2015
07/04
土

2002年1月登場のスズキ・アルトラパン。それまでの軽乗用車にありそうでなかった個性的な丸みを帯びた箱型フォルムの外観と家電や家具を意識した親しみやすい室内空間が特徴の軽乗用車である。アルトラパンが登場した時代では同社のワゴンRをはじめとするトールワゴンが全盛期となる中、アルトラパンは広さを最優先ではなく内外装のデザインを重視し若い女性をメインターゲットとすることで大ヒットした。その後もマイナーチェンジやフルモデルチェンジを重ね15年以上続く息の長いモデルとなっている。
ボディカラーも当時としては珍しく12色もの種類を設定。内装色も2色設定することで、カラーリングにこだわる若者を意識。インパネもそれまでのスズキ車とは異なるファッショナブルなデザインで洗練されていた。
全高はほとんどの立体駐車場に入庫可能な1505mm(FFモデル)としながらも新設計により1255mmの室内高を確保。室内長も当時の背の低い軽乗用車としてはかなり長めの1655mmを確保するなどスタイリングとパッケージングのバランスの取れたモデルとなっていた。

エンジンはアルトやワゴンRで実績のあるVVT機構付きのK6A型エンジンを採用。安全面でも64km/hオフセット前面衝突にも対応した、軽量衝撃吸収ボディーTECT(テクと)を採用しこれ以外に運転席&助手席にSRSエアバッグとシートベルトフォースリミッター、シートベルトテンショナーを標準装備。ABSもオプション設定するなど安全面でも装備を充実化していた。

フロントデザイン。ボディ形状に合わせた丸みを帯びたスクエア型のヘッドライトが特徴的だ。これに中央には従来のスズキのロゴマークではなく車名の由来となったうさぎマークが付いており非常にオシャレだ。デビュー当時の軽は実用的か一部のマニアに受けるスポーティーな物がほとんどだったので、ラパンのようなセンスの良い軽自動車は女性ユーザーにとても注目をあびた存在だった。

サイドから。全高の低いセダン型で、ボンネットが独立しリアのトランク部分がわずかに立って独特のフォルムをしている。ワゴン型ではこのデザインは不可能で、セダン型ならではの普通車っぽいデザインだ。いかにもよくある軽自動車には見えないので、この点も人気の理由だった。

リアもシンプル。特に中央部の「Lapin」というエンブレムが特徴的で、かつての筆記体時代のSuzukiエンブレムをも連想させるレトロなデザインだ。ラパンだけは唯一、スズキエンブレムを前にも後ろにも付けないモデルでもある。

エンジンはデビュー当初はK6A型直列3気筒の自然吸気のみだったが、2002年10月のマイナーチェンジでMターボ仕様の「ラパン ターボ」が追加された。自然吸気エンジンの最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpmを発生。

ターボエンジンはK6A型直列3気筒DOHCインタークーラー付ターボエンジン。通称「Mターボ」と呼ばれる60馬力仕様のターボエンジンで、パワーと燃費を両立させた仕様となっている。最高出力は60ps(44kW)/6000rpm、最大トルクは8.5kg・m(83N・m)/3000rpm。トランスミッションは全グレードで4ATのみ。駆動方式はFFまたは4WDとなる。なお、2003年には男性ユーザーをターゲットとしたラパンSSも追加された。このラパンSSは街乗りをメインとしたスポーツモデル(ストリートスポーツ)で、Keiワークスと同じハイプレッシャーの64馬力エンジンに、5MTもしくは4ATを組み合わせたホットなモデルだった。

インパネ。同年代の他モデルでは見ないファッショナブルなデザインで、当時としてはかなり洗練された内装となっていた。

スピードメーター。これもレトロ調でこだわりの部分。

フロントシートは当初はセパレートタイプだったが、

2003年9月マイナーチェンジ(2型)でベンチシートと足踏式パーキングブレーキを採用したLグレードを追加。2004年10月のマイナーチェンジ(3型)ではラパンSS以外の全グレードで採用。さらにこの時にシート地の一部変更も行われた。

リアシートの足元は狭め。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。なお、デビュー当初のリアシートは一体可倒式だったが、その後に分割可倒式へと変更されている。
初代・アルトラパンの前期型はスクエアなボディにうさぎの装飾がほどこされたおしゃれな軽自動車である。デビューから10年以上経過しているものの、そのデザインは今なお通ずるものがありシンプルだけどそれが逆に個性にもなっている1台だ。中古価格的には年式と現行より3代前となる関係からかなり安価に購入できるモデルだ。街乗りメインとしてワゴンRなどのスペース重視よりもデザイン重視が良い人にオススメな1台である。
なお、この後のマイナーチェンジではよりクラシカルな雰囲気を与えた丸目ヘッドライドのLグレード(後期型)が登場。角目よりも好きなひとにはたまらない愛嬌ある顔つきが特徴的で、中古市場では今なお人気のモデルとなっている。
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