2016
11/01
火

2003年1月に登場したスズキ・ツイン。名前の由来は英語の「Twin(双子)」から2つの座席と2つの動力という意味で名前が付けられている。ボディ形状は昨今の軽自動車では見られなかった完全2枚ドア+リアハッチとし、全長はわずか2,735mmと同年代に販売されていた5代目・アルトの3,395mmよりも600mm近く短い全長が特徴であった。さらにそこから室内空間を確保するため1,450mmの高さとしたため、特徴的なボディラインとなっている。そしてツインのメカニズムでは軽自動車初となるハイブリッド仕様車を設定したことで、FFの4ATモデルで(デビュー当初のカタログ値)32.0km/lを実現。当時としてはどのライバルよりも一歩先を行くモデルであった。
そのラインナップはベーシックに価格を押さえたガソリンエンジンモデルと上述のハイブリッド仕様としたハイブリッドモデルの2本立て。このうち本稿で扱うのは最廉価版である「ガソリンA」というグレードだ。「ガソリンA」では快適装備などを非装備とし、とにかく価格を安く抑えたグレードで、5MTのFFのみとなるが新車価格は驚きの49万円という安さで初代アルトに匹敵する破格の安さがウリのモデルであった。

フロントデザイン。ガソリンAではバンパーが非着色の無塗装タイプとなる。ツインの特徴である愛嬌たっぷりな丸目ヘッドライトを備えるが無塗装バンパーにより若干ライトバンやハイエースのような商用モデルにも見える。ただ、特徴的なボディラインと相まって個性的な一面でもある。

サイド。サイドミラーやドアハンドルカバーも非塗装でアルトやミラのバンタイプ(商用タイプ)のような出で立ち。ボディラインが特徴的で全長はわずか2,735mm。全高は1450mmのため運転席が極端に高く、ボンネットも短くリアガラスにかけては非常に小さくなっている。ボンネットがもう少し短いとスマートKにもにたボディラインだ。

足元はホイールキャップ無しの鉄チンホイール。ボディカラーは硬派にスペリアホワイトの1色のみの設定。

リア。特徴的な丸目コンビランプを装着。

3代目アルトラパンに通ずるデザインで、リアビューも愛嬌たっぷりだ。

なお、リアはバックドアを開閉するハッチバックではなくリアガラスが開閉するリアハッチとなっている。

エンジンはK6A型3気筒DOHC12バルブ自然吸気エンジンのみ。最高出力は44ps(32kW)/5500rpm、最大トルクは5.8kg・m(57N・m)/3500rpmを発生。トランスミッションは5MTのみで、駆動方式はFFのみ。なお、ATモデルはガソリンBグレードで3ATが。ハイブリッド仕様では4ATが搭載される。エンジン出力は自然吸気エンジンなので大した事ないが、車重は560kgのためアルトバンよりも軽快な走りをみせる。さらに一部マニアユーザーやショップなどではツインをベースにアルトワークスのエンジンやミッションを移植しターボ仕様にするなどカスタムマイズも見られる。なお、価格を抑えるためエアコンとパワーステアリングは非装備となっている。ただし、2003年6月マイナーチェンジではガソリンAにエアコンとパワステを付けたグレードが追加となった。

インパネ。価格が価格なためかなり安っぽい。メーターはセンターパネル。

スピードメーター。

5MTのシフトノブ。

シートはセパレートタイプ。コストカットのためかヘッドレスト一体型の商用モデルのようなシートとなっている。

リアはラゲッジスペースとなっている。

スズキのツイン・ガソリンAは軽量なボディと安い新車価格が魅力のモデルであった。つい最近では8代目アルトの商用モデルが70万前後で売られているが、このツインではそれをはるかに上回る49万円という価格設定で、間違いなく安い軽自動車であった。安いがゆえに省略された部分も多いが、軽自動車の本質的なものを久しぶりに登場させたことで当時としては話題となったモデルである。
中古市場ではそこそこタマ数があり価格も安いため特にガソリンAは改造ベースとして人気がある。特に車重560kgはあのエッセを上回る軽量っぷりで実用性がエッセよりも若干低いものの趣味車としてみれば十分価値のある1台。カスタマイズで楽しめそうなモデルなのである。
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