2014
12/29
月

ターゲットはクラシック志向層。この手のパイオニア的存在であるスバル・ヴィヴィオ ビストロの大ヒットにより1990年代中盤ではホンダを除くスズキ、ダイハツ、三菱、マツダの各社が後追いする形で既存モデルをベースとしたクラシック風モデルを展開していた。そこから軽クラシックモデルの需要を見出したダイハツが、1998年10月の軽乗用車新規格後に新たに登場させた本格クラシックテイストの軽乗用車がミラ・ジーノである。

ミラジーノは5代目ミラをベースに専用設計したボンネットフードとフェンダー、丸型マルチリフレクターヘッドライト、バンパーメッキモル、大型メッキグリル、専用リアコンビランプなどでベースとは異なるクラシックな雰囲気を演出。内装でもウッドステアリングやウッド調パネル、専用シートに、専用ドアトリムクロスに専用ホワイトメーターなどを与えミラよりも上級かつファッショナブルなミニセダンとなっていた。
メカニズムは5代目ミラと同じくEF型の3気筒自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を設定。特にターボ仕様(ミラジーノ ターボ)には5MTも設定され、前モデルのミラ・クラシック時代とは異なり、走りを求める男性にも人気のモデルであった。このほかに衝突安全ボディのTAFを採用し新国内衝突安全基準および新欧州衝突安全基準に余裕をもたせたて対応。運転席エアバッグの標準装備やブレーキアシスト付きABSのオプション設定など安全面でも順当な進化を果たしていた。

その初代ミラジーノに2000年10月。ちょうど中期型マイナーチェンジと同時設定された特別仕様車がこの「ミニライトスペシャル」である。名前から想像するとフロントグリルに小さいライトが追加されているので、ミニライトと呼ぶかとおもいきや車好きには有名なイギリスのアルミホイールメーカー「ミニライト」とのタイアップとなる。ミニライト仕様ではノーマルに対し外装はミニライト製アルミホイール、フロントフォグランプ、ミニライトロゴデカールを標準装備。内装はブラックシートにブラックインテリアでそれまでのレトロ感を維持しつつもスポーティーな印象を与えている。

フロントデザイン。ミニライト仕様では丸型フォグランプ内蔵グリルを新規採用。これにより悪天候時の視界確保や他車からの視認性向上だけでなく見た目もフォグなしと比べると1弾レベルアップした。一般的にフォグ付きとフォグ無しでは見た目に差が生まれるものだが、ミラジーノに至ってはそれが顕著で元々のデザインによく合うフォグランプとなっている。このほか、2001年10月マイナーチェンジで追加されたターボ仕様の「ミニライトスペシャルターボ」では、ハイロー切り替え式のディスチャージヘッドランプも標準装備。「ミニライトスペシャルリミテッド」ではオプション設定される。

サイドから。ここがミニライトたる所以の部分で、アルミホイールがミニライト製になっている。元々は本家ミニで採用されるアルミホイールなので、イメージ的にもかなりマッチングしてオシャレでレトロ感を強調させるポイントとなっている。

加えてミニライトのロゴデカールもリアドアに付く。

足元はミニライト製13インチアルミホイールを標準装備。

リアは特に変更が無いが、ミニライトスペシャルであることを示すため左下エンブレムの上に専用のデカールが付いている。このほか初代ミラジーノの中期型マイナーチェンジと共通で内部のリフレクターにメッキを用いたマルチリフレクターコンビランプの採用と、ナンバープレート上にリヤライセンスガーニッシュを追加されている。

エンジンは当初3気筒のNAのみの設定だったが、後に3気筒ターボモデルが追加されている。EF型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンは最高出力58ps(43kW)/7600rpm、最大トルクは6.5kg・m(63.7N・m)/4000rpm。

ターボエンジンは2001年10月マイナーチェンジ時に追加。インタークーラー付きで最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは10.9kg・m(106.9N・m)/3600rpm。ちょうど5代目ミラのターボモデル(ミラ・TR)などと同じ仕様だ。これに5MT、4AT(2WDのターボのみ電子制御式4速オートマチック(ESAT)を新たに採用)、一部4WDグレードで3AT(※ただし2001年10月マイナーチェンジ時に廃止、4WDも4ATに置換)が組み合わせられた。
ターボモデルに至っては5MTの設定もあることからコアな男性ユーザーからの支持を受けた人気モデルだった。その関係から5MT&ターボのモデルは出回っている台数の割に人気があるので希少車種となっており中古市場で取引される場合は高値になる傾向がある。

インパネ。ミラジーノと同じデザインだが、ミニライト仕様ではウッド調クラスターパネルではなく、シルバーとブラックの組み合わせで、ノーマルよりもスポーティー感を演出した。なお従来通りのウッド調パネルはオプション設定となる。この他、本革巻ステアリングホイールもオプション設定。

スピードメーター。これはノーマルと同じの3眼タイプ。ミラジーノの中期型マイナーチェンジで中心のカラーがブラックからシルバーに変更。文字盤のフォントも若干変更されイメージが刷新されている。

ターボ仕様も同様で前期型同様に右側がタコメーター。中心がスピードメーターで、左側が燃料計と水温計となる。

フロントシートはセパレートタイプ。ノーマルとは異なりブラック&グレー表皮で落ち着いたカラー。

リアも同系色。スライド機構は非装備。

ラゲッジルームはそこそこ広い。

リアシートを倒した状態。

初代ミラジーノの前期型・ミニライトスペシャルは、ノーマルのミラジーノに魅力的なアルミホイールと丸目ヘッドライトによく合うフォグランプ、ブラックインテリアが組わされたスペシャルなモデルだ。外観がより一掃ミニに近づいて、可愛さと個性が際立つ1台となっている。その関係から今でも中古車の中では人気車種のひとつで状態の良いターボに5MTモデルなら高値になる傾向がある。NAであればそこそこの値段で買えるが、年式が経過してきているので状態の良いものを探すことと購入後もメンテナンスに気をつけたい。その点を考慮してもタダの足車としての軽自動車とは違う所有感を満たしてくれる1台だ。
なお、この後の初代ミラジーノの後期型マイナーチェンジではミニライトスペシャルも変更を受け、フロントグリルが大型化。フォグランプが黄色から白色へ変更され、特に内装では専用インパネ&2眼メーターの採用とブラックカラーのレザー調シートにより質感が飛躍的にアップする。この点から初代のミニライトスペシャルはこの前期型よりも後期型が人気となっている。
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