2016
10/10
月

ムーヴコンテはデビュー当初からダイハツの他社種にも見られるようにノーマルタイプとカスタムタイプの2種類を設定。本稿で扱うのは後者のカスタムモデルで、ムーヴカスタムやタントカスタムのようにメッキパーツを用いた専用グリルにハイロー独立の専用ヘッドライト。アルミホイールに専用コンビランプなどノーマルよりも外観を精悍に仕立てたモデルである。内装でもブラック系のシート表皮にタコメーター付きの専用スピードメーターなどの採用で上級感を演出。加えてノーマルでは設定のないターボエンジングレードを用意し、動力性能も高めたまさに「カスタム」にふさわしい1台である。ムーヴコンテカスタムの場合はノーマルがベーシック感の強いモデルだっためカスタムパーツにより精悍さが際立ち、万人受けしやすいモデルとなっている。
そのムーヴコンテカスタムはノーマルのムーヴコンテ同様に2011年6月にフロントデザインの変更を伴うマイナーチェンジで後期型となった。後期型ムーヴコンテカスタムではフロントグリルが一新されたほか、デビュー当初は4代目ムーヴ用のエンジンだったものを、5代目ムーヴ用のエンジン(第2世代KFエンジン)に換装、さらに同じく5代目ムーヴのアイドリングストップ機構(エコアイドル)の搭載で燃費が向上。「平成22年度燃費基準+25%」を達成した。この他内装ではセンタークラスターをダークシルバーに変更する一方で、パワーエントリーシートが廃止されるなど外観やメカニズムのバージョンアップとコストカットがなされたマイナーチェンジとなっている。

フロントデザイン。後期型ではメッキグリルが大型化され、よりキラキラ感がアップした。前期ではメッキライン1本のみで悪く言えば地味。よく言えば控えめなメッキグリルだったが、後期型ではメッキの面積が増えたことで存在感の大きい迫力のあるフロントデザインとなった。これ以外は前期と同じだが大型メッキグリルにより印象がかなり異なる。

他には前期同様カスタム用のヘッドライト(ハイロー独立式でローはディスチャージ仕様)と

スクエア型のフォグランプを全グレードで標準装備。フォグランプは一般的に丸型が多いため、このムーヴコンテカスタムのスクエア型は個性的かつスタイリッシュで、この車のアイデンティティーともいうべきパーツである。

サイド。このあたりは前期とほぼ同じ。

ターンランプ付きドアミラーを標準装備し、セキュリティーアラームとキーフリーシステムを全グレード標準装備。

足元のアルミは後期型マイナーチェンジでデザイン変更が行われ、それまでのXグレードが廉価グレードとなり、14インチのフルホイールキャップ化。

新設定のGグレードでは14インチアルミ(新デザイン)。

ターボのRSグレードでは15インチアルミ(こちらも新デザイン)となる。

さらに2015年4月設定の特別仕様車「L VSII」では専用デザインのスタイリッシュなアルミホイールとなる。

リア。デザイン的には前期と同じだが仕様が小変更されている。コンビランプはノーマルのムーヴコンテ同様にブレーキランプがLED化。デザインそのものも前期では赤いレンズが入っていたものが完全クリアー化。加えてバックランプ部分がマルチリフレクター化されキラキラ感がアップした。さらにエンブレム類ではエコアイドルの採用でそれまで付いていた「CUSTOM」エンブレムを廃止。かわって「eco IDLE」エンブレムが付けられた。

エンジンはKF型の3気筒DOHC自然吸気エンジンとそのターボ仕様の2種類。少し長くなるので下に列挙する。
2012年3月まで-----------------
自然吸気エンジン:最高出力は52ps(38kW)/7200rpm、最高トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpm。
ターボエンジン:最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.5kg・m(103N・m)/3000rpm。
-----------------------------
2012年4月マイナーチェンジ以降~(ミライースの低燃費技術を適用)--------
自然吸気エンジン:最高出力は52ps(38kW)/6800rpm最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpm
ターボエンジン:自然吸気エンジンでは64ps(47kW)/6400rpm、ターボ仕様では9.4kg・m(92N・m)/4000rpm
---------------------------------------------------------
と、同じ顔つきでも年式によりエンジンの仕様が異なる。さらに2012年4月マイナーチェンジでは(それまではXグレードなど上級のみだったが、)全グレードで「eco IDLE」が標準装備。さらにエコ発電制御もプラスされたことでFFのXグレード(自然吸気エンジン)で27.5km/lを達成。さらに2013年7月マイナーチェンジではこれに加えCVTサーモコントローラーを採用。FF・自然吸気エンジンモデルではエコアイドルの停車前アイドリングストップの車速を9km/h以下にはやめたことでさらに燃費アップ。27.6km/lを達成した。駆動方式は全グレードでCVTのみ。駆動方式はFFまたは4WD。自動ブレーキ等の設定はない。
ここで注目したいのはミライーステクノロジーを適用した2012年4月以降で、最高出力は変わらないものの、最大トルクの発生ポイントが自然吸気エンジンで1200rpmアップ。ターボエンジンでは最大トルクが1.1kg減って最大トルクの発生回転数が1000rpmアップしている。2012年4月以降のターボエンジンではそれまでに比べてより回さないとパワーが出なくなったようで、少しでもパワーが欲しい人は最大トルク10.5kg/3000rpmのモデルを選択肢たほうが良いかもしれない。一方であまり気にならないのであれば(あまり回さないのであれば)燃費が良くなっている後者が良いだろう。

インパネ。ムーヴコンテではコラムシフトを採用。後期型ではセンタークラスターのカラーがダークシルバー化された。

一方でそれまでRSに標準装備だったモモステ(本革巻ステアリングホイール)が

2012年4月マイナーチェンジではコストカットなのかRSグレードでの標準装備を廃止。メーカーオプションに変更された(本革巻ステアリングホイールは据え置き)。加えて

スピードメーター。後期型の2011年6月時点では前期と同じ非自発光式の3眼メーターだったが、

2014年5月マイナーチェンジで、新デザインの自発光式メーターを採用。加えて平均燃費計も標準搭載された。


フロントシートはベンチシートタイプ。前期同様ブラックシート表皮でクールかつ洗練された落ち着き感を演出。シートはフランス人デザイナーが手がけた「プレミアムソファシート」で座り心地にもこだわっている。なお、前期のRSに標準装備されていた軽自動車初となる「運転席パワーエントリーシート」は2011年6月マイナーチェンジで廃止となった。

リアシート。スライド機構は非装備。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

ムーヴコンテカスタムの後期型は、より精悍さと迫力が増したフロントデザインにLEDストップランプ。ミライースの技術をを適用した新エンジンによる燃費アップなど、外観、メカニズム等でバージョンアップがなされたマイナーチェンジとなっている。特に見た目に関してはこちらの方が格段にレベルアップしているので、普通車に負けないオシの強さ的なカスタムモデルを求めている人にはオススメな1台だ。ベーシックで万人受けしやすいボディスタイル&迫力あるカスタムパーツの組み合わせでムーヴコンテカスタムは独特の個性を持っているので、気に入れば末永く愛せることだろう。逆にそこまで派手さが不要な人は前期型がオススメ。最新モデルに比べると自動ブレーキが搭載されていないなど不利な部分もあるため、スタイリング重視でもある。なお、前述の通り同じ顔つきでも年式によりエンジン特性が異なるので走りにこだわりたい人は中古で探す場合は注意されたい。
なお、ムーヴコンテカスタムは2011年9月にトヨタへ「ピクシススペースカスタム」としてOEM供給された。外観の変更点はエンブレムのみなのだが、トヨタエンブレム効果により印象が若干異なって見えるため、後期型ムーヴコンテカスタムを探している人はあわせてコチラもオススメだ。特にトヨタ版では普通車の初代Bbを小さくしたようなデザインにも見え、非常にバランスが取れたモデルにも見える1台。絶対数でもトヨタ版の個体は少ないため、他人とかぶることも少ないメリットがある。
2016年10月にはムーヴの派生モデルとしてスライドドア搭載の「ムーヴキャンバス」が登場。これにともないミラココアとムーヴコンテが整理対象となり生産終了となった。ゆえに以降は絶版車となるためスクエアデザインからくるベーシックな外観は中古市場でも人気のモデルとなりそうだ。
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