2016
05/09
月

2013年3月にパレットの後継モデルとしてデビューしたスズキのスペーシア。パレット時代の両側パワースライドドアやCVT(副変速機付き)を引き継ぎ、5代目ワゴンRのスズキグリーンテクノロジーを導入。高張力鋼板の積極採用でボディも軽量化するなどこの手の軽自動車では最軽量の840kg(FFモデル)を誇り、自然吸気エンジンながらキビキビとした走りが特徴であった。そのスペーシアは2015年5月にフロントデザインの変更とS-エネチャージ、レーダーブレーキサポートの導入を伴うマイナーチェンジで後期型となった。後期型では全グレードで新デザインのメッキグリルが標準化されたほか、全グレードでS-エネチャージを標準採用。軽トールワゴンとしては初のマイルドハイブリッド車となった。

フロントデザイン。後期型では全グレードでメッキグリルを標準装備。前期の一部グレードではメッキグリルが与えられていたが、後期型では新デザインのものが標準装備となった。ベーシック感の強いフロントフェイスだっただけにメッキグリルひとつで精悍なイメージが与えられている。全体的には前期のやさしいイメージに加えクールなメッキグリルで上質感を兼ね備えたエクステリアとなっている。

サイドから。このあたりのデザインの変更点は特に無し。足元の変更として前期のレーダーブレーキサポート装着車に設定されていた14インチタイヤとフロントスタビライザーを後期型で標準装備とした。さらにTとXグレードではスライドドアクローザーを搭載。半ドアの位置まで来ると残りはゆっくりと自動的に閉まるようになっている。他に全グレードでイモビライザーとセキュリティーアラームを標準搭載。さらにGグレードでは全面UVカット機能付ガラス、XとTグレードではフロントガラスがプレミアムUV&IRカットガラスとなる。

リア。このあたりは前期型と同じデザイン。全グレードでLEDハイマウントストップランプを標準装備。

エンジンは3気筒のR06A型DOHC自然吸気エンジンとターボ仕様の2種類。これにモーター機能付発電機(ISG)と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様となる。トランスミッションは全グレードでCVT(副変速機付き。ただし軽トラのような切り替えはできず内部で自動に切り替わる)。駆動方式はFFまたは4WDの2種類。S-エネチャージを導入したことでこの手の軽自動車としは初のリッター30を越え、カタログ燃費は自然吸気エンジンのFFモデルで32.0km/l を達成。同4WD仕様でも29.0km/lと、同年式のライバル(タント、N-BOX等)大きく引き離している。
安全技術としては前期型でグレード別設定のレーダーブレーキサポートを進化させた「デュアルカメラブレーキサポート」をオプションで設定。それまでのレーダーを用いたシステムからスバルのアイサイトと同様の2台のステレオカメラ(デュアルカメラ)を用いたシステムに進化。約5km/hから約100km/hの速度域で車両や歩行者を検知し、警報や自動ブレーキで衝突の回避、または衝突時の被害軽減を図るシステムで、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能とトップシェイドガラスなどがセットで備わる。

特に前方衝突警報機能は軽自動車としては異例の100km/h程度でも動作。2016年5月現在、ライバルであるダイハツのスマートアシスト2は約4km/h~50km/hが作動速度域なためスズキがかなりリードしている。オプション価格として5万ほどアップとなるが、予算に余裕があるのなら是非とも付けたいオプションだ。これ以外ではエマージェンシーストップシグナルとESP(車両走行安定補助システム)がメーカーオプション設定(デュアルカメラブレーキサポートオプションではこの2つが含まれる)。ヒルホールドコントロールは全グレード標準装備。

オプションとしてもうひとつホットなのが全方位モニター。フロント、両サイド、バックカメラの4箇所に設置されたカメラで真上から見たような映像を作り出し、駐車時をアシストする。

インパネ。内装は前期と同じ。ボディカラーによってベージュ系かグレー系のどちらかとなる。エンジンスイッチはプッシュスタート式。TとXグレードではエアコンに「ナノイー」が組み込まれる。

スピードメーター。前期同様に全グレードでタコメーターを備える。

フロントシートはベンチシートタイプ。これもボディカラーによってベージュ系もしくはグレー系となる。4WD仕様ではシートヒーターとリアヒーターダクトが備わる。

リアシート。TとXグレードでは「ロールサンシェード」+「プレミアムUV&IRカットガラス」を標準装備。特に夏場、後部座席のこどもを強い日差しから守るのに便利だ。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。
スペーシアの後期型はマイルドハイブリッドのS-エネチャージに加えステレオカメラ方式の「デュアルカメラサポート」をオプションで設定するなど燃費と安全性を向上させたマイナーチェンジとなっている。特にステレオカメラは2016年5月次点で軽自動車としてはトップクラスの動作性能をほこり、JNCAP予防安全性能アセスメントにおいて軽自動車クラスとしては最高得点となる46点満点中45.8点を獲得し、スズキ車でも初となる最高ランクの評価「先進安全車プラス(ASV+)」を獲得した(※後にハスラーにも同様のデュアルカメラブレーキを適用した後期型では、これを塗り替える46点満点を記録)。まさに燃費も安全技術も敵なしという仕上がりだ。デザイン的にも前期よりクールな部分が出ていて、ワンランクレベルアップしている。個人的にはもう少し評価されても良いモデルだと思うのだが、さほど人気には結びついてないようだ。
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