2017
01/04
水

1999年3月登場のダイハツ・ミラジーノ。初代のミラジーノは先にデビューした5代目ミラをベースにクラシック風の外観と内装をまとわせたモデルである。
ターゲットはクラシック志向層。この手のパイオニア的存在であるスバル・ヴィヴィオ ビストロの大ヒットにより1990年代中盤ではホンダを除くスズキ、ダイハツ、三菱、マツダの各社が後追いする形で既存モデルをベースとしたクラシック風モデルを展開していた。そこから軽クラシックモデルの需要を見出したダイハツが、1998年10月の軽乗用車新規格後に新たに登場させた本格クラシックテイストの軽乗用車がミラ・ジーノである。
ミラジーノは5代目ミラをベースに専用設計したボンネットフードとフェンダー、丸型マルチリフレクターヘッドライト、バンパーメッキモル、大型メッキグリル、専用リアコンビランプなどでベースとは異なるクラシックな雰囲気を演出。内装でもウッドステアリングやウッド調パネル、専用シートに、専用ドアトリムクロスに専用ホワイトメーターなどを与えミラよりも上級かつファッショナブルなミニセダンとなっていた。
メカニズムは5代目ミラと同じくEF型の3気筒自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を設定。特にターボ仕様(ミラジーノ ターボ)には5MTも設定され、前モデルのミラ・クラシック時代とは異なり、走りを求める男性にも人気のモデルであった。このほかに衝突安全ボディのTAFを採用し新国内衝突安全基準および新欧州衝突安全基準に余裕をもたせたて対応。運転席エアバッグの標準装備やブレーキアシスト付きABSのオプション設定など安全面でも順当な進化を果たしていた。

その初代ミラジーノは2000年10月マイナーチェンジで中期型になった。中期型では新意匠のメッキグリルとリヤライセンスガーニッシュ、リヤコンビランプを採用し、外観を若干リフレッシュ。内装ではシート表皮とメータースピードのデザインを刷新し、前期型までのイメージを変化させた。また、ボディカラーにブリティッシュグリーンマイカとレッドの2色を追加。魅力的な新グレードとして3ドアモデル+ターボエンジンの「ミラ ジーノS」やイギリスのアルミホイールブランド、ミニライトとタイアップした特別仕様車の「ミニライトスペシャル」を設定し、よりスポーティーかつクラシックな雰囲気を高めた。
メカニズムでは衝突安全ボディ、TAF(タフ)の性能向上および乗員にやさしい安全インテリア「SOFI(ソフィ)」の採用。MTモデルでは新たに「クラッチスタートシステム」を標準採用し安全面を強化した。

フロントデザイン。外観では小変更のためほとんど前期型と見分けは付かない。一応、ダイハツ公式アナウンスでは「フロントグリルを新意匠」としているのだが、パット見は前期と同じだ。前期型と同じくミラジーノではフロントのパーツのほとんどを専用設計。これによりベースのミラとは全く異なる個性的な外観となっている。
具体的には丸型マルチリフレクターヘッドライト、ボンネット、フェンダー、グリル、バンパー、ウィンカー、バンパーメッキモールをミラジーノ専用に新設計。5代目ミラはオーソドックスなヘッドライト&グリルのベーシックなモデルだったため、その違いが際立つ。デザイン的にも低い全高のミラに良く似合うもので、デビュー当初から大人気のモデルであった。
なお、中期型(2000年10月マイナーチェンジ)以降でターボ仕様のボンネットエアダクトが廃止。これにより外観ではターボなのかNAなのか見分けがつかなくなった。

サイドにかけてはベースのミラとほとんど同じ。中期型での変更点もない。丸目ヘッドライトのせいでボンネットが少し出ており、全体的にはボンネットが少し長く&バランスよく見える。2001年10月マイナーチェンジでは青系の新ボディカラーとして「マジョリカブルーマイカメタリック」が追加された。

足元は13インチフルホイールキャップ。中期型で新設定の「ジーノS」と「ミニライトスペシャル」グレードではミニライト製アルミホイールが標準装備となる。

リア。中期型ではコンビランプを小変更。前期型では反射材にシルバー塗装を用いたものだったが、中期型ではメッキを用いキラキラ感をアップさせた。加えてナンバープレート上にリヤライセンスガーニッシュを追加。

これによりリアビューが引き締まったデザインに変化した。特にこのコンビランプはこだわりが感じられる部分で、当時としては軽自動車のテールランプにマルチリフレクターを採用するのがまあり一般的でなかったが、中期型マイナーチェンジでこれを採用。インナーメッキが見える完全なマルチリフレクタータイプではないのだが、当時としては質感が高く、リアビューの見た目も若干良くなかった。この他は前期と同じくバックドア左下に「Gino」エンブレム。右下に「Mira」デカールが付く。

エンジンは前期と同じくEF型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンとインタークーラー付きターボエンジンの2種類。自然吸気エンジンの最高出力は58ps(43kW)/7600rpm、最大トルクは6.5kg・m(63.7N・m)/4000rpm。

ターボエンジンはインタークーラー付きで最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは10.9kg・m(106.9N・m)/3600rpm。ちょうど5代目ミラのターボモデル(ミラ・TR)などと同じ仕様だ。これに5MT、4AT(2WDのターボのみ電子制御式4速オートマチック(ESAT)を新たに採用)、一部4WDグレードで3ATが組み合わせられた。さらに2001年10月マイナーチェンジではジーノの自然吸気エンジン仕様にCVTが追加。およびターボ仕様は「ジーノS」と「ジーノ・ターボ」と入れ替わる形で「ミニライトスペシャルターボ」を設定した。駆動方式はFFまたは4WD。見た目重視でNAモデルのATを選択できたり、見た目と走りを重視したターボ&5MTを選択できたりと面白い軽自動車だった。

インパネ。中期型では新意匠メータークラスターとなり、右側のエアコン吹き出し口やエアコン操作パネル、スピードメーターのデザインが刷新された。木目調パネルとウッドステアリングは引き続き標準装備。

スピードメーター。3眼タイプだが中期型では中心のカラーがブラックからシルバーに変更。文字盤のフォントも若干変更されイメージが刷新されている。

ターボ仕様では前期型同様に右側がタコメーター。中心がスピードメーターで、左側が燃料計と水温計となる。ただし、中期型では左側の燃料計と水温計の配置が上下が逆さまに変更されている。

シフトノブは変更なし。

フロントシートはセパレートタイプ。シート形状は前期と同じだが、シート表皮を刷新。赤みがかった紫(ワインレッド)系からベージュ+チェック柄となった。ドアトリムクロスもベージュに変更。

リアシート。スライド機構は前期と同じく非装備。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

初代・ミラジーノの中期型は小変更された外観に新メータークラスターと新シート表皮でそれまでのイメージを刷新させたマイナーチェンジとなってる。特に外観ではリアコンビランプのキラキラ感がアップし、内装ではベージュ系のシート表皮が採用され、前期型のワインレッドよりも中期型のベージュ系のほうが一般受けしやすいデザインとなっている。。特に中期型から登場した特別仕様車の「ミニライトスペシャル」はノーマルでも十分デザインの良い初代ミラジーノをベースにミニライトアルミやブラック系シート&インパネ、丸型フォグランプを採用した特別仕様車で、よりスタイリッシュな外観ゆえに中古でも人気車種となっている。
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