2015
06/14
日

Keiは185mmの最低地上高を確保すると同時にシティユースで出くわすであろうタワー式立体駐車場の高さに対応。一部グレードでは異なるが一番低いグレードで1545mmとし、従来のアルトのような使い勝手を実現していた。
メカニズムでは同年代のアルトにあったエポターボと同じF6A型のインタークーラー付きターボ(60馬力仕様のMターボ)、オールアルミ製のK6A型の自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボ(64馬力仕様のハイプレッシャーターボ)の3種類を設定。ABSはSタイプでとXタイプ以外でオプション設定となっていた(※なお、後継モデルのハスラーにあるようなグリップコントロールなどSUV機能的なものは搭載されておらず、生活4WDと同じ仕様となっていた)。
Keiはその利便性の高さとライトな悪路走破性により雪国での人気が高いモデルであった。アルトやワゴンRなどの低い最低地上高のクルマでは4WDといえど亀になる場合があったが、それよりも最低地上高が程よく高いKeiはジムニーまではいかないがアプローチアングルがアルトやワゴンRよりも高いがゆえに生活4WDとしては除雪があまり行き届いていない道路(ただし最低地上高よりも積もった雪は除く)での走破性は高かった。

フロントデザイン。Keiのデビュー当初(前期型)のデザインは異型台形の輪郭にインナーブラック化されたヘッドライトが特徴で、これにSUVを連想させるグリルとバンパーが備わっていた。ターボモデルではボンネット上に設けられたエアダクトも特徴的で「軽ターボ」がひと目で分かるデザインだった。これ以降の中期&後期ではヘッドライトやグリルのデザインが変更されて可愛らしくなったので、Keiの前期型が一番SUVらしいデザインともいえる。

サイドから。Keiというと5ドアハッチバックを連想するかもしれないが、デビュー当初は3ドアのみの設定だった。5ドアは使い勝手に優れるが、もともと後部座席よりもラゲッジルームを重視した設計なので3ドアの方がデザイン的にもしっくりくるものとなっている。ボンネットからフロントガラスにかけのて曲線が特徴的で、ちょうどジムニーとワゴンRの中間的なデザインになっている。

なお、こちらは5ドアモデル。デビュー直後の1999年3月の一部改良で5ドアが追加された。もともと3ドア設計のボディなので比べてみると後付感がある。

リア。コンビランプが高い位置にあるのが後姿の特徴だ。なお、デビュー当初はエンブレムがシールタイプだったが、

1999年3月の一部改良でエンブレムタイプへ変更されている。なお、スポーツモデルの「Sタイプ」では標準でリアスポイラーが付く。
エンジンは3気筒のNAと2種類のターボの合計3種類。最廉価グレード(Cタイプ)ではK6A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンを設定。最高出力は55PS/6500rpm、最大トルクは / 6.2kg·m/4000rpm。

ターボエンジンは2種類あり、ひとつはF6A型直列3気筒SOHCインタークーラー付きターボエンジンを設定。最高出力は60ps(44kW)/6000rpm、最大トルクは8.5kg・m(83N・m)/4000rpm。GタイプやXタイプに設定される。

もうひとつのターボはスポーツグレードのSタイプに搭載。K6A型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンで、最高出力は64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.8kg・m(106N・m)/3500rpm。トランスミッションは3AT、4ATまたは5MT。デビュー当初は「S」グレード以外のATは全て3ATだったが1999年3月の一部改良で全グレードが4ATに置き換わった。駆動方式はFFまたは4WDとなる。ABSはSとXのみ標準装備。これ以外ではオプション設定。

インパネ。

5MT。ATでは旧来のフロアシフト仕様だ。

1999年3月の一部改良で若干インパネが変更されている。

スピードメーター。最廉価のNA以外ではタコメーター付き。スポーツモデルの「S」に関しては1999年3月で裏地がシルバーのものへ変更されている。

フロントシートはセパレートタイプ。

3ドアのリアシート。補助的な位置づけなのでヘッドレストが無い。

5ドアのリアシート。こちらは変わってヘッドレストが付いているがラゲッジルーム優先の設計のため、足元が狭い。

3ドアのラゲッジルーム。今の軽自動車とは違ってリアシートが起きた状態でも広い。

5ドアのラゲッジルーム。広さ自体は3ドアと同じだ。

リアシートを倒した状態。
Keiの前期モデルは約11年の歴代Keiの中でもSUVらしいデザインが特徴の軽自動車である。これ以降のKeiは女性を意識したのかフロントが可愛らしくなるので男性ユーザーは少し敬遠したいモデルとなった(ただし、男性ユーザーに対してはスポーツモデルに特化したKeiスポーツやKeiワークスが追加投入され、差別化はされていた)。地上最低高の高さから乗り降りがしやすく、ワゴンRよりも悪路走破性が若干高かく、それいでいて荷物もたくさん乗るために特に雪国で人気となった。
Kei自体は1998年の登場から実に11年も販売され続け細かなマイナーチェンジを受けながら長寿モデルでもあり、その後生産終了となったがそのモデルを惜しむユーザーの声から「ハスラー」として後継モデル誕生している。軽自動車で大径タイヤに程よい高さというのは特に積雪のある雪国で確実に需要があり、そういったジャンルを確立した「Kei」というのは軽自動車史上でも歴史に残る1台である。
中古車に関しては(前期型は))製造から15年以上経過しているためにかなり格安だがくたびれた個体も多く、もし購入するのであれば状態の良い物を念入りに見つけたいところである。
style="display:block"
data-ad-client="ca-pub-3088884606305163"
data-ad-slot="5682853689"
data-ad-format="auto">
- 関連記事
-
-
スズキ Kei up to you KANSAI(アップトゥーユー 寛斎) (中期型 HN22S型)
-
スズキ Kei (HN11S・HN12S・HN21S・HN22S型)
-
スズキ Kei FISフリースタイルカップリミテッド(後期・3型 TA-HN22S型)
-
【後期型】スズキ Kei(CBA-HN22S/TA-HN22S型)
-
【中期型】スズキ Kei(GF-HN11S/GF-HN21S/TA-HN12S/TA-HN21S型)
-
【前期型】スズキ Kei(GF-HN12S/GF-HN21S型)
-
スズキ Kei スペシャル (前期型 HN21S型)
-
【中期型】スズキ Kei Aリミテッド/Bリミテッド(HN22S型)
-
スポンサーサイト
AFTER「ホンダ N BOX スラッシュ(JF1/JF2型)」
BEFORE「マツダ キャロル(7代目 HB36S型)」
MESSAGE
TRACKBACK
メーカー別車種一覧
COMMENT