2016
09/23
金

2008年8月に登場したダイハツのムーヴコンテ。当時のCMの「カクカクシカジカ 四角いムーヴ」というキャッチフレーズが耳によく残るこの車は、その言葉通りムーヴ系統でありながら直線を基調としたボディラインが最大の特徴である。シンプルだけど合理的なデザインは、普通車でいうところのトヨタ・初代Bbに通じるところがあり、軽自動車という点も相まって(ムーヴやワゴンRなど独特のいかにも感があるデザインを好まない)女性ユーザーに受けが良かった。パッケージング的にはスズキの初代アルトラパンの全高を少し高くしたようなボディフォルムで、ベーシック感が非常に強く万人受けしそうなデザインとなっている。
そのムーヴコンテはデビュー当初からダイハツの他社種にも見られるようにノーマルタイプとカスタムタイプの2種類を設定していたが、2009年9月に特別仕様車第1弾として設定されたのがこの「Xスペシャル」だ。同時期にミラやエッセでもXスペシャルが設定されたが、ムーヴコンテのXスペシャルでは上級グレードにあたる「X」グレードをベースに外装では専用のシルバーフロントグリルのほか、ドアミラーターンランプ、シルバーアウタードアハンドルを標準装備。内装ではチルトステアリング、運転席シートリフター、オートエアコン、アジャスタブルショルダーアンカー。快適装備にイモビライザー機能付きのキーフリーシステム、IR&UVカットガラス(フロントウィンドウ)、メカニズムではCVTを標準装備とした特別仕様車で、これだけの機能満点で新車価格120万円(FFの場合)としたお買い得仕様車であった。

フロントデザイン。Xスペシャルではベースモデルのグリルをシルバー塗装した「シルバーフロントグリル」が標準装備される。メッキグリルに比べるとキラキラ感は薄いのだが、ワンポイントのアクセントしては十分なもので、ベースと差別化されている。この他フロントウィンドウはIR&UVカットガラスが標準装備(※2010年5月以降では全面のガラスに標準装備)され、夏の強い日差しで効果を発揮する。

なお、2010年5月以降のXスペシャルではシルバーグリルが廃止され、見た目がベースと同じになった。また、ドアミラーターンランプやシルバーアウタードアハンドルも非採用で見た目はかなり大人しい。

サイドから。XスペシャルではLEDドアミラーターンランプとシルバーアウタードアハンドルが標準装備となり、ちょっとだけスタイリッシュ感がアップしている。

足元はフルホイールキャップ。

Xスペシャルではイモビライザー機能付きのキーフリーシステムが標準装備となり街乗りでは非常に便利なアイテムだ。

リア。このあたりはベースと同じで、専用エンブレム等の装着は無い。前期型のムーヴコンテのため、コンビランプは非LEDタイプのストップランプとなる。

エンジンはKF-VE型3気筒の自然吸気エンジンのみ。最高出力は58ps(43kW)/7200rpm、最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/4000rpm。トランスミッションはCVTのみで、駆動方式はFFまたは4WD。エンジンはミライースのものに比べると、この時は一つ前のものだったが、高効率なCVTのお陰でFFモデルで23.0km/lを達成し、エコカー減税やエコカー補助金の対象車となっていた。なお後期型ではミライーステクノロジーが適用され、一番いいグレードでカタログ値、27.6km/lを達成することとなる。

インパネ。デザインはXグレードと同じだが、Xスペシャルではオートエアコンが標準装備(※ただし、2009年12月以降ではコストカットのため非装備)となった。また、ステアリングにはチルト機構(※こちらも2009年12月以降のモデルでは廃止)が備わり、運転者の姿勢や身長にあわせてステアリングの角度を調節可能だ。また、2010年5月以降のモデルではオーディオにインテグレートCD・AM/FM付ステレオが標準装備となる。

スピードメーター。上級グレードがベースのためタコメーター付きの3眼タイプとなる。2010年5月以降のモデルでは瞬間燃費計がプラスされた。

フロントシートはベンチシートタイプ。シート表皮はXグレードと同じタイプ。シートベルト上部にはXスペシャル仕様としてアジャスタブルショルダーベルトアンカーが備わり(こちらも2009年12月以降のモデルでは廃止)、チルトステアリングのように運転者の身長や体型にあわせてシートベルトの位置を調節可能だ。

リアシート。スライド機構は非装備。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。
ムーヴコンテのXスペシャルは上級グレードのXをベースに専用シルバーグリルやドアミラーターンランプ、シルバーアウタードアハンドルにキーフリーシステムやチルトステアリングなど外観のグレードアップと便利機能をプラスしつつも価格を抑えた特別仕様車である。当時としては上級グレードでありながら、ベースよりも若干安くなっておりお手頃な価格と上級な見た目が魅力的なモデルであった。なお、その後のマイナーチェンジでXスペシャルは特別仕様車からカタログモデルに昇格するのだが、シルバーグリルの廃止など細かな違いがあるため、このXスペシャルを中古で探す場合は年式に注意したい。傾向としてはデビュー当初はXスペシャルは上級でありながら価格を抑えた的な位置づけだったが、終盤(2010年5月)モデルに至ってはCVTを採用した廉価グレード的な位置づけとなり追加装備がどんどん無くなる傾向にある。
中古市場ではミラやアルトよりも人気のあるモデルで、年式の割にはそれなりに値が張る個体も多い。手頃な足車とはいかない部分もあるが、デザインや質感など気に入ったのであれば許容できる価格だろうか。なお、このシルバーグリルは後期型の特別仕様車、「L VSⅡ」グレードで復活し、より上級装備が与えられている。気になった人はこちらも要チェックである。
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