2016
04/01
金

1998年10月の軽自動車新規格に合わせてフルモデルチェンジとなった8代目ミニカ。かつてのミニカはスポーツモデルのダンガンを設定するなどアルトワークスやミラ・TR-XX、ヴィヴィオRX-Rに肩を並べるホットモデルが印象的だったが、今回のフルモデルチェンジではそのダンガンが完全消滅。8代目ではコストダウンを意識した合理的で実用的なモデルへと変化した。

フロントデザイン。先代の特徴的な丸目を廃止し、かわって異型台形のヘッドライトを採用。7代目の愛嬌ある顔つきは失われたが、ベーシックかつ誰からも受け入れやすいデザインとなった。7代目は正直かわいらしすぎた部分もあり、その点を毛嫌いしていた層に訴えられるデザインである。これに加えグリルはTのような開口部を持ち、バンパーもこれに合わせて3本のラインが入った7代目前期ミニカを髣髴とさせるものになっている。なお、乗用モデルでは1999年10月マイナーチェンジ時にPg系以上のグレードでフロントウインカーがクリアー化された。

サイドから。8代目ミニカでは全高を1510mm確保。先代のFFは1475mmだったのでわずか35mmアップ程度に感じるが同時期にデビューした5代目ミラは1425mm、5代目アルトは14500mmだったので実はデビュー当時のセダンタイプでは一番全高が高かった。それでいて室内は適度に広く見た目のデザイン性も失っていないので非常に合理的なボディデザインであった。

リア。こちらもシンプルで合理的なデザインとなっている。コンビランプはブレーキランプとウィンカーランプが収まり、バックランプはバンパー部に独立して右下に1灯のみ埋め込まれている。この点は先代から踏襲されている。
エンジンは3気筒の3G83型SOHC12バルブ MVVエンジン(リーンバーンタイプ)のみでターボの設定は無し。トランスミッションはバンタイプが4MTまたは5MTもしくは3AT。セダンタイプが5MTまたは3ATとなる。駆動方式はFFまたは4WDの2種類。

乗用モデルのインパネ。上級グレードではセンターガーニッシュがシルバータイプとなる。ステアリングは乗用モデル専用品(エアバッグ付き)。

バンタイプのインパネ。こちらはすべて同じカラーでステアリングもバンタイプ専用品。エアバッグはオプション化されている。

バンタイプのスピードメーター。背景がブラックカラーとなっている。乗用モデルではこの背景がブルーカラーに変更される。

バンタイプの4MTのシフトノブ。

かわって5MTのシフトノブ。

乗用モデル、上級グレードのフロントシート。ヘッドレスト独立タイプのセパレートシートとなっている。

乗用モデル、下位グレードのフロントシート。バンタイプと同じヘッドレスト一体型シートで、表皮だけは専用品。

バンタイプのフロントシート。この手によくあるヘッドレスト一体型形状で、かつシート表皮もベーシックなタイプ。パワーウインドウを装備せず、旧タイプの手回し式。

バンタイプのリアシート。左右一体型で補助的なシート。

乗用モデル、下位グレードのリアシート。(写真のものは外されているが)ヘッドレストを備えバンタイプよりも若干作りが良くなっている。

バンタイプのラゲッジルーム。このあたりは各社似たような作りでバンタイプでは荷室が広く取られている。

乗用モデルのラゲッジルーム。こちらはかわってリアシートの足元を広く取りラゲッジルームはバンタイプよりも狭くなっている。

ラゲッジルームを倒した状態。バンタイプ、乗用モデルともシートを倒すと同じ広さになる。
8代目のミニカの前期型はそれまでの7代目のイメージを覆し、合理的でコストカットを優先したモデルとなっている。軽スポーツ好きにはダンガンが廃止されたことが残念だが、街乗り用足車としてみれば非常に優れた1台で先代よりも格段に広くなった室内に加え安い新車価格と道具としては実用性が高かった。2001年1月には先代で人気を博したレトロモデルの「タウンビー」が復活し、より個性的なフロントデザインにマルチリフレクターの専用コンビランプなど外装に手が加えられデザイン面でも選択肢が広くなった。8代目ミニカはスポーツモデルとしては先代で終わってしまったが、軽自動車としての本質を全面に追求したモデルである。
中古市場では年式の割にかなり安く本当に足車として重宝しそうな1台。室内はこの手にしては意外と広いので街乗りで本領を発揮しそうだ。
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