2016
09/18
日

2003年11月に登場したダイハツの初代タント。それまでボンネット内にエンジンを持つ乗用モデルとしてはミラに変わって背の高いムーヴが売れ筋だったが、ムーブよりもさらに全高を上げ室内空間を徹底的に確保したのがタントだ。軽自動車の規格で全幅と全長方向はすでに目一杯使ってしまっているので、残りの縦方向に拡大するという思い切った発想だった。結果、全幅や全長はムーブと変わらないものの、高さが増えたことにより室内空間がとても広く感じられ、ムーブ以上の開放感を得ることに成功し街乗りをメインとする主婦層をターゲットに大ヒットとなった。これはコンパクトカーやコンパクトセダンを凌ぐ広さで、感じ方によってはミニバンにも匹敵するかもしれない。
その初代タントはデビュー当初、カスタム系のタントカスタムは未だラインナップされておらず、オーソドックスな顔つきに自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を設定していた。このうちターボエンジンにエアロパーツとフォグランプを標準装備したのが今回扱う「RS」グレードだ。RSグレードは一般的にダイハツの軽自動車においてターボエンジン搭載のスポーティな上級グレードとして設定され、タントにおいてもこれを踏襲。タントカスタムが登場するまで実質的なスポーティモデルとなってた。

フロントデザイン。顔つきはノーマルタントだがバンパーはフォグランプが内蔵され、下部には大型エアロバンパーが備わる。全体的にはちょっとだけスポーティな顔つきとなっている。

サイドから。RSグレードではサイドストーンガード(サイドアンダースポイラー)が標準装備となりパット見の車高の高さが少しだけ軽減されている。リアのプライバシーガラスも標準装備だ。なお初代タントではスライドドアは非装備で、2代目タント以降の装備品となる。

足元は14インチアルミホイールを標準装備する。

リア。RSでは大型リアエアロバンパーにリアスポイラー(LEDハイマウントストップランプ付き)を標準装備し、フルエアロ仕様となる。RSなど専用エンブレム類は特になく、エアロパーツ以外は控えめな外観だ。

エンジンはEF-DET型3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジン。最高出力は64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは10.5kg・m(103N・m)/3200rpm。駆動方式はFFまたは4WDでトランスミッションは4ATのみとなる。背の高いボディにパワフルなエンジンだが、車重がFFモデルで890kg、4WDモデルで940kgもあるためターボエンジンといえど加速はもっさりしている。

インパネ。最上位のRSグレードなのだが、このあたりはノーマルと同じでベーシックな感じ。また、スピードメーターもタコメーター無しのシンプルタイプとなっている。

ステアリングも本革巻ステアリングホイールとはならず、ノーマルのウレタンステアリング。

フロントシートはベンチシートタイプ。

リアシート。スライド機構付きで足元の広さとラゲッジルームを調節可能だ。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。初代でもこの広さを確保しており、設計の良さがうかがえる。
初代タントのRSは外観にエアロパーツをまとい、ターボエンジンを搭載したグレードである。ダイハツ系のRSというとスポーティな印象が強いのだが、ノーマル顔のタントにおいてはそれがあまり無く、内装もノーマルとほぼ同じでタコメーターも付かないなどあくまでノーマルタントにターボを加えて動力性能だけをアップさせた仕様となっている。もともと初代タントはその重たい車重から加速感がもっさりとしており、これに2名以上乗るとなるとそれが顕著に現れる。このもっさり感をターボで補うようなものと考えたほうが良いだろう。逆にあまり見た目が派手ではないので、そういうのが苦手な人にはターボも付いて嬉しい仕様なのかもしれない。
この後の2005年6月マイナーチェンジでカスタムモデルのタントカスタムが設定され、専用フロントデザインに専用内装、タコメーター付きのスピードメーターとなるなどスポーティ感がアップされた。このときはノーマル顔のターボグレードはまだ設定されていたのだが、2代目にフルモデルチェンジした際にはノーマル顔は自然吸気エンジンのみとなり、3代目中盤で再びノーマル顔+ターボエンジンのグレード(タント Xターボ)が復活することとなる。
中古市場では年数経過や現行から2代前のモデルとあって初代タントは比較的購入しやすい価格となっている。ターボグレードであってもこの手の背の高い軽自動車にしては安価でのっぺりとした顔つきが苦にならないのであれば手頃な軽自動車といえるだろう。特に初代タントは重たい車重に4ATの組み合わせで加速がかなりもっさりしており、これを補うためにもターボエンジンの方がストレスが無く街乗りでもオススメだ。ただし、年数経過により10万キロ超えの過走行なタマも出てきており、オイル交換頻度などメンテナンス状態によってはトラブルにより修理費がかさむ場合があるので、整備記録簿など状態の確認が必須である。
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