2012
10/08
月

スズキのカプチーノはバブル全盛期の1991年に、軽自動車枠でのスポーツカーとしてデビューした。長いボンネットにはターボエンジンが縦置きされており、サスペンションも軽自動車としては初となるダブルウィッシュボーン式(独立懸架)を採用。駆動方式はFRで前後重量バランスは51:49を実現していた。実用性がメインとなる軽自動車で室内空間を犠牲にし、極限までスポーツ走行に特化したパッケージングはまさにバブル時代ならではの軽自動車であった。

フロントデザイン。異型の楕円形ヘッドライトがカプチーノのキャラクターを印象づけている。スポーティーな顔つきながら可愛らしさも同時に、ありまさに軽自動車のスポーツカーともいうべきデザインだ。

サイドから。ボンネットエリアを切り詰めて室内空間を確保しようという軽自動車が多い中、このカプチーノは全くの真逆でボンネットがかなり長い。車高も低くスポーツカーに必要なロングノーズショートデッキを軽自動車で実現している。

リアは丸くて可愛い感じもある。ヘッドランプ、テールランプは社外品が出ているので交換すればスッキリと若返る。


なお、ヘッドライトとテールランプの両方で社外品が発売されている。

エンジンは2代目後期型アルトワークスと同じF6A型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジン。64馬力(6500rpm)と8.7kg(4000rpm)のトルクを発生する。なお後期型ではこのエンジンがK6A型に変更され、トルクが10.5kg(3500rpm)とアップしている。トランスミッションは5MTのみの設定(後期モデルでは3ATが追加されている)。駆動方式はFRのみとなる。

インパネ。当時の軽自動車としてはかなり良い方。

スピードメーター。

シフトとサイドブレーキ部分。シフトブーツは革製のものが付いており、本格的スポーツカーのような上質なデザインだ。

フロントシートはセミバケットシートとなる。

トランクルーム。ちょっとした荷物なら以外と使えそうな広さ。

カプチーノは見た目の通り実用性を度外視した軽スポーツカーである。アルトワークスやミラターボと比較してもFRによるスポーツ走行は、車を操ることの楽しさを味わえる1台だろう。ただそのネックは価格で中古市場ではそのキャラクターゆえにプレミアムがついている。軽乗用車トリオの中でもAZ-1は異常なプレミアム価格なため比較対象からはずすが、「ターボ付きのFRスポーツ」という点が現行モデルでは存在せず、かつビートよりも直感的にスポーティーな走りを楽しめるため軽乗用車トリオの中では一番人気かつ10年以上経過するモデルにかかわらず値段も高値となっている。年数経過による消耗品のトラブルや故障などリスクが高い旧車に近くなってきているが、それを含めても軽でFRターボという貴重な存在は、今でも十分な魅力を持つ存在である。
なお、K6A型エンジンに置換する前のモデルでは、特別仕様車(リミテッドⅠ~リミテッドⅢ)が設定されており、写真の黒いカプチーノはその最終盤である「リミテッドⅢ」と呼ばれるもの。リミテッドシリーズではノーマルに対し内装が専用品(木目調またはカーボン調)に変更され雰囲気がよくなる。また、ノーマルには設定のない専用色が設定されるなどカプチーノの魅力を高めた特別仕様車となっている。
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BEFORE「ダイハツ ミラアヴィ RS (前期型 L250S・L260S型)」
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No.147 Re: 記載ミス
TREKさん、はじめましてこんばんは。
ご指摘ありがとうございます。確かにカプチーノの前期は3気筒エンジンなのでF6Aが正解ですね。早速訂正いたします。投稿者:さすらいのクラ吹き 2018/02/16 (金) 22:20
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No.146 記載ミス
カプチーノに関するすべての記事で
アルトワークスと同じF6B型エンジンと記載されていますが
アルトワークスは4気筒のF6Bではなく
3気筒のF6Aです(-∀-`; )
F6BはセルボモードSR-FOUR専用エンジンですよ