2015
03/19
木

1998年10月に軽自動車新規格と同時にデビューした5代目アルト。5代目アルトは1998年の軽乗用車新規格にあわせて新開発の「軽量衝撃吸収ボディー」を採用。クラッシャブル構造や骨格構造も取り入れ安全性と軽量設計を両立させた。ボディサイズは先代よりも全長は100mm、全幅は80mm拡大。これにあわせて重量増を抑えるために小さな部品にまで軽量化を徹底。全体での軽量設計が追求されている。
メカニズムでは上級グレードに新技術となるDOHCリーンバーンエンジンや、SOHCターボ、CVT、電子制御スロットルの採用で低燃費を追求。特にリーンバーンエンジン仕様車(FF・5MT)では10・5モード燃費で29.0km/リットルの低燃費を実現した。また、ホイールベースの延長やトレッドの拡大により乗り心地をアップ。ボディ剛性の向上で静粛性を高めるなど先代よりも快適性が向上した。また、一部グレードを除いてブレーキアシスト付4輪ABSをオプション設定するなど安全機能も向上させている。
その5代目アルトはデビューから約2年後の2000年12月にビッグマイナーチェンジを行い後期型となった。後期型ではフロントバンパー、フロントグリル、ヘッドライトのデザインを変更(マルチリフレクター化)し質感をアップさせたほか、内装ではインパネのエアコンパネルのデザイン変更に便利なカードホルダーを新設。メカニズムでは全グレードでオールアルミ製K6A型エンジンを採用したほか、MT車を全グレードで5MT化。便利機能としては商用モデルを除いて電波式キーレスエントリーを全グレードで標準装備とし、一部4WDグレードで運転席シートヒーターを採用。内外装やメカニズムで大幅アップデートが施されたマイナーチェンジとなっている。

フロントデザイン。前期では旧来のレンズカットが入ったタイプだったが、これをマルチリフレクターに。これにより一気に見た目良くなった。同年代のライバル、「ダイハツ・5代目ミラ」はデビュー当初からマルチリフレクターヘッドライトだったので、これでようやく横並びなった。この他、グリルやバンパーのデザインも変更されマルチリフレクターヘッドライトと合わせて質感が向上している。

サイドから。ここら変はとくに変更はない。全高が特に低かったのは5代目アルトまでで、ライバルのミラと同様に6代目から徐々に背が高くなる。ただ、その分室内空間も広くなって、ベーシックなアルトといえど快適な車へ進化していく。なお、後期型では商用モデルを除いて電波式キーレスエントリーが標準装備となった。

足元はフルホイールキャップ。

リア。ライバルの5代目ミラではテールランプがマルチリフレクター化されたが、アルトではそのままのレンズカットタイプだった。

外観に拘る人にはマイナスポイントだがアルトワークス用に販売されいた社外テールへの交換は可能だ(ただし、現在では新品の販売が終了しヤフオクメインで入手困難)。

エンジンは全グレードでK6A型3気筒直列DOHC自然吸気エンジンのみ。前期型では商用モデルや廉価グレードでF6Aエンジンが設定されていたが、後期型ではK6Aに統一された。ただし、後期型がデビューしたのと同時に最終型である4代目アルトワークスが生産終了したため、完全な自然吸気モデルのみの展開となった。最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.2kg・m(61N・m)/4000rpm。リーンバーン仕様車では特性が異なり、最高出力は46ps(34kW)/6000rpm、最大トルクは5.8kg・m(57N・m)/3500rpm。
トランスミッションは3AT、4AT、CVT(リーンバーンエンジン仕様のみ)、5MTのいずれか。バンタイプのオートマは基本的に3ATのみの設定だったが、最終モデルで4ATを搭載した「Vl」グレードが追加された。乗用モデルでは廉価グレードが3AT、上級グレードで4AT、リーンバーンエンジンはCVTとなる。低燃費を謳う「リーンバーンエンジン」仕様車では2駆のFF&5MTで10.5モード燃費、1L30kmをこの時代に達成していた。駆動方式はFFまたは4WDとなる。

インパネ。ベーシックなアルトで設計時代も古いので、やはり古臭さがある。後期型ではエアコンパネルがダイヤル式にデザイン変更。インパネ右側にはカードホルダーが追加された。

マニュアルトランスミッション。後期型では全グレードで5MT化された。バンタイプと廉価グレードの乗用タイプではこの質素なつくりだが、一部の上級グレードではアルトワークスのような見た目のものもある。

乗用モデルで上級グレードの5MT。ただしタコメーターは無い。

オートマ。同年代KeiやワゴンRと部品は共通だ。画像は4AT仕様でオーバードライブ付き。

スピードメーターはバンタイプと乗用タイプで異なり、バンタイプは上のような青地のもの。

乗用モデルでは白地のものとなる。この展開はライバルのミラと同じ。

フロントシート。ベーシックながらも若干サイドのサポートが付いている。エポとエポエクストラの4WD仕様では運転席にヒートシーターが備わった。

なお、バンタイプではサイドが無い質素なシートとなる。

リアシート。ワゴンRやムーヴなどと比べるとリアシートは質素な作り。足元も新規格であるがこの時代はボンネットエリアとラゲッジルームを広く取る傾向があったので足元が狭い。

ラゲッジルームは広め。

リアシートを倒すと広くなる。なお、シートは一体可倒式。

5代目アルト後期はマルチリフレクター化された前期とは明らかに違う見た目と、旧来のベーシックなデザインが特徴の軽自動車である。これ以降のアルト、特に7代目はヨーロピアンなデザインで、6代目でもクセのあるデザインとなっているので、見た目的に5代目が良いという人も居るだろう。そして8代目はかなり個性的だからその傾向は強いと思う。さらに中古価格も魅力的なモデルで、登場から年数がたっているためかなり安価で購入可能だ。重課税も気になるところだが、とりあえず予算がほとんどなくて街乗りメインの足車で十分といった要望に答えられる1台。その他にはMTグレードがあることを生かしてジムカーナ等で遊ぶ趣味車のベースとしても良いだろう。
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