

オプション設定で、カスタム用のブラックインパネが設定されている。

スピードメーター。ノーマル、ブラックインパネの両方でスピードメーターはタコメーター無しのシンプルタイプ。自発光式タイプでエコインジケーター付き。

エアコンはGグレードでオートエアコン。センタークラスターはシャインブラックカラー。

Lグレードではマニュアル式エアコンとなる。

エンジンスタートはプッシュスタート式。パワースライドドアのスイッチもインパネ右側に集約。

ベース同様に12もの収納スペースを設け利便性を向上させている。

フロントシートはベンチシートタイプ。このシートもベースと同じ。

ブラックインテリア選択時はブラックシート表皮となる。

リアシートはスライド機構付き。

後部座席には全グレードでロールサンシェードを標準装備。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

リアガラス内側にはリアアンダーミラーを全グレードで標準装備とした。

スバルのシフォンは、スバルの軽乗用車史上初となる両側スライドドア付きのトールワゴンである。内外装ではスバル版の専用装備が無く、ステラと比較すると個性は薄いのだがモデルそのものはよく出来ており室内空間やミラクルオープンドアなどの使い勝手の良さにパワーアップした自動ブレーキのスマートアシストⅢなど売れ筋とだけあって抜かり無い魅力的な装備や機能が魅力的なモデルである。売れ筋のダイハツ版であれば街でよく見かけるモデルなため、ここはあえてOEM版のシフォンを選ぶという選択肢もアリなのかもしれない。
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