2016
09/11
日

2015年9月に登場したダイハツのキャスト。軽自動車史上、しいては自動車史上でも異例となる同時3モデル展開でネット上を賑わせた。キャストはまったく異なる3コンセプトのモデルを外装やセッティング、内装で変化させ、ベースが同じでもそれぞれのキャラクターを強くしたモデル展開を行なっている。3つの異なるキャラクター、SUV系(アクティバ)、ストリート系(スタイル)、スポーツ系(スポーツ)のうちこの記事で扱うのは「スタイル」というスタンダードモデルである。

キャストスタイルは個性を重視する軽ユーザをのニーズを吸い上げ、3兄弟のモデルの中でも一番スタンダートなタイプとして登場した。エクステリアは基本的に3兄弟共通となり丸みを十分に与え安心感のある台形フォルムとすることでムーヴやタントといったモアスペースなモデルとは異なる車らしい形状を実現。水平基調のサイドシルエットも凛としたたたずまいを表現した。プラスしてキャストスタイルでは街乗り(都会ユーズ)をメインターゲットととし、オリジナル要素としてバンパーモールやサイドロッカーモールにメッキ加飾を与えることで都会にマッチする上質感を演出した。

インテリアは水平基調のインパネ加飾と黒&ベージュの2トーンカラーを基調とした内装色でエレガント&ハイセンスを表現。また、蓋付きのインパネトレイの採用で上質感プラス落ち着きを与えた。さらにシートにはスエード調の明るい生地を重ねたファブリックシートを採用することで、室内に華やかさを与えている。

ボディカラーにはデザインフィルムトップを採用した2トーンカラーを含めて全13色を設定。かつてのミラジーノを連想させるオシャレ&レトロなボディカラー(プラムブラウンクリスタルマイカ)もメーカーオプションで用意した。

パッケージングはデザイン性をもたせつつも室内長を2005mm、室内幅は1320mm、室内高は1245mmを確保。大人4人がゆったりと座れるボディサイズを実現した。また、軽量高剛性ボディ「Dモノコック」や「Dサスペンション」「Dアシスト」を採用することで、高い基本性能を実現。しっかりとしたハンドリングで、ロールや走行時のふらつきが少なく高い操縦安定性を確保している。静粛性も追求し、・ステアリングのパッド取付部にゴム材を使用することで、ダンパーとしての機能を加え、振動を吸収する構造とした。さらにボディパネルの隙や穴を減らし、音の侵入経路を低減している。
低燃費技術としては「ミライース」で培ったイーステクノロジーから「クールドi-EGR」や「CVTサーモコントローラー」、「樹脂化ボディ」を採用。2WDのFFモデルで30km/Lの低燃費を実現した。
安全装備では衝突回避支援システムの「スマートアシストⅡ」を採用。カメラとレーザーレーダー、ソナーセンサーの組み合わせによって、前方の車両との衝突の危険が高まった場合に緊急ブレーキによる危険の回避を支援。さらに歩行者の検知や車線の逸脱も警報などでお知らせし、前方や後方へのアクセルとブレーキの踏み間違えによる飛び出しも抑制する機能を与えた。
そのストリート系である「スタイル」とSUV系の「アクティバ」に2016年6月、レザー調の上質なシート等を採用した特別仕様車が追加された。それがこの「プライムコレクション」である。

プライムコレクションはG SAⅡとGターボ SAⅡをベースに設定され、上述のレザー調シートのほか、インテリアにはアクセントカラーが与えられ、専用センタークラスター、専用ドアアームレスト、ナビ装着アップグレードパック(ステアリングスイッチ、バックカメラ、16インチスピーカー、ツィーターのセット)、コンフォータブルパック(スーパーUV&IRカットガラス、スーパーエアクリーンフィルターのセット)、SRSサイドエアバッグ、シートヒーターが標準装備となり、特に内装面でノーマルとは異なる上質な雰囲気を与えた特別仕様車となっている(※なお本記事で扱うのはキャスト スタイルのプライムコレクションとなる)。

フロントデザイン。プライムコレクションでは外装上の専用パーツはほぼなく、外観はノーマルと同じ。キャストの外観は3モデルどれも上半分は共通だ。ライバル、スズキのハスラーを強く意識したのか丸目のヘッドライトが印象的なデザインで、これにメッシュ状の大型グリルが組合わされている。グリル縁にはメッキパーツで覆いどこか懐かしいレトロ感も出している。
よく見れば見るほどミラ・ジーノの雰囲気もあるデザインだが、ベースがハスラー意識したクロスオーバーSUV型なので全体的にボディが上に上がっている。スタイルの専用デザインとしてはメッキパーツで覆われたフォグランプ、バンパー下部のメッキラインが備わり、アクティバやスポーツとは違ったシティユース感を出している。外観上はベースモデルに準拠し、自然吸気エンジン仕様車とターボ仕様車で共にオートレベリング機能付きヘッドランプとLEDフォグランプが標準装備となるが、ターボ仕様ではヘッドライトがダークメッキ化される。なお、プライムコレクション仕様としてはフロントガラスにIRカットガラスが標準装備された。

サイドから。このあたりもベースと同じでキャストはムーヴのようなワゴンタイプに分類されるのだが、全体的に丸みを与えボンネットの角を立て、特にリアにかけては斜めに切り落とすことで普通車に近いスタイリングとなっている。俗にいう台形スタイルでちょうどホンダのN-ONEのようなスタイリングに近い。特にタイヤハウス付近もタイヤに沿ってエッジを効かせることでボディにデザインの厚みを与え、ムーヴとは決別したデザインを実現している。この他サイドアンダー部分にはフロントと同じメッキラインが入る。
プライムコレクション仕様としてはウィンドウがスーパーUVガラスとなる。なお、これはベースモデルで「コンフォータブルパック」としてオプション設定されていたもので、プライムコレクションではこれが標準装備となる。

さらにベース同様にルーフ部にはカッティングシートがオプション設定され、このようにツートーン仕様とすることも可能だ。

足元は15インチアルミホイールを標準装備(ターボ、NA共通)。

リア。このあたりもベースと同じく、自然吸気エンジンではノーマルタイプのコンビランプ。ターボ仕様ではクリアータイプのコンビランプとなる。

エンジンは3気筒の自然吸気とターボの2種類。トランスミッションは全グレードでCVTのみとなり駆動方式はFFまたは4WDだ。また、6代目ムーヴで採用されたD アシスト機能がキャストにも備わり、スイッチ・オンで力強い走りを。オフ時はエコモードで燃費に貢献する。同じくDサスペンションも採用しフロントにマクファーソン・ストラット式コイルスプリングを。リアには2WDでトーションビーム式式コイルスプリング、4WDでは3リンク式コイルスプリングを採用。ボディにはDモノコックの採用で安定したハンドリング、ロール減少を実現している。

安全装備としては一部(廉価)グレードを除いてスマートアシストⅡを標準装備。フロントのカメラとレーザーセンサー、リアのソナーセンサーを用いて衝突回避支援ブレーキ機能、対車両&歩行者に対する衝突警告機能、車線逸脱警報、誤発進抑制防止機能(前進&後方)、先行車お知らせ機能など最新のダイハツの支援機能が満載だ。さらにはABSに加えVSCとTRCも付いて横滑り防止機能も備わっている。

インパネ。プライムコレクション仕様としてホワイトのインテリアアクセントカラーが与えられ、プレミアムシャインブラックのセンタークラスターとなっている。この他オプション設定のナビ装着アップグレードパック(ステアリングスイッチ、バックカメラ、16インチスピーカー、ツィーターのセット)が標準装備となりオーディオ機器がノーマルよりも強化されている。ステアリングは本革巻ステアリングホイールでチルト機構付き。

コンソールパネルには液晶パネルが備わる。

エンジンスタートは上級グレードということでプッシュスタート式。キーフリーシステムとリクエストスイッチも付く。

スピードメーター。こちらはノーマルと同じでタコメーターとスピードメーターの2眼タイプ。

フロントシートはベンチシートタイプ。プライムコレクション最大のウリであるレザー調シートととなり、ノーマルよりも上級感がアップした。またドアアームレストもプレミアムシャインシルバー色となり、特別感を高めている。シートにはシートヒーターが運転席と助手席の両方で標準装備となり冬季の寒い時期で嬉しい仕様だ。

リアシート。スライド機構付き。リア自体にはエアコン吹き出し口が無いが「リヤヒーターダクト」により吹き出しが後部座席にも届くようになっている。

ラゲッジルーム。
キャスト スタイルのプライムコレクションはGSAⅡおよびGターボSAⅡをベースにレザー調シートや追加のオプションパーツを標準装備とし、ベースよりも魅力をアップさせた特別仕様車となっている。特にレザー調シートはノーマルにはない上質感あふれるシートでこれだけでも魅力的なのだが、それまでオプション設定だったパーツが標準装備されつつつもお買い得な価格設定となっており、キャスト スタイルでオプションを後からつけようと思っている人にはかなり魅力的な特別仕様車である。
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