2016
06/20
月

1999年3月登場のダイハツ・ミラジーノ。初代のミラジーノは先にデビューした5代目ミラをベースにクラシック風の外観と内装をまとわせたモデルである。
ターゲットはクラシック志向層。この手のパイオニア的存在であるスバル・ヴィヴィオ ビストロの大ヒットにより1999年代中盤ではホンダを除くスズキ、ダイハツ、三菱、マツダの各社が後追いする形で既存モデルをベースとしたクラシック風モデルを展開していた。そこから軽クラシックモデルの需要を見出したダイハツが、1998年10月の軽乗用車新規格後に新たに登場させた本格クラシックテイストの軽乗用車がミラ・ジーノである。

ミラジーノは5代目ミラをベースに専用設計したボンネットフードとフェンダー、丸型マルチリフレクターヘッドライト、バンパーメッキモル、大型メッキグリル、専用リアコンビランプなどでベースとは異なるクラシックな雰囲気を演出。内装でもウッドステアリングやウッド調パネル、専用シートに、専用ドアトリムクロスに専用ホワイトメーターなどを与えミラよりも上級かつファッショナブルなミニセダンとなっていた。
メカニズムは5代目ミラと同じくEF型の3気筒自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を設定。特にターボ仕様(ミラジーノ ターボ)には5MTも設定され、前モデルのミラ・クラシック時代とは異なり、走りを求める男性にも人気のモデルであった。このほかに衝突安全ボディのTAFを採用し新国内衝突安全基準および新欧州衝突安全基準に余裕をもたせたて対応。運転席エアバッグの標準装備やブレーキアシスト付きABSのオプション設定など安全面でも順当な進化を果たしていた。
ミラジーノはデビュー当初からターボエンジン&5MTのグレードを設定し軽自動車のメインユーザーである女性だけでなく、男性ユーザーをターゲットにしたグレード展開を行なっていた。そのミラジーノの2000年10月マイナーチェンジ(中期型)で追加されたのがこの「ジーノS(もしくは単にS)」というグレードだ。ジーノSではそれまでのミラジーノに存在しなかった3ドアモデルを新たに採用し、人気の特別仕様車、ミニライトスペシャルと同じフォグランプ、ミニライト製アルミ、メッキドアハンドルやメッキドアミラーなど精悍さとスポーティさをアップさせたグレードで、よりスポーツ志向のモデルとなっていた。

フロントデザイン。ジーノSではミニライトスペシャルと同様にフォグランプ付きグリルを装着。イエローのレンズもオシャレで丸目のミラジーノのフロントデザインにアクセントを与えている。パット見このあたりではミニライトスペシャルかジーノSかの見分けは付かない。

サイドから。メッキドアミラーとメッキドアハンドルが標準で付く。ジーノSではサイドボディ上部にラインが入り、ラインの一番後ろには「Gino S」のデカールが付く。この点はミニライトスペシャルと違う。5枚ドアでは後部ドア確保のためフロントドアが狭く、小さなボディに無理やりはめ込んだ感じがあったが3ドアではそれがなく、広々としたフロントドアで軽自動車でありながらスタイリングは独特。このスタイリングの良さに加え5MTとターボモデルの設定から一部のマニアの間でジーノSは大人気なのだ。

足元はミニライト製14インチアルミホイールを標準装備。

リア。リアハッチ左側に専用の「Gino S」エンブレムが付く。ミニライトスペシャルではミニライトロゴだったのでリアではより違いが明確だ。

エンジンは3気筒のEF-DET型インタークーラー付きターボエンジンのみ。最高出力は64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは10.9kg・m(107N・m)/3600rpm。トランスミッションは5MTまたは4AT、駆動方式はFFまたは4WDとなる。3ドアボディのおかげで5ドアのジーノ・ターボより10kgほど車重は軽い(FF・5MTモデル)。

インパネ。ジーノSではノーマルのウッド調パネルではなく、スポーティーなシルバーパネルに変更。本革巻ステアリングホイールはオプション設定となる。

スピードメーターはノーマルと共通。

フロントシートはセパレートタイプ。ジーノS専用のシート表皮となっている。

リアシート。3ドアモデルなので足元は狭め。ただ、商用モデルの3ドアのリアシートを比べるとかなり作りは良い。

ラゲッジルーム。3ドアモデルなのでリアシートが起きた状態でも基本的に広い。
初代のミラジーノSは3ドアモデルのスタイリングに5MTとターボエンジンを設定するスポーティなグレードである。同様の外観のミニライトスペシャルは3ドアでもターボモデルが無かったり、後期でターボモデルが追加されるも5ドアと、この独特の3ドアでターボ&5MTはジーノSのみとなっている。また、販売期間も1年ほどと短期間だったため中古市場ではタマ数が少ないにもかかわらず人気のためほとんどみかけることは無い希少モデルだ。状態が良いと高値になることもあり手頃とは言えない部分があるが現行にはないモデルで、中古車としても(価値が分かる人には)未だ魅力あるモデルである。
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