2016
12/25
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1995年8月に登場したダイハツ・ムーヴ。同年代の4代目ミラをベースにボディを専用設計。全高をミラよりも高い1695mmとし、それまで軽自動車の常識を覆す圧倒的な室内空間を確保したモデルである。登場時期に関してはムーヴよりも先にデビューし大ヒットとなった初代・ワゴンRの後となり、一般的には「後出しの対抗モデル」とされるが、諸説あり開発はムーヴの方が先だったとの説もある。初代・ムーヴは今日まで続く背の高い軽自動車の元祖的なモデルで、その後スポーティな「ムーヴカスタム」。ムーヴよりもさらに全高を高くした「タント」。タントよりもさらに高い「ウェイク」などこの手のジャンルの軽自動車が次々に登場することとなる。
メカニズムでは上述のとおり4代目ミラのプラットフォームを流用。エンジンやトランスミッション、インパネに至るまですべて4代目ミラと同じものを流用したが、初代ワゴンRが床面の2重構造でアルトよりも80mmアップしていたのに対し、ミラと部品供給する関係でムーヴではミラのままのため室内高はムーヴの方が高くなっていた。また、初代ワゴンRとは異なりムーヴでは初代から自然吸気エンジンでもDOHCエンジンを搭載。ワゴンRのSOHCエンジンよりも扱いやすい特徴があった。

フロントデザイン。初代ムーヴでは横長のヘッドライトに控えめなグリル、開口部の大きいバンパーが組み合わされる。デザインはイタリアのデザイン会社I.DE.Aとダイハツの共同作品で、初代ワゴンR同様にそれまでのダイハツにはなかったスタイリングが大きな特徴だ。

なお、ターボモデルのSRではボンネット上にエアダクトとアンダースポイラーが加わる。

ちなみにデビュー初期はウィンカー球はオレンジ色。1997年5月マイナーチェンジでクリアー化された。

サイドから。ボンネットまわりは比較的ミラに近く、そこから急激に全高がアップするためキャビンが飛び出たような特徴的なボディスタイルとなる。この手の先駆者である三菱・ミニカトッポに比べるとボンネットの傾斜がフロントガラスに合わせて経っており、後付感は薄い。なお、写真はターボモデルのもので、サイドアンダースポイラーとデカールがついている。

足元は廉価グレードでフルホイールキャップ。ターボ仕様でアルミホイールを標準装備。

リア。初代からコンビランプは上部に設置。リアハッチも左右開閉式となる。

エンジンはEF型3気筒DOHC自然吸気エンジンとJB型4気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンの2種類を設定。自然吸気エンジンでは最高出力52ps(38kW)/7200rpm、最大トルクは5.8kg・m(56.9N・m)/4500rpm。ターボエンジンでは最高出力64ps(47kW)/7500rpm、最大トルクは10.2kg・m(100.0N・m)/4000rpm。ターボエンジンに関してはミラ・TR-XX用のターボエンジンで、スポーティ路線を強めていた。
なお、1996年9月マイナーチェンジではEF型の3気筒DOHCインタークーラー付きターボを追加。こちらは最高出力64ps(47kW)/6800rpm、10.7kg・m(104.9N・m)/4000rpmを発生しそれまでのSRグレードに搭載。4気筒ターボはSR-XXグレードを新設定しこちらに搭載となった。ただし、次の1997年12月マイナーチェンジではSRグレードが消滅。SR-XXが3気筒ターボとなり、4気筒ターボは新設のエアロダウンカスタムXXグレードに移行された。トランスミッションは3AT、4AT、5MTのいずれかで駆動方式はFFまたは4WD仕様でフルタイム4WD。自然吸気エンジン仕様はパートタイム4WDとなっていた。ただし、4気筒ターボと4WDの組み合わせは存在せず、FFのみとなっていた。

インパネ。4代目ミラと同じデザイン。

スピードメーター。

ATのシフトノブ。MTと共にフロアシフト。

フロントシートはセパレートタイプ。

ターボ仕様ではシート表皮が専用品となる。

リアシート。

ターボ仕様のリアシート。初代ムーヴではこの時代の軽乗用車としては珍しくリアシートのスライド機構を備えていた。そのため旧規格ながらリアの足元はかなり広くすることができた。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。前に倒してフルフラットではなく、折りたたんでリアシートを前に倒すタイプ。

初代のムーヴはミラをベースとしながらも圧倒的な室内空間とリアの居住性、DOHCエンジンによるパワフルな走りなど当時の軽乗用車としては革新的なパッケージングだった。旧規格ながらも高い室内高とリアシートのスライド機構で大人4人でも広々と乗れる空間が確保されており、初代ワゴンRも優れた部分を兼ね備えていた。
1997年5月には初代ムーヴカスタムが追加。初代ではあまりスポーティモデルとして捉えてなかったスズキとは対象的にダイハツはスポーティ路線を明確に打ち出し、2代目でそれが激化することとなる。
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