2012
12/30
日

当時の売れ筋であるアルトをベースに、そのまま上方向へボディを拡大。車高を大胆にも上げて室内空間を広く取ったパッケージングは「狭くて窮屈」な軽自動車のイメージを払拭し、またたくまに大ヒットした。軽自動車は全高、全幅、全長が決められている。横幅は使いきっていたので残っていた全高を上手く使うことで、横幅は変わらないものの高さが生まれた。これにより室内が広く感じるというマジックだ。
スズキのワゴンRが大ヒットするとライバルのダイハツもこれに触発され、似たように同車のベーシックなミラをベースに「ムーヴ」を誕生させた。登場はワゴンRより2年後ではあるが開発はスズキより先という話。ただ、当時は未開拓な市場だっただけに、スズキの英断は素晴らしい物がある。初代アルトを登場させた時と同じようにスズキ会長のカンピューターによるものだろうか。

ムーヴはノーマルモデルをベースに外装を変えてスポーティーに仕立てたムーヴカスタム(通称:裏ムーブ)が大ヒット。今日に続く軽カスタムモデルの先駆者的モデルになった。
このように軽トールワゴンはワゴンRにはじまりムーブの登場によって新ジャンルが開拓され、この20年ほどで確固たるジャンルを築いた。今ではどのメーカーも軽トールワゴンを主戦力車種として取り揃え、個性や安全装備、燃費などでしのぎを削っている。
軽トールワゴンが人気なのは軽自動車という性質にもっとも適合する「実用性」という部分にある。維持費が安く普段の足車として特に地方では生活必需品的な役割を果たしている。そんな軽自動車は自動車をもつ一つの価値観である「趣味」という点を排除し、広くて使い勝手良く燃費も良いという完全な「道具」としての役割のほうが大きい。その役割を1台でまかなえる軽トールワゴンというのは今日においては大勢が選ぶ軽自動車の1つになっている。
ここまでは2種類の軽自動車を紹介したが、誕生から20年程度で各社いろんな軽自動車が誕生した。次のページでは旧モデルから最新モデルまで車種やグレード別に軽トールワゴンを説明する。
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