2016
03/26
土

2012年登場の5代目ワゴンR。5代目のデビュー当初(前期型)では同年代の7代目アルトのようにヨーロピアンな変わったデザインが特徴的だったが、2014年8月のマイナーチェンジ(後期型)でフロントデザインを大改良。挑戦的なヨーロピアンスタイルから往年のベーシックスタイルへと変貌を遂げた。メカニズムでもエネチャージをさらに発展させたS-エネチャージの採用でマイルドハイブリッド化するなど軽自動車の枠にとらわれない燃費向上技術でライバルのムーブを突き放す展開となっている。
その5代目後期ワゴンRに2015年12月、ベーシックなFXグレードをベースとしてそれまでは上級のFZグレードやスティングレーのみに設定されいたマイルドハイブリッドを採用し、お手頃な価格とした特別仕様車を追加した。それが本稿で扱う「FXリミテッド」である。FXリミテッドは伝統的に3代目や4代目ワゴンRにも設定されていたが、5代目の後期型でマイルドハイブリッド仕様のFZグレードと入れ替わる形で一旦消滅していた。が、今回はマイルドハイブリッドでありながら価格を抑えた上級グレードとして復活した。5代目前期までのFXリミテッドはベーシックなFXを元にスタイリッシュな外観や内装を与えた特別仕様車だったのに対し、今回の5代目後期では専用メッキグリルを与えずにS-エネチャージを適用するなど歴代でも異なる1台となっている。

フロントデザイン。先代のFXリミテッドや3代目では専用のメッキグリルが与えられていたが今回の5代目後期FXリミテッドはそれがなく、ベースのFXグレードと同じとなっている。角張った3代目とスタイリッシュ4代目ヘッドライトを足して二で割ったようなヘッドライトにベーシック感の強いグリルを装着。ワンポイントのアクセントとして凹型のメッキパーツが加えられさりげないスタイリッシュ感を演出している。バンパーもベースと同じく前期とは開口部の形が上下反転したものが付いている。

サイドから。このあたりはパッ見変更がないように見えるが...

足元では専用デザインの14インチアルミホイールを標準装備。

LEDターンランプ付ドアミラーも標準装備し、スタイリッシュな外観とした。

リア。コンビランプはノーマルタイプで、上部にはルーフエンドスポイラーを装着。

リアハッチ右下には「S-エネチャージ」エンブレムが付いている。
エンジンはR06A型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力52ps(38kW)/6000rpm、最大トルク6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。後期型ではこのエンジンに加えてオルタネーター機能付きのモーター(出力1.6kW)が加わるトランスミッションは副変速機付きのCVT。駆動方式はFFか4WDだ。この他MH34系では減速時アイドリングストップシステム、エコクールが全グレードで標準装備となる。S-エネチャージではハイブリッド化による走りのモーター感は皆無なものの、登坂時ではモーターのアシストで若干登坂能力が改善されており、特に自然吸気エンジンでは効果が期待できる。さらに素晴らしいのはアイドリングストップ時の再始動音で、あの独特のエンジンスタート音がとても静かな点。これは確実に軽自動車の質感を向上させるポイントである。

前述のとおり加速時にモーターでエンジンをアシストするS-エネチャージを搭載。

回生ブレーキ時には助手席下のリチウムイオンバッテリーに蓄電。


スターターモーター機能でエンジン再始動時に使用したりモーターをアシストしエンジンの負荷を減らすなどしてFFモデルは驚異的な33.0km/Lの低燃費を実現した。


これ以外に安全装備としてはメーカーオプションでレーダブレーキサポート、エマージェンシーストップシグナル、誤発進抑制機能、ESPを設定。

インパネ。ブラックカラーのインテリアに加え、ウレタンステアリングホイールを採用。キーレスプッシュスタートシステムも標準装備し、エンジン始動はプッシュスタート式。ドアの開閉はリクエストスイッチで行う。

スピードメーター。ノーマル同様に自発光式メーターとなり、

フロントシートはベンチシートタイプ。FXリミテッド専用のファブリックシート表皮となっている。また、インサイドドアハンドルはシルバー塗装され、上級感を強調。

リアシート。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

5代目後期・ワゴンRのFXリミテッドはベーシックなFXグレードを元にS-エネチャージを搭載しお買い得とした特別仕様車である。外観こそFXとほぼ同じだがS-エネチャージの搭載により燃費向上や坂道でのトルク改善など目に見えない部分での嬉しい装備内容が特徴である。新車価格的にも安全装備のメーカーオプションを付けなければFZグレードに対して15万程度安く、ノーマルのFXに対しても8万程度のアップでS-エネチャージが搭載出来る点は魅力だ。ただ、そこまでアシスト力は実感できなので平地メインであれば不要だが、坂道などではモーターよるアシストでノーマルよりも若干登坂能力がアップしておりその恩恵は受けられる。これ以外にもアイドリングストップ機能で発進時のエンジンスタートによる振動がが非S-エネチャージに対して無音に近いくらい改善されておりこの点は優れるポイント。予算が多少あるのならFXリミテッドを検討しても良いのでは。
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