2017
01/16
月

2016年9月に登場したダイハツ・ムーヴキャンバス。ムーヴと名前が付くことから想像できるように、ムーヴキャンバスはムーヴの派生モデルとして誕生した。かつてのムーヴの派生モデルといえばスクエアボディにカクカクシカジカのキーフレーズが有名な「ムーヴコンテ」や、丸目ヘッドライトと丸いボディでキュートに仕上げた「ムーヴラテ」などがあったが、ムーヴキャンバスでは同年代の6代目ムーヴよりもわずかに高い全高とムーヴシリーズ初となるスライドドアを装備した軽自動車として誕生した。
主な販売ターゲットは「親と同居する独身女性」。近年の晩婚化や若年離婚、独身女性の増加に伴い、実家ぐらしの女性が増えていること、また世帯内で車を共有することが増えているという使用実態をムーヴキャンバスで反映。若い女性に好まれそうな愛嬌あるデザインとツートンカラーに加えバリエーションとしてモノトーンカラーも設定し、若い女性以外の年代層でも親しみやすいデザインとした。キャッチフレーズは「できるミニバス」で、ムーヴキャンバスでは上記の市場背景を外観や内装に反映し、デザイン性と機能性を両立した新感覚のスタイルワゴンとして、自身のライフスタイルを楽しむ女性に寄り添う軽自動車としている。

メカニズムでは6代目ムーヴのDサスペンションやDモノコックなどを採用しフラットで快適な乗り心地と操縦安定性を実現。また、電動パワーステアリングの制御によってステアリングの操舵力を最適化。市街地での取り回しや駐車場での切り返しの利便性を向上した。エンジンは第2世代KF型エンジンにミライーステクノロジーの「樹脂化ボディ」、「高着火スパークプラグ」、「低フリクションエンジンオイル」、「CVT制御の最適化」などを採用。背の高いモデルながらFFで28.6km/L(JC08モード)の低燃費を実現した。また、自動ブレーキはグレード別で「スマートアシストII」を採用。カメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせて衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載した。この他ヒルホールドシステム、エマージェンシーストップシグナルを全グレードで標準装備とした。
そのムーヴキャンバスのカスタムモデル的なグレードとなるのがこの「メイクアップ」である。メイクアップではノーマルに対しメッキパーツを用いて外装をドレスアップ。内装でもインパネは「インテリアアクセントカラー」により個性を与えシート表皮をソフトタッチの専用品とし、ノーマルよりも質感や上質感をアップさせたモデルとなっている。

フロントデザイン。ムーヴキャンバスではシンプルかつおおらかな面構成による丸みのシルエットでナチュラル感を演出。ヘッドライトは愛嬌感の高い楕円形とし内部のリフレクターを丸型とすることでキュートな目を表現。グリルやバンパー開口部もシンプルに丸みのかかった台形とその逆台形で口のようなデザインとなっている。パット見は2代目タントの顔つきに近いが、ムーヴキャンバスはヘッドライトを大きくとることでそれに可愛らしさを120%ぐらい追加したようなデザインである。メイクアップ仕様ではこれにバンパーメッキモールとフォグランプメッキガーニッシュが追加されよりスタイリッシュ感がアップ。

GグレードではLEDヘッドランプを標準装備。

GグレードのLEDヘッドライトは軽自動車初となる「ステアリング連動ヘッドランプ」となり、進行方向にヘッドライトが追従。夜間での安全性を向上させた。

サイド。フロントドアにはUVカットガラスを全グレードで標準装備。最上級のGグレードではこれがスーパーUV&IRカットガラスとなる。パット見はタントに見えるのだが、全高は6代目ムーヴの1630mmよりもわずかに高い1655mm。3代目タントは1750mmなのでおよそ100mm程度低い。そのためタントにあったような背高ノッポ感がなくなり、独特のフォルムとなっている。メイクアップ仕様ではアンダースポイラー付近にメッキサイドモール、メッキドアアウターハンドルが備わる。

ボディカラーは帯状に塗り分けた2トーンカラーの「ストライプス」が8色とモノトーンカラーの9色とで全17色を設定。ストライプスはそれまでのルーフを中心とした2色ではなく、パジェロミニの「3WAYツートン」ようなボディ中央とそれ以外を塗り分けたオシャレなカラーリングで、若い女性向けにホワイトを用いたポップなカラーから男性受けしそうなグレーを用いたシックなカラーまで8色を用意。ツートンカラー選択時にはかつてのワーゲンバスのような雰囲気となる。

セキュリティーアラームは全グレードで標準装備。

リアドアはタントと同じく両側スライドドアを採用。パワースライドドアはXリミテッドとGグレードで標準装備となる。タントと異なるのはセンターピラーレスとはならない部分で、これは乗り降りではなく荷物の出し入れをメインとしたためとしている。スライドドアは乗り降り用途以外に、例えば後部座席に荷物を積み込むときにも重宝する。両手がふさがりやすい状態でも比較的用意に荷物を詰めるし、開口部がフロントドアに近いため、リアの位置まで移動せずともすぐに荷物を積めるなど利便性がかなり高い。

足元は廉価グレードで他モデルと共通のフルホイールキャップ。

Xグレード以上でオシャレなデザインフルホイールキャップとなる。

リア。3代目タントと同じくコンビランプを両サイド中央に配置。ストライプカラーではバックドアがホワイトまたはグレー。バンパーの下部もホワイトまたグレーとなる。メイクアップ仕様ではコンビランプがクリアータイプに変更。リアバンパーにもバンパーメッキモールが追加される。

エンジンは第2世代KF型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpmを発生。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。低燃費化に際しミライーステクノロジーから「樹脂化ボディ」、「高着火スパークプラグ」、「低フリクションエンジンオイル」、「CVT制御の最適化」などを適用。背の高いモデルながらFFで28.6km/L(JC08モード)の低燃費を実現した。また、自動ブレーキはグレード別で「スマートアシストII」を採用。カメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせて衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載した。この他ヒルホールドシステムを全グレードで標準装備とした。

インパネ。メイクアップでは中央部にアクセントカラーとして「インテリアアクセントカラー」(ボディカラーと同色)が与えられる。この他外装と同じようにメイクアップではシフトノブボタン、シフトゲートリング、エアコンレジスターノブ、インナードアハンドルがメッキ化さえる。

メイクアップではセンタークラスターがクリアベージュカラーとなる。

スピードメーターは自発光式メーターで、タントと同じくセンタメーター式を採用。

Gグレードではタコメーター付き。

ムーヴキャンバスではアラウンドビューモニターをダイハツ車初設定。オプション設定となるが4箇所のカメラで上から見下ろしたような映像をナビに表示。駐車以外に狭い道でのすれ違いや見通しの悪い交差点で活躍する。

女性に嬉しい収納スペース(ポケッテリア)は、普通車顔負けの装備内容。

フロントシートはベンチシートタイプ。プレーンで飽きのこないデザインに加えメイクアップではソフトタッチ調のシートとなる。このほか運転席シートリフターを標準装備。

リアシート。スライド機構付きで240mmのスライド幅となる。

オプション設定の「ブラックインテリアパック」を選択するとブラックシートとなる。

ムーヴキャンバスでは国産車初となる後席シート下収納の「置きラクボックス」を採用。シート下にスライド式の収納ボックスを格納することで、後部座席のシート上に載せたくない荷物を容易に載せられるようにした。また、置きラクボックスは中敷きを設け、少し高さのある荷物(バッグなど)も安定して載せられるようにした。乗り降りよりも荷物の積載性をメインとしたムーヴキャンバスらしい装備である。

ラゲッジルーム。こちらもひと工夫あり、

ラゲッジルーム下にはラゲッジアンダーボックスを設け、背の高い荷物を載せられるようにした。

リアシートを倒した状態。

ムーヴキャンバスは愛嬌ある顔つきやボディスタイル、個性的なカラーリングに利便性の高いスライドドアや置きラクボックスなど実用性とスタイリングを兼ね備えた軽自動車である。メイクアップではノーマルよりもワンランクアップしたスタイリッシュな内外観にアクセントカラーのインパネなど、ノーマルよりもさらに魅力がアップしている。それまでのムーヴやタントでは主に実用性がメインとなっていたが、ムーヴキャンバスでは独特の個性がプラスされムーヴやタントとは方向性が異なるモデルになっている。スズキでいうとハスラーあたりから実用性に個性をプラスしたモデルが大ヒットになっているが、ダイハツでもキャストに続いて個性的な外観を採用した形となった。
ジャンル的にはかつてのムーヴラテやムーヴコンテの後継となりうるモデルで、特に丸目ヘッドライトに丸いボディのムーヴ・ラテ クールからであれば確実に乗り換え需要を狙えそうな1台。またカラーリングによっては意外と男性もイケそうな部分もあり、その独特の外観に機能性を兼ね備えたパッケージングは、それまでの実用性一辺倒だった軽自動車の概念を取り払う革新的なものになるかもしれない。
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