2015
02/27
金

トヨタの軽自動車第1段として発売されたのがこのピクシススペース(カスタム)で、その登場は2011年9月だった。背景としては普通車の販売が右肩下がりな一方で、軽自動車はその反対に顕著な右肩上がり。地方ではセカンドカーとしての需要から販売店からの要望が多かったこととされている。

ピクシススペースカスタムは軽自動車好きならご存知ムーヴコンテカスタムのOEMモデルで、基本的にはエンブレム以外はダイハツ版と同じだ。ベースのピクシススペースよりもスポーティに仕立てた1台で、スクエアを基調としたトールワゴン型のボディにスクエア+丸型のハイ・ロー独立式ヘッドライトを備え、大型のメッキグリルがその存在感を大きくしている。その他にバンパー部のフォグランプも特徴的で、一般的な丸型とは違うスクエア型がボディデザインとうまく調和している。エンブレムがトヨタになっているだけの違いなのだが、なぜかしっくりくるデザインで、見慣れた安っぽいダイハツエンブレムと違ってこちらのほうが高級感もある。

横から。スクエアなボディデザインがよくわかる。

リア。コンビランプはノーマルモデルとは異なる専用のクリアータイプが装着されている。発売当初はブレーキランプが旧来の電球タイプだったが、2012年4月のマイナーチェンジでダイハツ版と同じくテールランプがLED化された。その他リアもエンブレム以外はダイハツ版と同じである。ただ、フロントと同じくエンブレムの違いだけなのになぜかこれが普通にみえてしまう不思議なモデルだ。

なお、こちらが発売当初の電球タイプのコンビランプ。デザインに好き好みが出るだろう。ちなみにムーヴコンテには社外品のテールランプがリリースされているので、OEMであるピクシススペースでも流用は可能だ。カスタムも楽しめる。

エンジンは3気筒のNAまたはターボの2種類。トランスミッションは全グレードでCVTのみの設定。ダイハツ版ではデビュー当初に4ATの設定があったが、トヨタにOEM供給される頃には全てCVTに切り替わっていた。駆動方式はFFまたは4WDとなる。なお、ダイハツ版のムーヴコンテカスタムに追加設定されたスマートアシストはトヨタ版には設定されていない。トヨタの方針ではコンパクトカーと競合する懸念から積極的に軽自動車を売ることは控えているので、この点の安全装備は排除しているものと思われる(ただし、ベーシックなピクシスエポック(ダイハツ版:ミライース)にはスマートアシストが搭載される)。アイドリングストップは2012年4月のマイナーチェンジで追加。次の2013年7月のマイナーチェンジでアイドリングストップを改良し、オプションとしてツートンカラー仕様を設定した。

インパネ。丸型の通風口が今風のデザインを感じさせる。すっきりとシンプルなインパネとなっている。基本的にステアリングのトヨタエンブレム以外ベースと同じである

なお、ピクシススペースカスタムのデビュー当初はダイハツ版と同じくモモステ(momoステ)が「RS」グレードで標準装備されていたが、その後のマイナーチェンジ(2012年4月時)で廃止となった。

フロントシートはベンチタイプ。

リアシート。ワゴン型ということで足元は広めだ。

当然ながらラゲッジルームは狭い。

リアシートは分割可倒式。

リアシートを全て倒した状態。
ピクシススペースカスタムは、トヨタの軽自動車中で最もスタイリッシュでスポーティな軽自動車だ。その外観とトヨタエンブレムからまさに軽自動車版「Bb」といったところで、デザイン性もかなり高い1台。トヨタのエンブレムしか違いがないのだが、雰囲気が違って見える不思議なモデルでもある。OEMモデル全般に言えることだが、供給元の軽自動車は街中で被ることもあるが、OEMモデルではその可能性も少なく他人と被るのが嫌な人には良い選択肢となる。中古市場ではあまり売れていないのか、あるいは販売制限が取られているのかタマ数がベースよりも少なくなっている。
スマートアシストが選べないのがベースよりもネックになるが、トヨタのスタイリッシュな軽自動車としての魅力は1番高いだろう。普通車から軽自動車への乗り換えでトヨタが良い人は、まず検討すべき1台だ。
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