2012
09/29
土

1994年9月にフルモデルチェンジし、4代目となったダイハツのミラ。4代目ではそれまで続くスクエアを基調としたボディラインから丸みを帯びたボディを採用し、全体的に上級なイメージを与えたフルモデルチェンジとなった。4代目ミラではベーシックモデルを低価格かつ経済性の高い人に優しいモデル。もうひとつのターボモデルは先代同様に過激でスポーティーなホットハッチとして位置づけていた。
TR-XXではベースのミラに対し外装では専用グリル、専用フォグランプ付きフロントバンパー、専用エアダクト付きボンネット、専用リフレクター内蔵リアバンパー、リアスポイラー、ゲートスポイラーなどでドレスアップ。内装でも専用シートに専用タコメーター付きスピードメーターなどでスポーティーな装いに。そして今回のフルモデルチェンジではエンジンをパワーアップ。それまでのSOHCからDOHCに変更され、さらに3気筒に加えて4気筒DOHCターボエンジンも設定するなどライバルのアルトワークスと熾烈な競争を繰り広げていた。
その4代目ミラのTR-XXは1996年5月のマイナーチェンジでフロントデザインの変更を行い後期型となった。後期型ではフロントグリルを新デザインとしたほか、マルチリフレクターヘッドライトを採用し、顔つきをリフレッシュ。内装ではスピードメーターをホワイト化し、新シート表皮を採用するなどしてよりスポーティーなイメージを高めた。

フロントデザイン。後期型最大の特徴は開口部を絞られたグリルの採用だ。往年のアルトワークスでも見られたデザインは非常に勇ましく、いかにも速そうである。前期型はミラ・モデルノという上級モデルのグリルとほぼ同じものを使っていたため、スポーティーというよりは上品なデザインだったが、これならやんちゃ臭のする過激なデザインといえるだろう。

サイドから。車高が低くスポーツ走行するには大事なポイント。サイドアンダースポイラーは前期型ではボディと一体型だったが、後期型では後付タイプとなり、迫力がアップした。ボディ後部には「TR-XX」のデカールが付き、サイドからもスポーティーな雰囲気を漂わせている。

リア。モデルノと共通部分があるが専用のリアスポイラー、専用リアバンパー等でこちらもスポーティーなデザインだ。前期型ではリフレクターを内蔵したバンパーだったが、後期型ではリフレクターがコンビランプに移動。バンパー形状もSUVのバンパーガードのようなデザインを取り入れスパルタンなデザインとした。
エンジンはEF-RL型3気水冷直列3気筒DOHC12バルブインタークーラー付きターボエンジンとJB-JL型筒水冷直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンの2種類。3気筒ターボは最高出力64ps(47kW)/6800rpm、最大トルクは10.7kg・m(104.9N・m)/4000rpm。4気筒ターボは最高出力64ps(47kW)/7500rpm、最大トルクは10.2kg・m(100.0N・m)/4000rpmを発生する。トランスミッションは5MTまたは4AT。駆動方式はFFまたは4WDで、「アバンツァート」が3気筒ターボでノーマルのFF、「アバンツァートR」が4気筒ターボ&FFにLSDを標準装備した2駆のスポーツ仕様、「アバンツァートR4」が4気筒ターボ&4WDモデルとグレードによってエンジンと駆動方式などが設定されていた。なお、前期型には3気筒ターボがあるが後期型では全て4気筒ターボに統一された。
なお、このJB型の4気筒ターボエンジンは一時、ダイハツの各種スポーツグレードに搭載されていた名機で、2代目ムーヴカスタム、2代目ムーヴSR-XX、3代目ムーヴカスタムRS、MAX・RS、オプティ・エアロダウンビークス、初代コペンなど数多くのモデルに設定があった。

インパネ。

スピードメーター。後期型ではデザインが一新され、文字盤背景もホワイトタイプとなった。

フロントシートはアバンツァートの刺繍が入ったセミバケットタイプ。

リアシート。3ドア車なので補助的なもの。

ハッチバックなのでリアシートを倒すと実用性もある。
4代目ミラのTR-XXは実質、アルトワークスのライバルであり、ハッチバックである点、ターボやマニュアルなど性格が非常に似ている。大きく違うのはエンジンが3気筒か4気筒かの違いだが、アフターパーツが多いのはアルトワークスに軍配があがる。ただ、街なかでよく走っているのはアルトワークスなので、希少性で言えばこっちのミラTR-XXだろう。
この4代目は新規格がはじまる直ぐ前にでたので、今の軽自動車に比べると室内空間や最大サイズが小さい。この点の欠点はあるが、700kg台の車重による加速性能は素晴らしいものがあり、コペンを凌ぐことだろう。ただ、残念ながら市場ではこのTR-XXの良質な中古車がほとんど存在しない。登場から14年ほど経過している点が大きな要因だと思われる。
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