2016
04/09
土

2013年6月登場のデイズ ハイウェイスター。ノーマルモデルに対しメッキグリルやプロジェクター式ヘッドライト、ブラックインテリアなどでカスタムしたこのモデルは、それまでのオッティRSの実質的な後継モデルとなるこのモデルは、三菱との合弁会社であるNMKVによる共同開発&共同生産のモデルである。それまで日産の軽自動車といえば細かなデフォルメを行うものの生産はOEM先に委託する形をとっていたが、デイズシリーズでは開発から生産まで携わるようになった。
それまでの「オッティ」時代にみられた外装のデフォルメのみとは異なり、デイズでは商品の企画段階から三菱と協業。開発でも日産が携わったことで従来のOEMモデルとは異なる日産らしいデザインや室内空間が反映された初の軽乗用車となっている。
ただ、デビュー当初は技術不足から同年代のライバルに燃費が劣っていたり自動ブレーキが無いなど不利な部分もあった。が、その後のマイナーチェンジでエマージェンシーブレーキやバッテリーアシストシステムなどの搭載でメカニズム的にはライバルに追いつき、不利な部分が改善されていった。
その「デイズ ハイウェイスター」は2015年10月にフロントデザインの変更を伴うマイナーチェンジで後期型となった。後期型ではフロントデザインをより迫力あるものに変更した他、リアコンビランプを一新。新デザインのアルミホイールに加え内装ではオプションにアイボリーとエボニーのコントラストが鮮やかなプレミアムインテリアを設定。メカニズムではセンサーを用いて、車速などの諸条件によりハイビームとロービームを自動で切り替える「ハイビームアシスト」(※ハイウェイスターグレードのみ)を軽乗用車で初採用。さらにそれまではオプション設定となっていた「エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、廉価グレードではオプション設定なっていた「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」をも全グレードに標準装備とし安全面も向上し、個性的にかつ上級さがアップしたモデルとなった。
後期型マイナーチェンジで商品力アップをはかったのもつかの間、約半年後の2016年4月に三菱の燃費不正改ざんが発覚。3代目eKワゴンとeKスペース、兄弟モデルのデイズ、デイズルークスも販売中止となった。背景には、軽乗用車の燃費競争に出遅れていた三菱の技術力不足と現場の燃費史上主義、長年の体質などがあげられている。特に技術力不足に関してはスズキやダイハツあたりがアルトエコやミライースでしのぎを削って低燃費技術を磨き上げていた時、三菱は2代目eKワゴンなど中身(メカニズム)は10年ちかく前に設計したものを内外装のみリファインして販売していた程度だった。そこからいきなりスズキやダイハツに追いつくというのはさすがに無理があったものと思われる。
国土交通省による再測定によれば実際の燃費との乖離は最大で16%。その一方で排ガス値や保安基準などは国の基準を満たしてたため、ekシリーズ全車種の型式指定の取り消しは行わないことになった。三菱自動車は燃費の修正を行い、日産版のデイズも2016年7月に販売再開となった。

フロントデザイン。前期型のデザインコンセプトは継承しつつ、後期型ではこれを改良。メッキグリルの両端にエッジを設けバンパー自体も立体的にすることでよりダイナミックで存在感の強いデザインとした。さらにヘッドライト下部にはイルミネーションLED(アクセントLEDランプ)を埋め込み夜間も鮮やかな外観に。同時期にマイナーチェンジした兄弟車のeKカスタムとは完全に差別化されたフロントデザインで、ひと目で「デイズ ハイウェイスター」とわかるデザインに。全体的には精悍で上質感のあふれるデザインとなった。

またメカニズムの面では軽自動車初となる「ハイビームアシスト」を全グレードで標準装備。対向車とのすれ違い時などにロービームへの切り替え忘れを防ぐだけでなく、ハイビーム走行が増えることで前方の歩行者や道路状況をいち早く視認することが可能となった。

サイドから。LEDターンランプ付ドアミラーとインテリジェントキーを全グレードで標準装備。フロントガラスは赤外線(IR)を約70%カッするIRカットガラスを新採用。強い日差しの赤外線による肌のジリジリ感の抑制に貢献する。紫外線(UV)を約99%カットするそれまでのスーパーUVカット断熱機能と併せて、快適なドライブをサポート。これ以外に後期型ではアルミホイールのデザインが刷新。

ハイウェイスターGとハイウェイスターGターボグレードではワンランク上のスタイリッシュな15インチアルミとなる。このアルミは三菱版とは差別化されており、日産らしさを演出している。ボディカラーは、「スカーレット」、「オーシャンブルー」、「アイスブルー」をはじめ6色の新色を含む全14色を設定。

リア。後期型ではコンビランプのデザインが一新され、ブレーキランプ部分がLED仕様となった。

エンジンは3B20型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付ターボエンジンの2種類。自然吸気エンジンの最高出力は49ps(36kW)/6500rpm。最大トルクは5.7kg・m(56N・m)/5500rpm。ターボエンジンの最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.0kg・m(98N・m)/3000rpm。
トランスミッションは全グレードで副変速機付エクストロニックCVTとなる。駆動方式はFFまたは4WD。それまでFFモデルのみだった「バッテリーアシスト」を4WDとターボの全グレードで適用。燃費技術としては「アイドリングストップ」、回生発電の「バッテリーアシストシステム」を標準装備とし、安全装備としては前期でメーカーオプションだった「エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」などの安全装備を全グレードに標準装備。

インパネ。本革巻きステアリングホイールは全グレードで標準装備。エンジンスタートはプッシュ式。

アラウンドビューモニターとバックモニターはルームミラー左部に映る。ハイウェイスター全グレードで標準装備となる。

スピードメーター。

フロントシートはベンチシートタイプ。

これ以外にオプション設定で「プレミアムコンビネーションインテリア」を選択するとアイボリーとエボニーのコントラストが鮮やかでプレミ感の高いシートとなる。

リアシート。スライド機構付きで足元を調節可能だ。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。
デイズ ハイウェイスターの後期型はより精悍に三菱の「eKカスタム」とは差別化された外観に軽自動車で初となる「ハイビームアシスト」に加え、それまでオプションや一部グレードのみだった「エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」等が全グレードで標準装備となり、見た目も安全装備も格段に良くなったモデルである。特に明確に差別化された外観は三菱版(eKカスタム)との違いを求める人には嬉しい部分で、これでようやくそれぞれのブランドでの明確な差別化がなされたといって良いだろう。ライバルとなるスズキ、ダイハツ、ホンダとも異なるフロントデザインとなっているのでこの点は評価したい部分だ。
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COMMENT
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No.68 Re: .
燃え太郎さん。はじめましてこんにちは。
この記事を書いていた時は三菱&日産も頑張ってるなぁと思ったのですが、中身は不正だったということで正直ビックリしました。
一応事実は事実ですので、詳細が出てきた頃に追記しようと思います。投稿者:さすらいのクラ吹き 2016/05/03 (火) 11:13
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No.67 .
さすがに燃費不祥事のことは・・・
書けませんよねw