2015
12/03
木

そのTR-XXの最初期のモデルが1985年11月フルモデルチェンジ、2代目ミラのTR-XXである。時代はバブル全盛期で各社からターボエンジンを搭載した「走りの軽」が登場した時代であった。それまでの一般的な軽自動車といえば「がまん車」というイメージが強く、普通車でもターボエンジンを搭載するのは走りを重視したスポーツモデルだけであったから、そのターボを軽自動車に搭載するという考えはまさにバブルの産物ともいえるだろう。

フロントデザイン。スッキリとした箱型のデザインをうまく利用し、グリル周りをストレートなデザインとしている。バンパー部はメッシュ形状の開口部を用いてスポーティーに。さらにこの時代の象徴でもあるボンネット上のエアダクトが印象的でターボ車であることを主張するデザインだ。

サイドから。昭和の時代の車はサイドに大きなデカールを貼り、高性能車であることをアピールすることが多かった。このミラも「TURBO TR-XX」とデカールがはられている。

リア。さりげないリアスポイラーが付きノーマルと差別化されている。左側にはグレードのデカールが付いている。
エンジンは550CC、3気筒のSOHCターボエンジン。現在のスポーツモデルで採用されているDOHCターボエンジンと比べると出力が低いためちょっとパンチが無い。デビュー当初のターボエンジンは50馬力、トルクは7.0kgだったがマイナーチェンジで64馬力まで高めた「EFI」というグレードが追加された。ただしSOHCエンジンなのに変わりはなく、トルクは7.7kgにおさまっている。トランスミッションは5MTまたは3ATで駆動方式はFFまたは4WDの2種類。エンジン自体はターボモデルの割に非力だが4WDモデルでも車重は650kgと驚きの軽さで、軽量からくるフットワークの軽さが特徴だった。

インパネ。ステアリングやエアコンパネル、オーディオあたりが昭和臭を感じるデザイン。

スピードメーター。軽でもタコメーターが付いたスポーティなものだった。昭和のモデルなので時速100km以上ではキンコンサウンドが鳴る。
やはりターボでもSOHCなので加速はマイルド。

フロントシートはセミバケットシートタイプ。スポーツモデルということでシートもスポーティなデザイン。

リア。バンタイプなのでリアは質素なことが多いがこのTR-XXではそこそこいいシートが付いている。

リアシートは後ろ側に倒れたり

前側に格納される形で収納できる。ハッチバックなので荷室はそこそこ広い。
2代目ミラのTR-XXはミラ史上はじめた搭載されたターボモデルでスポーティな1台である。この後もミラは3代目、4代目とターボモデルが設定され、最終的には4気筒DOHCターボでトルクが10.2kgと今でもトップレベルの出力を誇るモデルまで進化した。その祖先的なモデルとして軽自動車史に名を残す1台だ。
中古市場ではさすがに年式が古くめったにお目にかかれないが、こういった旧車が好きで自分で修理したりレストアするのが好きな人は一考の価値が有るかもしれない(それ以外の人は故障時のリスクなどからオススメはあまりできない)。古き良き昭和のダイハツ製軽ターボ。一般人にはただのお古でオンボロ軽だが、分かる人にはたまらない1台である。
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