2012
12/23
日

アルトやミラなど、ハッチバック型軽自動車が全盛だった時代にホンダが投じた軽がトゥデイである。この2代目はその初代から約8年後の1993年1月にフルモデルチェンジされ、特に女性が乗るセカンドカーとして開発された。

その中でも異色なのがトゥデイのスポーツグレードとして設定されていたトゥデイRs。1996年2月のマイナーチェンジで追加設定されたこのRsはエンジンにあのビートに搭載されていたMTRECをデチューンし、3本スポークステアリングとタコメーターを標準装備しスポーティに仕立てたモデルだ。
フロントデザイン。見た目こそノーマルとほとんど変わらないが、エンジンはビートとほぼおなじものが載っているので羊の皮を被った狼的な印象を受ける(ただし絶対的にはやくないが)。

サイドから。現代の売れ筋であるワゴンRや、ハイトワゴンのタントなどと比べると車高がとても低い。またボンネットからフロントガラス、天井にかけても良い曲線を描いている。実はこれは空力抵抗(Cd値)に貢献し、低い車高と軽い車重とも相まって未だにモータースポーツで人気の車種(※写真は後期型)となっている。

リア。ノーマルと異なりハイマウントストップランプ付きリアスポイラーを標準装備している。この部分はスポーティなデザインだ。
エンジンは前述のとおり3気筒のSOHC自然吸気のみ。ビートと同じE07A型エンジンをデチューンしたMTRECエンジンは最高出力は58PS、最大トルクは6.1kgを発生する。NAなのでトルクは大したことないがこの時代の軽エンジンにしては非常に高出力で現在でも自然吸気ではここまで高くないため非常にレアなエンジンとなっている(ただし近年の軽自動車エンジンは燃費重視&トルクがメインなので、トルク自体は同じまで出ている)。駆動方式はFFのみでトランスミッションは5MTまたは3ATが用意された。

インパネ。

スピードメーター。自然吸気でもタコメーターが付いている。旧規格の軽自動車はレッドゾーンが高い傾向にありこのRsも8000回転手前までレッドゾーンが刻まれている。

5MTはシフトブーツが付いたちょっと本格的なデザインとなっている。

フロントシートはセパレートタイプ。シートは残念がらスポーティグレードにあるようなセミバケットタイプでないため、走りこむ場合は交換が必須となるだろう。

リアシート。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。旧規格という点とトゥデイ自体の全高が低いため、シートを倒してもあまり広くない。
トゥデイ Rsはかつての売れ筋だったハッチバック型に軽オープンのビートとほぼ同じエンジンを搭載した珍しいスポーツモデルである。ライバル的には当時のアルトワークスやミラ TR-XXあたりとなるがターボが無い点はホンダらしくマニアックなモデルである。軽自動車は広さや使い勝手が重視されがちだが、こういった軽量ボディに高回転型自然吸気+5MTという個性のある車を選ぶこともアリではないだろうか。ビートと同じくターボの加速感はないのだが、その分エンジンを回して使い切る楽しさは充分持っている。あえてNAを選んでみても面白いだろう。
中古市場では年数経過もあるのだが、アルトワークスやミラ TR-XXに比べるとマイナーなモデルだったためタマ数が極端に少ない。中古で探す場合は困難となるため気に入った人は根気よく探して欲しい。
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