2016
09/29
木

2008年8月に登場したダイハツのムーヴコンテ。当時のCMの「カクカクシカジカ 四角いムーヴ」というキャッチフレーズが耳によく残るこの車は、その言葉通りムーヴ系統でありながら直線を基調としたボディラインが最大の特徴である。シンプルだけど合理的なデザインは、普通車でいうところのトヨタ・初代Bbに通じるところがあり、軽自動車という点も相まって(ムーヴやワゴンRなど独特のいかにも感があるデザインを好まない)女性ユーザーに受けが良かった。パッケージング的にはスズキの初代アルトラパンの全高を少し高くしたようなボディフォルムで、ベーシック感が非常に強く万人受けしそうなデザインも特徴だ。
そのムーヴコンテは2011年6月、フロントデザインの変更を伴うマイナーチェンジで後期型となった。後期型ムーヴコンテではフロントグリルのデザインが変更されたほか、全グレードで第2世代KFエンジンを採用。また、上級グレードではアイドリングストップ機構「eco IDLE」を搭載し、25.5km/Lの10・15モード燃費を実現。さらに全グレードで平均燃費計を標準装備し、キーフリーシステム搭載グレードでは「リクエストスイッチ」(スイッチ操作で施錠と解錠が可能)を採用。インテリアではセンタークラスターをダークシルバーに変更するなど、外装とメカニズムでのマイナーチェンジとなっている。

フロントグリル。前期ムーヴコンテでは4本ラインのオーソドックスなタイプだったが、後期型では太いラインを一本(グリルには出っ張り入り)とし、上下に非対称の開口部を設けたデザインとした。これにより前期のオーソドックス感が若干薄れ、スタイリッシュ感がアップした。

なお、2014年5月登場の特別仕様車、「X VS」および「X VSスマートセレクション SN」ではグリルとフォグランプまわりがホワイト化。

2015年4月登場の特別仕様車、「L VSⅡ」では前期型グリルのシルバータイプ&フォグランプまわりがメッキ化されるなど、ノーマルタイプのムーヴコンテでも特別仕様車では若干異なる。

サイド。2011年6月マイナーチェンジで全グレードにフェンダーウィンカーが標準装備された。また、2013年7月マイナーチェンジでは「2トーンセレクション」がオプション設定され、選択時にはルーフ部分がホワイトカラーとなった。

廉価グレードではオーソドックスなフルホイールキャップ。

2011年6月マイナーチェンジでXグレードには専用デザイン(特別仕様車「X +S」)のフルホイールキャップが標準装備。

廉価グレードを除いてキーフリーシステムとセキュリティーアラームを標準装備。キーフリーシステムでは運転席リクエストスイッチが追加された。

リア。デザイン的には前期と同じだが、

ブレーキランプがLED化された。

さらに特別仕様車の「X VS」、「X VSスマートセレクション SN」や「L VSⅡ」ではムーヴコンテカスタム用のクリアータイプと反射板を埋め込んだエアロバンパーが標準装備される。

エンジンはKF型の3気筒DOHC自然吸気エンジン。最高出力は52ps(38kW)/7200rpm、最高トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpmとなる。2012年4月マイナーチェンジでは(それまではXグレードなど上級のみだったが、)全グレードで「eco IDLE」が標準装備。さらにエコ発電制御もプラスされたことでFFのLグレードで27.5km/lを達成。さらに2013年7月マイナーチェンジではこれに加えCVTサーモコントローラーを採用。FFモデルではエコアイドルの停車前アイドリングストップの車速を9km/h以下にはやめたことでさらに燃費アップ。27.6km/lを達成した。駆動方式は前期では廉価グレードに4ATの設定があったが、後期ではすべてCVT化された。駆動方式はFFまたは4WD。ABS(ブレーキアシスト付き)とEBD、セキュリティーアラームは標準装備だが、自動ブレーキ等の設定はない。

インパネ。2011年6月マイナーチェンジではセンタークラスターがダークシルバー化された。

スピードメーターも後期型ではデザインが変更された。

フロントシートはベンチシートタイプ。フロントグリルのデザインを変更した2011年6月時点ではシートおよびインパネのアクセントラインがレッド系だったが、2013年7月マイナーチェンジでこれがグリーン系に変更された。

リアシート。前期と同じくスライド機構は非装備。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。
ムーヴコンテの後期型はスタイリッシュになったフロントデザインにLED化されたコンビランプ。メカニズムでは新エンジンやエコアイドルの搭載で(一番良いグレードで)27.6km/hの燃費を達成するなど見た目とメカニズムで順当なマイナーチェンジとなっている。特に燃費が飛躍的に伸びた点(廉価グレードではデビュー当初の21.0km/lから27.6km/h)は街乗りメインの軽自動車としては評価すべき部分で、経済性もアップしている。ただし、この年代の軽自動車にしては自動ブレーキ(スマートアシスト)が非搭載など設計年が古いゆえの問題点もあるため、自動ブレーキが欲しい人には注意が必要だ。その一方で、デザイン的にはシンプルかつ合理的で飽きのこないものなので、デビューからかなり経過しているにもかかわらずその古さを感じさせない点は未だ魅力的である。中古車としても意外と人気な部類で特に後期モデルは高値の個体も多いが、ムーヴやタントとはまた違ったデザイン性の高い軽自動車として需要があるだろう。
なお、ムーヴコンテは後継モデルの「ムーヴキャンバス」の登場により生産終了が予定されている。
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