2012
09/30
日

軽自動車新規格後の1999年10月に登場した6代目(サンバー)ディアスワゴン。他社とは違うメカニズムがマニアには受け、少数ながらも根強い人気を誇っていたが生産元のスバルが軽自動車撤退の決断後、このサンバーも生産終了となった。WRブルーリミテッドはそのサンバーの誕生50週年を記念して生産された限定モデルである。
スバルの軽自動車は、非常にこだわりがありそれは1BOXワゴンや軽トラでも例外ではない。サンバーの特徴は軽自動車では珍しい4気筒エンジンにスーパーチャージャー、リアエンジン、四輪独立懸架とコストを重視する軽自動車においてあえてそれを無視した豪華な装備だろう。

WRブルーリミテッドはスバルらしさをひと目で表現する、同社のイメージーカラーの「WRブルー」でペイントされたボディカラーが最大の特徴だ。このWRブルーはWRC参戦時代にインプレッサWRX STIに塗られていたブルーで、今でもインプレッサ(現行ではWRX)に設定されるスポーティなカラー。その他の車種でもスポーティなグレードにはこのWRブルーが設定されることがあったが、今回サンバーに純正色として設定されるのは初めてで、1000台の限定とも重なって非常に希少な1台となっている。その他フロントには専用のツートンカラーバンパーが装備される。

横から。鮮やかなWRブルーが際立ち、遠目でもかなり目立つ。WRブルーリミテッド専用としてバンにはハイマウントストップランプ付きルーフスポイラーが付く。

リア。コンビランプがコストカットなのかキラキラ感が薄いのが少し残念。上述のルーフスポイラーの他、マフラーカッターも純正で付いている。

ちなみにこちらは軽トラバージョン。ディアスとトラックで共に500台ずつ、合計1000台の限定生産だった。ライバルメーカーにはこんなにも鮮やかな軽トラックは存在しないのでかなり目立つこと間違いなしだ。
エンジンはスバル伝統の4気筒エンジン。NAとスーパーチャージャーモデルが存在するが一般的なスーパーチャージャーモデルとは異なり出力が少し抑えられている。ただし、このWRブルーリミテッドではNAモデルのみの設定となる。トランスミッションは3ATまたは5MTの2種類。駆動方式はRRまたはパートタイム4WDの2種類で、5MTに関してはシフトノブ上部に$WDorRRの切り替えスイッチが付く。

インパネ。元は軽トラックメインで設計されているので、普通のワゴンRやムーヴと比べると非常に商用チックなデザインとなる。

タコメーターの無いシンプルなスピードメーター。

5MTのシフトノブ。オレンジのスイッチは4WDの切り替えスイッチ。ATモデルにはこの切り替えスイッチは付かず常時(フルタイム)4WDとなる。ちなみにサンバートラックには悪路脱出用のエクストラローが付いているが、このディアスには無い。

フロントシートはセパレートタイプ。WRブルーリミテッド専用品として黄色のスティッチが施される。

リアシート。

荷室はこの手のワンボックス軽自動車ということでかなり広い。
他のメーカーにはない四輪独立懸架により乗り心地はしなやかで、特に貨物車両として使用する人からは評価が高い。ちなみに軽トラで有名な赤帽もスバルのサンバーを採用していた。

赤帽バージョンでは貨物車両の宿命上、過走行となりやすいので耐久性を向上させた赤ヘッドエンジンを採用している。20万キロまでオーバーホール不要な超タフエンジンである。
サンバーは、非常に拘りの多い1台である。その魅力にとりつかれたマニアは多く、本稿の限定車WRブルーリミテッドはトラック、ディアスを合わせて軽1000台の限定生産だったがインプレッサの22Bを凌ぐスピードで完売となった。
他社にはないメカニズムがマニアには評価され、特にトラック版に至っては「農道のポルシェ」と称されたほどずば抜けていた。OEM供給になる前に、ダイハツのハイゼットの性能が低すぎてスバル側の注文が多かったという噂もある。スバル製サンバーは、今では中古でしか買えないがこの魅力にとりつかれた人間が買う1台だろう。特に限定のWRブルーサンバーはその極みといったところで、過給器が無い点は惜しいのだが軽トラ(軽ワンボック)離れした目立つカラーリングで所有欲を満たしてくれる1台だ。
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COMMENT
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No.6 R-2と兄弟車?
初代サンバーは、スバル360をベースに作られたそうで独立懸架やリアエンジンはその名残だそうです。R-2はスバル360の後継車ですから共通点があるのでしょうね。
他の方のブログでも書かれていましたが、乗り心地の他にデコボコした道でも荷室があまりはねないそうで、空荷の時は顕著に出るみたいです。路面の追従性も良いでしょうね。独立懸架でない他社製(ダイハツ・ハイゼット、スズキ・キャリー、ホンダ・アクティ)ではこうは行かないでしょう。
軽自動車撤退は本当に残念です... 逆にハイゼットを辞めてサンバーにしちゃっても良かった思います。投稿者:さすらいのクラ吹き 2012/09/30 (日) 20:03
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No.7 オフロード走行
ちなみに、こんな悪路でも大丈夫みたいです。
http://www.youtube.com/watch?v=lmyyEj34hR4&feature=related投稿者:さすらいのクラ吹き 2012/09/30 (日) 20:12
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No.5 4輪独立懸架は良かった
こうやってエンジンルームを見てみると、サンバーは僕が乗っていたR-2のエンジンレイアウトと、基本的に同じですね。
RRの車は登りや、悪路に強いですよ。
それに4輪独立懸架は乗り心地がいいだけじゃなくて、へこみのできた砂利道で威力を発揮します。
こういう車が生産中止になるのは、自動車市場残念なことです。