2016
01/11
月

2011年9月登場のダイハツ・ミライース。それまでのエッセに代わるモデル(後継車)で、ハイブリッドや電気自動車に次ぐ第3のエコカーとしてデビューした。ハイブリッドや電気自動車などの次世代技術は使わないものの、それまでのガソリンエンジンにおける技術を徹底的に追求し、価格を抑えつつも(それまでの安いガソリンエンジン車でありながら)低燃費車という軽自動車のあるべき姿を具現化したモデルでもある。
その低燃費技術は車体の軽量化にはじまり回生ブレーキ、アイドリングストップ、高圧縮化エンジンの採用、ボディ形状による空力抵抗の低減など持っていた技術を1台にそそぎこむことで当時の軽自動車としては驚異的な32.0km/lを実現。それでいて一番安いグレードの新車価格はおよそ80万円からと低燃費でありながらハイブリッドや電気自動車よりもはるかに安い価格設定が魅力的であった。
そのミライースは2013年8月のマイナーチェンジでフロントデザイン等の変更を行い後期型となった。後期型ではグリルが大型化され、かつ開口部を大きくしたバンパーにより存在感とスタイリッシュ感がアップ。ベーシックでありながらより万人受けしやすい顔つきへと変更された。この他イーステクノロジーをさらに進化させることでFFモデルでは燃費が33.4km/Lへと向上。さらにスマートアシストを一部グレードで採用するなど外観に加え燃費向上と安全機能がアップしたマイナーチェンジとなっている。
そして後期型ミライースに2015年4月。専用ダークメッキグリル、ブラックインテリアを標準装備した特別仕様車が追加された。それがこの「リミテッド SA」というグレードである。

ベースは2WDモデルがXグレード、4WDモデルがXfグレードとし、専用のダークメッキグリルを装着。最近はキラキラとメッキグリルを多用する車が増え、似たようなデザインが増えるなか、控えめなダークメッキグリルとすることでシックな外観を表現した。これ以外に2015年4月マイナーチェンジで追加されたオプション、「2トーンパック」を適用すると天井のルーフ部分がブランド化される。

サイドから。リミテッド用に14インチのアルミホイールを標準装備。ノーマルモデルでも14インチアルミホイールだったが、リミテッド用のはスポークの数を多くし、スタイリッシュなデザインとなっている。これ以外に2トーンパックを適用した場合はドアミラーとBピラーがブラック化され、ダークメタリックのグリルと合わせるとベースとは違うちょっとだけ上品な外観となる。写真のイエロー色はリミテッド専用に設定された「フェスタイエロー」というカラーで、2トーンパックと組み合わせるとベーシックなミライースでありながらそこそこ個性的な外観となる。

リア。このあたりは専用品はなし。
エンジンは KF型3気筒DOHC・NAエンジンのみの設定。最高出力は49ps(36kW)/6800rpm、最大トルクは5.8kg・m(57N・m)/5200rpm。2013年8月のマイナーチェンジで進化した「e:Sテクノロジー」が適用され、CVTサーモコントローラー、気筒別燃焼制御、EGRクーラーなどで燃費性能がアップ。さらに2014年7月のマイナーチェンジではエンジンの高圧縮化などでさらに燃費が向上。デビュー当初、FFモデルで32.0km/lだったものが、35.2km/lまでアップしている。
トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFF(ベース:Xグレード)または4WD(ベース:Xfグレード)となる。SAというグレード名にもあるようようにダイハツの衝突回避支援システムのスマートアシストが標準で備わる。この他ベースのXおよびXfグレードと同様にエマージェンシーストップシグナル、セキュリティーアラーム、ヒルホールドシステム、VSCも付く。

インパネ。リミテッド用にオプション設定だったブラックインテリアを標準装備。

スピードメーターはベースと共通。

フロントシートはセパレートタイプ。こちらもオプション設定だったブラックシート表皮が標準で備わる。

リアシート。ムーヴやタントと違い、シートは左右一体型だ。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

後期型ミライースのリミテッドSAはベーシックなミライースにシックなダークグリルとブラック系の内装でちょっとだけ上品に仕上げた特別仕様車である。ミライースという車そのものはムーヴやタントに比べるとベーシック感が強く、年齢層を問わず気軽に乗れる街乗りグルマという印象が強い。ベーシックな車だけに内外装が簡略化されがちなのだが、このリミテッドSAではできるだけ価格上昇を抑えてちょっとだけ上品に仕上げてある。新車価格でもベース(XグレードまたはXfグレード)とほとんど大差ない価格ながらオプションとSAが付くというバリュー価格で、かなり良心的なモデルといえよう。
スズキが8代目アルトで軽自動車のあるべき「価格の安さ」を全面に出してきたが、ダイハツのミライースでもそのあるべき姿が実現されている。そしてちょっとだけ上品なモデルというのはベーシックゆえに他人と同じになりがちなモデルの中で選択肢を増やす意味で歓迎できるグレードなのである。
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