2016
03/25
金

2010年12月にフルモデルチェンジし、5代目となったダイハツのムーブ。先代の4代目で印象的だったエレガントな外観を引き継ぎ、ワンランク上となっているのが5代目の特徴である。モデル構成も伝統的に「ノーマルムーブ」とターボエンジングレードを展開するカスタムモデルの「ムーブカスタム」の2本立てとし、スポーティー路線のムーブカスタム。ベーシックなノーマルムーブという基本戦略は変わらないものの両者ともより上級感がアップしている。
メカニズムでは5代目ムーヴでは先代よりも35kg程度軽量化を行い、改良型KFエンジンを採用。トランスミッションも全グレードでCVTに統一。アイドリングストップも電動オイルポンプを廃止し、変速制御域の最適化を行なった。また、カスタムのナンバープレートをリアゲート上に変更したり、ノーマルムーヴからドアミラーターンランプが廃止となるなどコストカットも行われた。
エコ分野では5代目で初めてとなるストップランプのLED化で省電力をアップ。ノーマルムーヴとムーヴカスタムの両方でLEDストップランプが標準採用となった。これに上述のエンジンやトランスミッション。アイドリングや省電力化によりFFモデルでは27.0km/L(10.5モード)の低燃費を実現した。
安全面では「セーフティパック」(SRSサイドエアバッグ、SRSカーテンシールドエアバッグ、ダブルプリテンショナー&フォースリミッター機能付きフロント3点式ELRシートベルトの3てんセット)がムーヴカスタムにオプション設定。カスタムのRSには「インテリジェントドラインビングアシストパック」(衝突被害軽減ブレーキ、車載カメラを利用した車線逸脱防止支援機能、VSC、全車速対応型レーダークルーズコントロールの4点セット)もオプション設定となっていた。

フロントデザイン。4代目で採用されたエレガントなヘッドライトを継承。ただし、そのヘッドライトデザインはより切り込み角が強くなり
、先代よりもシャープ感が増した。先代以上にベーシックなモデルとしては挑戦的なデザインで、優雅に見える一方好き嫌いがはっきりするフロントデザインともなっている。これに4代目前期と4代目後期を足して二で割ったようなメッキグリル(台形の開口部を2つ持ちつつも、全体としても台形形状のメッキグリル)が与えられ、バンパーもまた4代目前期のような台形開口部を持つデザインに。全体的には先代を踏襲しつつもより上級感を与えたデザインとなっている。

サイドから。先代のワンモーションフォルムを踏襲しつつも、特徴的だったボンネット角のエッジを無くしてフロントガラスからボンネットまでゆるやかな曲線とした。また、サイドミラー手前のフロントクォーターガラスガラスも継承されAピーラー付近の見切りがよくなっている。リアにかけてリアハッチの傾斜を4代目より変更したことでタマゴ型感が薄れた。ダイハツの広報ではこれを「ビッグキャビン&コンパクトノーズ」としている。

ちなみこちらが4代目ムーブ。サイドからのボディフォルムが改善され、4代目の特徴だった「いかにも感」が薄くなっている。なお、サイドミラーは5代目からベーシックなLグレードを除いてオート格納式ドアミラーに。乗車時はエンジンスイッチのACCでドアミラーがオープン。降車時はキーフリーシステムのリクエストスイッチもしくは携帯キーのドア施錠スイッチに連動して自動クローズする。室内長に関しては4代目が2110mmだったのに対し、2075mmへと減少。室内幅は同じで高さも1310mmから1280mmへ。ボディフォルムを見なおした影響ではあるが3代目の室内長:1920mmよりは依然として広く、そこまでは気にならないだろう。

リア。コンビランプは伝統的に縦長タイプを採用。クリアー部分が薄い赤となり前期よりも上級感が出ている。そしてブレーキランプはノーマルムーブ初となる純正でLED仕様となり、LEDハイマウントストップランプと相まってキレのある発光を実現した。リアゲートも伝統的に左右開閉式で、取っ手は向かって左側についている。
エンジンはKF型3気筒DOHC自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類。先代同様ターボエンジンはムーブカスタムのみに設定される。自然吸気エンジンの最大出力は52ps(38kW)/7200rpm、最高出力は6.1kg・m(60N・m)/4000rpm。トランスミッションは全グレードでCVTのみとなり、駆動方式はFFまたは4WDの2種類。先代まではベーシックグレードに5MTや4ATが設定されていたが5代目では完全廃止となった。これ以外ではXグレードにアイドリングストップを標準搭載。

4代目ではそれまでに代わり新型のKFエンジンを採用。5代目ではそれを改良した第2世代KFエンジンとなり、CVTや軽量化ボディ、アイドリングストップと組み合わせることで燃費はFFのXグレードで27.0km/l(10.5モード燃費)を実現。先代の23km/lを4km/lも上回る飛躍的アップとなった。
さらに2011年11月マイナーチェンジではミライースで培った「e:Sテクノロジー」の進化版である「e:Sテクノロジー第2弾」を搭載。エンジンはミライース仕様のKF型エンジンに置き換わり、最高出力は52ps(38kW)/6800rpm。最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpmに変更となった。さらに新型のアイドリングストップシステム「エコアイドル」とエコ発電制御を採用したことでFFモデルで燃費は24.2km/L(JC08モード)を達成した。

インパネ。先代のデザインを踏襲し、スピードメーター部分が内部に組み込まれたようなデザインに。カラーリングも先代と同じで上部がブラック。下部がベージュ系のツートンタイプ。スピードメーターは先代同様にセンターメーター式となる。さらに上級のXグレードではシフトノブにメッキパーツが組み合わされるほか

キーフリーシステムによりプッシュスタート式のエンジンスイッチが標準で備わる。上級のXグレードには「ecoドライブモード」が備わり、スイッチONでスピードメーター内のエコインジケーターの点灯条件を厳密化し、これと同時に自動でエアコン制御を行い燃費向上に貢献する。

スピードメーター。先代の後期ではベーシックと上級でメーターが異なったが、5代目前期では両方共統一された。ノーマルタイプに用いられるタコメーターなしのシンプルなタイプ。

フロントシートはベンチシートタイプ。4代目後期のベージュ色を継続採用し上級感を演出。目には見えないが新形状のダッシュパネルやフロアパネルの採用、防音材の最適配置により先代よりも静粛性がアップしている。

リアシート。

ラゲッジルーム。リアシートは分割可倒式。

リアシートを倒した状態。
5代目前期のムーブは先代のエレガントなイメージを引き継ぎ、難点だったボディフォルムを改良。さらなる燃費向上により4代目よりも魅力的となったムーブとなっている。特にボディラインが改善された点は大きく、スタイリッシュとなったことでいかにも感が薄れ先代よりは抵抗感が薄くなった。4代目のエレガントデザインが気に入れば迷わず5代目前期といったところだ。ただし、このエレガントデザインはこの5代目前期までで、後期型のマイナーチェンジではフロントデザインを一新。再びベーシック路線に回帰し、内装もセンターメーターを辞めてノーマルタイプとするなど大改良を行うこととなる。
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