2016
12/30
金

1992年9月にそれまでのレックスに変る後継モデルとして誕生したスバル・ヴィヴィオ。デビュー当時は背の高い軽自動車が流行る一つ手前の時代で、アルトやミラ、ミニカといった背の低いセダンあるいはハッチバック型が主流であった。その主たるジャンルで「ドライバーズ・ミニ」をコンセプトに居住空間を設計。一人乗りの利用が多いという調査結果かから運転席側の空間が助手席側よりも広いという変わった設計がなされていた。
プラットフォームは新設計で、安全性を向上。同年代の他社と比較して強度と剛性が高くなっていた。エンジンはEN07型直列4気筒エンジンを継続採用。サスペンションはスバルおなじみの4輪独立懸架式を採用し、当時のレガシィと同じ前輪にL型ロアアーム、後輪にデュアルリンクストラット式となっていた。トランスミッションも5MT以外にATではCVTを採用し他社とは異なるメカニズムもヴィヴィオの特徴となっていた。
そのヴィヴィオに1993年2月。スバルブランドの40周年記念特別仕様車として3000台限定で発売されたのがこの「タルガトップ(T-TOP)」である。タルガトップはその名前のとおり、ヴィヴィオをベースに外観をタルガトップ仕様としたもので、現在では珍しい軽オープンカーとなっていた。ヴィヴィオのタルガトップが出る前には軽乗用車ABCトリオと称されるスズキ・カプチーノ。ホンダ・ビート、マツダオートザム・AZ-1が発売され、ダイハツもリーザスパイダーを登場させるなどバブル景気から軽乗用車の世界でもオープン仕様が流行した時代だったが、ヴィヴィオ・タルガトップが他の軽オープンと異なる最大のポイントは、ヴィヴィオベースのため後部座席がある点だ。すなわち4シーターの軽オープンなのである。そのコンセプトは「軽自動車で4人乗れるオープンカー」で、今なおこのタイプの軽乗用車はヴィヴィオ・タルガトップが唯一無二の存在となっている。

フロントデザイン。このあたりは特に変更点はなく、ノーマルのヴィヴィオと同じ。フォグランプなどスポーツグレードにあった専用バンパーの装着もなく、自然吸気エンジンの乗用モデルがベースとなっている。

サイドから。ここからがタルガトップの専用設計となる部分で、運転席から後ろをごっそり変更。ハッチバックだった部分はトランクルームに変更され、ボディ形状もオープンカーに変化している。

タルガトップ仕様として

ルーフ部分を「フルオープン」、「Tバールーフ」、「オープントップ」、「リアオープン」の4タイプにアレンジでき、

さらにリアウィンドウは電動昇降式としていた。トランクルームは非常に小さいため「トランクキャリア」を標準装備。

リア。タルガトップではリアガーニッシュと専用エンブレムが付く。バンパーとコンビランプはヴィヴィオ用のものだが、トランクルーム~リアガラス、ルーフ等などは専用設計。そのためリアビューはヴィヴィオと似ていて異なる外観となっている。

エンジンはEN07型水冷直列4気筒SOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は52ps(38kW)/7200rpm、最大トルクは5.5kg・m(53.9N・m)/5600rpmを発生。トランクルームは5MTまたはCVTで駆動方式はFFのみとなる。

インパネ。このあたりはベースと同じ。

スピードメーターも同じ。自然吸気エンジン仕様のを流行しているためタコメーターは無し。

ステアリングは本革巻ステアリングホイール。

電動昇降式リアウィンドウはインパネ右側のスイッチで操作。

5MTのシフトノブ。

CVTのシフトノブ。ちなみにこのECVTは持病ともいうべき電磁クラッチ関連のトラブルが数多く報告されており、中古で買う場合は要注意である。

フロントシートはセパレートタイプ。タルガトップ仕様専用のシート表皮&ドアトリムクロスとなる。

リアシート。一応座席はあるのだが、足元は非常に狭くスバル・R1の2+2シーターという扱いに近い。

トランクルーム。こちらもトランクルームとしては狭く、あまり大きいものは積めない。

ヴィヴィオのタルガトップはベーシックなハッチバック型のヴィヴィオをベースに、ボディ形状を変更して4シーターの軽オープンとしたモデルである。このヴィヴィオ・タルガトップ以降、似たような形状のモデルが無いため4シーター軽オープンとしては唯一無二の存在となっている。その独特のボディ形状などから一部のコアなファンには未だ人気のモデルだが、AZ-1やカプチーノのようにプレミアム価格とまでは至ってないため、中古価格は比較的買いやすい値段となっている。年式がかなり古いため状態の良いものやCVTのトラブルを考えると5MTが無難といったところか。
なお、タルガトップ発売のおよそ1年後の1994年2月にはスーパーチャージャー仕様となる「タルガトップ GX-T」が1000台限定で追加設定された。こちらは5MTではなくCVTとFFのみの設定だったが、より手頃でスポーティな軽オープンとなっていた。
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